山根治blog

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投資ジャーナル事件の真相 -3

翌年、姿を隠していた中江滋樹氏が警視庁に出頭する直前に、氏についての記事を再度公表しました。前回と同様、「明窓閑話」のコラム欄においてです。以下、山陰経済ウイークリーの昭和60年5月14日号から転載いたします。「明窓閑話」190回目の記事であり、私はこの記事をもってこのコラム欄を閉じることにしました。「休むも相場なり」と気取ってはみたのですが、実のところマスメディアのいいかげんさに嫌気がさしてきた […]

投資ジャーナル事件の真相 -2

私は事件が起った直後に、地元の新聞社が発行している「山陰経済ウイークリー」という雑誌に中江滋樹氏についての一文を寄せたことがあります。当時、「明窓閑話」と題してその時々の思いを綴っていたのです。以下、同誌の昭和59年9月11日号から転載いたします。「明窓閑話」181回目の記事です。 ***「負ければ賊軍」投資ジャーナル、甘い儲け話にワナ、十倍融資、悪のカラクリ、詐欺商法に奢った中江滋樹の宴のあと、 […]

投資ジャーナル事件の真相 -1

今から21年前の1984年8月23日、投資顧問業の企業グループが警視庁の摘発を受けて、あっけなく倒産してしまいました。相場師中江滋樹氏が経営する投資ジャーナル社をはじめとする14社に及ぶ企業グループでした。 時のマスコミはガサ入れの半年程前から中江氏個人と投資ジャーナル社のバッシングを始め、ミソもクソも一緒にしてあることないことを喧伝し、中江氏を稀代の詐欺師に仕立てあげていきました。 倒産の引き金 […]

江戸時代の会計士 -15

領民の代表達は、それぞれ自分達の村に帰って村民一同を集めて、勘略奉行恩田木工からの提案について報告します。村民一同が喜んだのは言うまでもありません。 “あの足軽共の在方(ざいかた)へ出(いで)て荒びるには困り果てたるに、向後(きょうご)一人も出すまじくとの仰せなれば、こればかりにても有難きことなるに、以後諸役までも御免との事なれば、向後倍金、二年分づつ御年貢差上げ候ても苦しからず候。早々御請(うけ […]

江戸時代の会計士 -14

恩田木工は、3つ目の無心を領民に話しかけます。無心の最後のものです。 “「御用金差上げ候者共へは、これまた御返済なされたきものなれども、皆々知りたる通り、元来なきものなれば、只今(ただいま)返済ならぬなり。又、かく言ふは如何(いかが)はしけれども、人々の身代(しんだい)、只今相応にても、不仕合(ふしあわせ)なれば、子孫に至り貧になるべきも知れぬものなり。依って、万一左様の節は、利足を加えて遣はした […]

江戸時代の会計士 -13

算者(会計士)としての恩田木工は、次のような計算を示して領民たちに理解を求めようとしました。 “手前算者にも積らせ、自身にても当ってみたれども、先づ願ひ事何かにつけて、御領分の者共より諸役人へ賄賂を遣(つか)ふこと、年中には百石につき積り、銭何程(いかほど)、又年中諸役へ人足手間費(ついえ)の分、銭に積り百石に何程、さて九百人の足軽年貢催促に出(いだ)し候節、月々故、年中に割合ひ百石につき、この者 […]

凛にして毅なる碩学、北野弘久先生 -3

 今一つ私の目をひいた鑑定意見書は、竹中平蔵氏(当時.財政経済担当大臣、現.総務大臣)に関するものでした。 「住民税脱税犯における偽計行為(1)」と「住民税脱税犯における偽計行為(2)」の2章に分けて論じられているもので、それぞれ、東京地裁に提出された先生の鑑定所見書であり、東京高裁に提出された先生の補充鑑定所見書の概要です(同書、567ページ~586ページ)。 ことの発端は次のようなものでした。 […]

凛にして毅なる碩学、北野弘久先生 -2

 「税法問題事例研究」(勁草書房)の中には、多くの鑑定意見書がそのままの形で掲載されており、当事者と北野先生との話し合いとか法廷における生々しい現場の雰囲気までも伝わってくるようです。 法学者にありがちな衒学的な言い回しは、北野先生の鑑定書には一切ありません。極めて分かり易い明解な言葉によって組み立てられた文章は、一分の隙もない見事なものです。税法の基本的な事柄に理解の及ばない無知な裁判官をなんと […]

凛にして毅なる碩学、北野弘久先生 -1

北野弘久先生から分厚い一冊の本が送られてきました。先生の近著、「税法問題事例研究」(勁草書房)でした。 半世紀に及ぶ先生の学究生活は、単に大学の中にとどまるものではなく、広く一般社会との関わりの中でも実践されました。先生のお言葉によれば、積極的に“法実践活動に参加”されたのです。 この本には先生の法実践活動の一端が集成されており、実際に法廷に提出された鑑定書が多く収録されています。光栄なことに、私 […]

文明論的クリティーク、藤原肇さん

コメントNO.432とNO.433に関連して記します。 実は8月の初めにアメリカにいらっしゃるジャーナリストの藤原肇さんから手紙をいただきました。私の「冤罪を創る人々」を読んで下さり、励ましのエールを送って下さったのです。早速この方のホームページを開いてみたところ、極めて幅広い分野にわたって独得の鋭いタッチで考察されていることが分かりました。 藤原さんのことがもう少し詳しく知りたくなりましたので、 […]

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