山根治blog

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『疑惑のダム事業4,600億円』-八ッ場ダムの費用対効果(B/C)について -号外1

 コメントNo.1745について。  引用文の筆者は長尚氏。  1934年生まれ。長野市在住。工学博士。九州大学卒業後、1958年旧国鉄に入社、主に東海道新幹線建設に従事。1965年旧国鉄退社後、助教授として信州大学工学部へ。1971年同大学教授。1999年信州大学工学部を定年退職。専門は土木工学で構造設計学を主とする。社会・経済・政治問題についても現職時代から提言をしてきた。八ッ場ダムについて特 […]

『疑惑のダム事業4,600億円』-八ッ場ダムの費用対効果(B/C)について -4

***Ⅵ.(追記)カスリーン台風について (1)八ッ場ダムの建設のそもそものきっかけは、昭和22年のカスリーン台風によって関東一円が甚大な被害をこうむったことであった。カスリーン台風クラスによる被害をできるだけ食い止めることがダム建設の大義名分とされた。(*11 『八ッ場ダム:事業の経緯』国土交通省八ッ場ダム工事事務所)  平成20年再評価においても、事業の目的・必要性欄のトップに洪水調節(利根川 […]

『疑惑のダム事業4,600億円』-八ッ場ダムの費用対効果(B/C)について -3

***Ⅳ.計算プロセスにおけるインチキの実態  Ⅱの6.の年平均被害軽減期待額(B2の便益)のゴマカシの実態は、2つの確率が操作手段として使われていることに加えて、B2の便益を計算する上で、1/57のところで勝手に線引きをして、それ以下(1/3、1/5、1/10、1/30、1/50、1/57)のB2の便益を切り捨てていることだ。 +まず、マニュアルでは2種類の確率が用いられている。一つは、流量規模 […]

『疑惑のダム事業4,600億円』-八ッ場ダムの費用対効果(B/C)について -2

***Ⅲ.非現実的なインチキ計算の実態  Ⅱの(3)の洪水被害額(B1の便益)と(5)の洪水被害軽減額とのゴマカシの実態は、10のパターンの洪水にかかる水害予測値が、過去の実際の水害被害額と比較して、余りにもかけ離れた巨大なものであり、非現実的なものであることだ。 (1)まず、八ッ場ダムに関係のある1都5県(東京、千葉、群馬、埼玉、茨城、栃木)の過去10年間(平成10年~同19年)の年平均の被害額 […]

『疑惑のダム事業4,600億円』-八ッ場ダムの費用対効果(B/C)について -1

***Ⅰ.はじめに ****(1) 八ッ場ダム事業の概要  昭和27年(1952年)に計画され、50年以上にわたって延々と続いてきた八ッ場ダム建設事業は、政官財の利権トライアングルを象徴する典型的な事例であり、その概要は次の通りである。 +総事業費4,600億円、残事業費1,383億円。但し、従来の経緯に鑑み、総事業費は更に1,000億円以上増加する見込み。+目的・必要性++洪水調節(利根川流域の […]

八ツ場(やんば)ダムの中止と税金ドロボー-4

7.群馬県知事の誤りの二つ目は、「政権が変ったから中止した」と、短絡的に決めつけていることだ。  ダム工事を中止するのは、法律(政策評価法)の上で事業継続の必要条件が備わっていないからであって、もともと時の政権に左右される筋合いのものではない。自公政権下でも中止すべきものは中止すべきであったということだ。これまでの自公政権は、なすべきことを怠り、頬被(ほおかぶ)りを決め込んでいただけのことである。 […]

八ツ場(やんば)ダムの中止と税金ドロボー-3

5.9月23日に現地を視察した前原誠司国土交通相に対して、地元の大沢正明群馬県知事が次のように噛み付いたという。『1995年に地元の町が事業推進の協定書を国と締結した時、鳩山由紀夫さん、前原さんらは自社さ政権で与党だった。政権が代わったからといって国が一方的に中止することはありえない。ダム建設は国と地方の約束のはずだ。』(平成21年9月29日付、山陰中央新報) この知事の発言にはピント外れの誤りが […]

八ツ場(やんば)ダムの中止と税金ドロボー-2(承前)

3.八ツ場(やんば)ダムでは予算の70%がすでに使われたという。ここまで出来ているのに中止するのはおかしいではないかという声が、このところことさらに強調されているようだ。10月19日に現場視察を行った、関係する1都5県の知事の意見も同様であった。しかし、もともとの施策自体が間違ったものであり、事業継続の必要条件を満たさないから中止するのであって、予算の消化状況など基本的には関係ないことである。過( […]

検証!! 『ホリエモンの錬金術』-21

 上場詐欺については、日本では罰する法律がないから議論すること自体がおかしいとか、あるいは罰する法律がない以上、違法性の問題など出てこないとか、更には一歩進めて、違法でないならば仮に上場詐欺をやったとしても全く問題はない、などトンデモないことを公言する弁護士がいます。まさに三百代言(さんびゃくだいげん)そのもの、呆(あき)れてものが言えませんね。  ちなみに、上場詐欺というのは、上場に際して重要な […]

検証!! 『ホリエモンの錬金術』-号外13

 【上場までの会社の発行済株式数・株主構成の推移】については、「ホリエモンの錬金術 -6(※資料)」で、推計を交えて記述したところです。このたび、堀江貴文氏自身の口から日付のバックデイト(捏造)の事実が明らかにされましたので、次の通り修正いたします。 ***【上場までの会社の発行済株式数・株主構成の推移1】 ^^t ^cx^NO. ^cx^株主 ^cx^H08.04.22 ^cx^H09.07.0 […]

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