124 心のルーツへの旅
- 2005.10.04
- 冤罪を創る人々
****(2) 心のルーツへの旅 一、 二十年程前のことであろうか、私が40才前半の頃である。 東京で一人の僧侶と出会った。剃髪染衣のその人は、私より幾分年長で、慶応大学出身であった。 私達は、一夕、卓を囲み、盃を傾けて親しく語り合った。尋常ではない輝きを湛えた双眸は、私を柔らかくつつみ込み、全身から発せられるオーラは、私の肌を粟立たせ、頭髪を逆立させた。 二、 僧侶は一つの書籍を私に勧めて去って […]
フォレスト・コンサルタンツ
****(2) 心のルーツへの旅 一、 二十年程前のことであろうか、私が40才前半の頃である。 東京で一人の僧侶と出会った。剃髪染衣のその人は、私より幾分年長で、慶応大学出身であった。 私達は、一夕、卓を囲み、盃を傾けて親しく語り合った。尋常ではない輝きを湛えた双眸は、私を柔らかくつつみ込み、全身から発せられるオーラは、私の肌を粟立たせ、頭髪を逆立させた。 二、 僧侶は一つの書籍を私に勧めて去って […]
***二.公認会計士からの脱却 ****(1) 認知会計の発見 一、 私は前科者の烙印を押されたため、執行猶予期間の3年が過ぎるまでは、公認会計士の再登録ができない。これは再三述べたところである。 この3年の間をいかにして過ごすか、考えを廻らせた。徒過するには私は余りに貧乏性だ。何かをしなければならない。 二、 本稿の執筆が終りにさしかかった頃、突然一つの考えがひらめいた。公認会計士のことをCPA […]
***一.安全弁の構築と点検 一、 マルサと検察官の無謬神話は単なる幻想であった。考えてみれば、当然のことである。神ならぬ身で、完全無欠ということはそもそもありえない。誤ることがあるからこそ、人間であるともいえよう。 二、 マルサも検察官も、共に国民に対する生殺与奪の権限を有する暴力装置であるだけに、権限の行使に誤りがあってはならない。建前としては当然のことである。しかし、これら暴力装置はこの建前 […]
***三.前科者としての元公認会計士 一、 有罪が確定した別件については、今でも裁判所の判断が間違っており、冤罪であると確信している。しかし、懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の刑が確定したのは厳然たる事実である。 執行猶予が解ける3年後の平成18年10月4日までは、私は前科者であり、公認会計士と税理士の登録ができない。従って、私の現在の肩書を敢えて付すとすれば、前科者であり、元公認会計士である。 二、 […]
***ニ.無謬神話の崩壊 一、 マルサと検察官については、その職務の執行は厳正になされ不正行為などあるはずがないという信仰に近いものが国民の中にあった。無謬神話と言ってもいいものだ。私も、このたびの体験をするまでは、当然のこととして疑問さえ抱いたことがなかった。 二、 仕事がら私は税務調査の現場で税務職員と接する機会が多かった。税務署から国税局に至るまで様々な人達との出会いがあった。出会った人数は […]
****(6) 前科者 ― 以前に法を犯して刑罰を受けている者 ― 一、 平成15年9月20日午前10時30分、最高裁判所から、同15年9月18日付の上告棄却の決定書が特別送達された。 直ちに、中村寿夫主任弁護人に連絡。この日は土曜日であり、中村弁護人はゴルフに行っており留守であった。 二、 夕方、弁護士事務所で打ち合わせをする。このまま放置しておくと、送達の翌日から三日たてば、上告棄却の決定が確 […]
****(5) 被告人 ― 起訴された者 ― 一、 平成8年2月15日。逮捕の日から21日目、20日間の勾留最終日に、公正証書原本不実記載同行使で起訴されることになった。この時点で、私は被告人となった。 同日、午前10時9分、松江地検検事室において、検察官中島行博によって、「法人税法違反」で再逮捕される。立会人は、渡壁将玄事務官。 この時点で、私は被告人であると同時に再び容疑者となった。 二、 私 […]
****(4) 「2番」 ― 称呼番号 ― 一、 平成8年1月26日午後2時20分、私は、松江地方検察庁から手縄腰縄付きで、護送車によって松江刑務所に移送された。 二、 私の身柄は、松江刑務所が発行する身柄領収書と引き替えに、松江刑務所拘置監の管理下に置かれることになった。私には、山根治という名前の代わりに、「2番」という称呼(しょうこ)番号が与えられた。名前が消えたのである。 三、 身柄領収書と […]
****(3) 容疑者 ― 犯罪の疑いを持たれている者で、逮捕された者 ― 一、 容疑者という言葉は、刑事訴訟法上のものではなく、一般に、被疑者が逮捕された場合に使用されているようである。 二、 私のタイトルが、被疑者から容疑者に変わったのは、平成8年1月26日午前8時40分、松江地方検察庁の三階にある地検検事室において、二人の検察事務官立会のもとで、中島行博検事が私の面前で逮捕状を読み上げて、執 […]
****(2) 被疑者 ― 犯罪の疑いを持たれている者 ― 一、 松江地方検察庁が、いつごろから私を被疑者として内偵していたのかは判らない。 二、 ただ、平成7年の暮れから同8年の初めにかけて、松江地検の事務官が、島根県庁に赴き、組合に支払った移転補償金について確認を行なった事実があるから、松江地検は、少なくともそれ以前には、私を被疑者としてマークしていたのであろう。 三、 また、私を逮捕した後、 […]