冤罪を創る人々

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114 犯則嫌疑者

***一.10年間の身分の変遷 この10年の間に、私は、国家の暴力装置から一方的に、あまりありがたくない称号を与えられてきた。 山根治であって、山根治ではない、 ― 今、振り返れば、何か不思議な気持が支配していた10年間であった。私の置かれた立場が変わるたびに、私の身分が変わり、呼び名が変わっていった。 いわば、身分の変遷を通して、この10年間を回顧する。 ****(1) 犯則嫌疑者 ― 脱税の疑 […]

113 まとめ

***六.まとめ  以上、この10年間の私の財政は、資金繰りの点で破綻することなく推移した。  総資産は458,975千円から367,375千円へと91,600千円減少し、総負債は210,619千円から21,286千円へと189,332千円減少した。このため、純資産額は97,632千円増加し、346,089千円となった。  負債は、銀行借入金が21,286千円残っているものの、現預金が44,675 […]

111 資産と負債の推移

***四.資産と負債の推移 平成5年9月30日現在及び同15年10月31日現在の資産と負債の残高は次のとおりである。資産の価額は時価(換金可能価額)とし、括弧内に取得価額をもしくは投下資金額を付した。資産、負債共に配偶者分を含む。 ****1)資産の部(単位 千円)^^t^cc^科目^cc^平成5年9月30日現在^cc^平成15年10月31日現在^cc^増 減^^^1)現預金^rr^99,675( […]

110 所得と税額の推移

***三.所得と税額の推移 この10年間の私の所得と税額等の推移は次のとおりである。(単位 千円) ^^t^cc^税目等^cc^平成5年^cc^平成6年^cc^平成7年^cc^平成8年^cc^平成9年^cc^平成10年^^^所得金額^rr^16,107^rr^12,513^rr^13,120^rr^△9,483(注1)^rr^7,940^rr^4,629^^^所得税額^rr^3,708^rr^1, […]

109 税務戦略の見直し

****(4) 税務戦略の見直し 1、 平成5年9月に、マルサが仁義なき戦いを仕掛けてくるまでの私は、いわば優良納税者の一人であった。 毎年1,000万円以上の国税を納付し、公示の対象になっていた。以下のとおりである。 所得額(所得税額) ― 平成元年分 35,297千円(12,818千円) 平成2年分 43,870千円(17,030千円) 平成3年分 32,147千円(10,756千円) 平成4 […]

108 資金繰り

****(3) 資金繰り 1、 会計士稼業は、ある意味では浮き草稼業である。自らの身体一つが頼りであり、その点資本の論理が支配する会社経営とは全く異なっている。 病気になって入院でもすれば、たちまち収入が途絶えることもありうるのである。このことは医師とか弁護士も同様であろう。 2、 元来、私は蓄財という観念に乏しく、結婚して37年になる超現実主義者の配偶者からは折にふれて叱責の言葉が飛んでくる。 […]

107 収支の見直し

****(2) 収支の見直し 1、 私の収入は、大別すると2つに分けることができる。 一つは、経常収入であり、事務所の日常的な活動にもとづく収入である。これは、私の指揮監督のもとに10名程のベテラン職員が稼ぎ出すものであり、主に事務所の運営経費に充当されていた。 今一つは、臨時収入であり、私の戦略的な活動にもとづく収入である。これはほとんど、私一人で稼ぎ出していたものであり、大半が蓄財に充当される […]

106 銀行取引

***2.緊急時の対応 ****(1) 銀行取引 1、 平成5年9月28日にマルサの捜索を受けるまでは、銀行との取引は極めて良好であった。 短期の運転資金だけでなく、長期の投資資金についても、私が希望すれば容易に融資を受けることができた。 しかし、マルサの家宅捜索を受け、私が犯則嫌疑者の烙印を押されてからは様相が一変した。既存の融資については、早期の弁済を求められることまではなかったものの、新規融 […]

105 財政白書

***1.財政白書 財政という言葉は、主に国又は地方公共団体の経済活動の意味で用いられることが多いが、時に個人の経済活動もしくは経済状態を現わす言葉としても用いられる。いずれの場合においても、財政は全ての活動の基盤であり、全ての活動の結果は財政に反映される。 私にとって激動とも言える10年間、私の活動を物理的に支えたのは、間違いなく私の財政であった。同時に、私の活動の結果は、何らかの形で私の財政に […]

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