査察Gメンを犯罪人として告発!!-号外②
- 2016.07.12
- 山根治blog
号外①(承前) 前回掲げた「罪となるべき事実」(「犯則事実」)を、私なりに理解できるように一覧表にしてみた。 公表された第一審の判決文では、税込み価格とその個数、税抜き価格とその個数及び逋脱額だけが記されているだけで、 +申告税額 +告知された税額 +納付すべき税額 の3つが抜けていることに気が付いたので、それらを補ってみたのである。 項目 昭和29年1月中 同2月中 同3月中 同4月中 […]
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号外①(承前) 前回掲げた「罪となるべき事実」(「犯則事実」)を、私なりに理解できるように一覧表にしてみた。 公表された第一審の判決文では、税込み価格とその個数、税抜き価格とその個数及び逋脱額だけが記されているだけで、 +申告税額 +告知された税額 +納付すべき税額 の3つが抜けていることに気が付いたので、それらを補ってみたのである。 項目 昭和29年1月中 同2月中 同3月中 同4月中 […]
判例6.として検討したのは、「租税犯の既遂の時期」に関する判例であった(本稿⑫~⑭)。 実は、この最高裁決定の第一審で明らかにされている「罪となる事実」について検証していて、どうにも納得いかないことがあった。逋脱税額(脱税額)がどのように計算されたのか、スンナリとは分らないのである。加減乗除といった初歩的な算数の問題であるが、どうしてもよく分らない。一覧表にした上で数字をいじくり回してみたが、 […]
判例7.(承前) 判例7.の事例は、昭和31年3月期と昭和32年3月期にかかる法人税法違反事件であるから、まさに前回述べた改正経緯の(2)のときの罰則規定を適用したものであった。 当時、法人税にはすでに申告納税方式が取り入れられていたが、実際には従来通りの強権的な賦課課税方式が事実上まかり通っていた。法の建前と実際の税務行政とが異っていたのである。 そのカムフラージュに用いられたのが逋脱犯 […]
判例7.(承前) 「納付すべき金額」が、「納付すべき税額の確定した国税」であるならば、「納付すべき金額(税額)」とは、直接国税については、 1.申告書を提出している場合には、 1)「申告書の提出により納付すべきものとしてこれに記載した税額に相当する国税」(国税通則法第35条第1項、第2項第1号)。 2)「更正通知書に記載された(更正により納付すべき税額)に掲げる金額」(国税通則法第35条第 […]
判例7.(承前) 国税徴収法(昭和37年に全部改正される前のもの)第四二条には、「国税を徴収しようとする時は、税務署長は、納税者に対し、政令で定めるところにより、その納付すべき金額、納期限及び納付場所を指定して納税の告知をしなければならない。(下線は筆者)」(六法全書昭和36年版、有斐閣、P.371)とする「納税の告知」の規定があり、更に、「納税の告知の手続」として、国税通則法施行令第一五条第 […]
判例7.(承前) 判例7.の第一審が判示している「正規の法人税額」が何故、欺瞞に満ちた虚構の概念であるか。何故、租税法の規定に反するフィクションであるのか。 その答えは以下の通りである。 まず、判例7.の犯則事件があったのは、昭和31年3月期と昭和32年3月期の2事業年度だ。法人税に申告納税制度が導入されたのは昭和22年のことであるから、すでに10年ほど経過しているときである。 戦前から続 […]
判例7.(承前) この判例7.は、金子宏氏が「租税法」第18版において脱税犯罪の根拠としている主な最高裁判例7つのうちで最後のものだ。 改めて判例1.から判例7.までを掲げると次の通りである。 ***1.「偽りその他不正の行為」に関する判例-判例1.物品税法違反、昭和42年11月8日、大法廷判決。本稿④~⑥(「査察Gメンを犯罪人として告発!!-④」など)で詳述。-判例2.所得税法違反、昭和2 […]
判例7. 法人税法違反事件についての最高裁の判決である。原審は東京高裁(昭和35年4月27日判決)。また第一審は東京地裁(昭和34年10月10日判)であり、犯則事件があったとされるのは、 -昭和31年3月期事業年度と -昭和32年3月期事業年度 である。この犯則事件があった時期は、いまだ基本法たる国税通則法が制定されていない時であることに加え、当時の法人税法には目を疑うような怪しげな規定が存在 […]
判例6.(承前) 判例6.の要旨は、「逋脱罪は、本来納入すべき税金額を納めないで納期日を徒過したことによって既遂となる」というものであった。 ここでのポイントは「本来納入すべき税金額」と「納期日」である。これらは、一体何を意味するのか、租税法の基本となる事柄が整備された、昭和37年の国税通則法を参考にして考えることにする。 同法によれば、賦課課税方式の国税(物品税、酒税など)については、 […]
判例6.(承前) 賦課課税方式の物品税の納付すべき税額の確定については、当時(昭和29年)法文上明記されていなかった。そのため、判例6.は、国税徴収法第六条を持ち出して、「税務官署は納税人に対し申告にかかる納金額及び納期日を告知するものである」から、納付すべき税額と納期日とを告知することが法律によって定められている、といった解釈に至ったものであろう。 この点について、その後に成立した国税通則 […]