****8)「歴史法廷の被告」-中曽根康弘「政治家は達成した現実だけが著作であり」、「政治家の人生は、そのなし得た結果を歴史という法廷において裁かれることでのみ、評価される」 中曽根康弘が『自省録』の中で語っている言葉です。彼はまた、この著作に敢えて“歴史法廷の被告として”という副題を付けています。 この人物はこれまで述べてきたように、原発を日本に導入して定着させたキー・パーソンのひとりです。 […]
****7)島根原発3号機の廃炉について 島根原発3号機はほとんど完成しており、すぐにでも運転できるようになっています。出力は137万kw、日本でも最大級の原発です。この原発を建設するのにすでに4,600億円投入されています。 3号機を営業運転させることなく廃炉にしたらどうか、その経済的側面にスポットをあてて考えてみます。つまり、4,600億円もの巨費を投じたものを一度も使うことなく廃炉にする […]
****6)読売新聞とブラック・プロパガンダ 読売新聞が行ったブラック・プロパガンダはアメリカの対日心理作戦の一環としてなされたものです。お手元の資料3をご覧になってください。元々、このプロパガンダは昭和28年、アメリカのアイゼンハワー大統領が国連総会で原子力の平和利用をアピールしたことに端を発します。彼はAtoms for Peace(原子力の平和利用)と言ったのですが、アトム(原子力)がPe […]
****5)ゾンビ企業・東京電力の上場に異議あり 東京電力は3月11日の事故があるまでは、確かに超優良会社の一つでした。ところが、原発事故を境にしてまるっきり変わった。日本社会と世界に対して、多大な迷惑をもたらした加害企業となった。企業として見た場合、事実上の大幅な債務超過、これは会計上の概念ですが、事実上の債務超過に陥り、電力会社としての事業者能力を失った。いわば、生命維持装置をつけられた植物 […]
週刊ポスト(2012年3月9日号)が、衝撃スクープと銘打って『財務省・国税が極秘結成した「小沢一郎・調査班」』と題する記事を掲載した。『ついに国家権力の中枢・財務省がなりふり構わず牙を剥き出しにした。 2月17日、小沢一郎・民主党元代表の公判で東京地裁が検察の捜査報告書を不採用にした直後、本誌取材班は財務省中枢の不穏な動きをキャッチした。「財務省上層部が東京国税局の資料調査課に、ひそかに小沢一郎 […]
****4)国策大学(東京大学)の大罪 この150年程の間、東京帝国大学、後の東京大学なんですが、この中のごく一部のエリート達が日本の国を思いのままに牛耳り、自分勝手なふるまいをしてきたことは、すでに述べたところです。原子力政策に焦点を合わせて、この国策大学の一部の者達が何をしてきたか、その実態の一端を明らかにいたします。この人達がインチキをして、あるいはインチキをしようとして、画策した事例が5 […]
****3)2つの債務超過、-会計上の債務超過と法律上の債務超過 次に、2つの債務超過に移ります。資料5(講演会配布資料)を見ていただきたいのですが、今年の5月24日に東京電力を具体的に支援する枠組みが閣議決定されています。その中で、「援助には上限を設けず、必要があれば何度でも援助し、損害賠償、設備投資等のために必要とする金額の全てを援助できるようにして、原子力事業者を債務超過にさせない。」とい […]
****2)原賠法の“穴”―会計工学と会計法学 原賠法の“穴”、つまり盲点についてお話します。お手元に配りました資料2の「原賠法による損害賠償スキーム」をもとに説明いたします。まず、原子力損害については民法の特別法として、「原子力損害の賠償に関する法律」(原賠法)というのが、今から60年前の昭和36年にできております。私はこの年に松江商業を卒業していますので、個人的には覚えやすい年です。 この […]
***10. 補足 ****1)2兆円の不正融資をめぐるバトル 電力会社の決算書は、東京電力だけでなく、通常あまり変わり映えのしないものです。どの電力会社の決算書も同じようなもので、企業分析の立場からすれば、あまり面白味がない。 ところが、東京電力の平成23年3月期決算は全く違った様相を呈していました。決算が3月ですが、その直前の3月11日に大震災と大津波が起こって、東京電力の福島第一原発が大 […]
***9. 島根の原発について 最後になりますが、島根原発について触れたいと思います。島根原発について、松江の方が書かれた本があります。『島根の原発』の高野一平さん、ペンネームです。松江の今井書店の田和山店に平積みにされていると、ネットで紹介されていた。私はすぐ買いに行って拝見したのですが、実によくまとめてある。しかも、内容がきちんとしていて、非常にわかりやすい。コンパクトにまとめてあり、文章も […]