クレーマー・橋下徹氏の本性-号外

 平成24年11月13日、新聞各紙は、朝日新聞出版の神徳英雄社長の引責辞任と、週刊朝日の前編集長らの懲戒処分を報じた。同時に、後任の篠崎充社長代行ら3人が大阪市役所を訪れ、橋下徹市長に対して経緯の説明を行なった上で深々と頭を下げ謝罪したとして写真付きで報じている。茶番劇である。

 橋下徹氏が、「幼児性丸出しの八つ当り、筋の通らないことをやたら大声でわめき散らし」(「クレーマー・橋下徹氏の本性-①」参照)たのも茶番劇であったが、クレーマーに屈した、朝日新聞グループの一連の対応も茶番劇そのものであった。理不尽な言いがかりをつける、稀代のクレーマーに膝を屈した朝日新聞グループは、報道機関として恥を知るべきである。

 これに対して佐野眞一氏は立派である。佐野氏が「見解とお詫び」と題して朝日新聞出版のホームページに寄せた記事がある。平成24年11月12日の署名入りの記事だ。
 佐野氏の「見解」と第三者機関である朝日新聞社報道と人権委員会による見解(以下、第三者委見解という)とを読み比べてみると、佐野氏は人権委見解を基本的には受け入れていないことが判る。
 佐野眞一氏が人権委見解をある程度認めているのは次の2点だけだ。
 一つは、「ハシシタというタイトルが、不本意にも橋下氏の出自と人格を安易に結びつける印象を与えたこと」。二つは、「記述や表現に慎重さを欠いた点」、この2点である。
 人権委見解の中核をなしている、
+橋下氏の出自を根拠にその人格を否定するという誤った考え方を基調としている」こと、
+1.の誤った考え方は、「人間の主体的尊厳性を見失っている」こと、
の2点については断固として認めていないのである。
 たしかに、週刊朝日の第一回目の記事のどこをどのように読めば、上記の1.及び2.の見解が導き出せるのか理解に苦しむ。第三者委員会の勝手な思い込みと粗雑な文章読解力の産物というほかない。推測と憶測そのもの、義務教育レベルにさえ達していない人達の虚言(たわごと)だ。このような人達が、あろうことか、報道と人権についてモノ申すというのである。ブラック・ジョークの世界である。

 それだけではない。村八分的な見解を公表した第三者委員会に対して、佐野氏は、「ご指摘は真摯に受け止めます」と言いながらも、暗に痛烈な批判の言葉を投げかけているのである。
 「取材の自由は保障されるべきであり、それが許されなければ、まさに言論と表現の自由の危機です」と言明し、「初回で連載打ち切りの事態になり、日本維新の会の橋下徹氏を通じて現在の政治的停滞状況と言論の置かれた危機的状況を描きたいという筆者の真意が読者の皆様にお伝えできなかったことが残念でなりません」と執筆の動機を明らかにして、連載が一回だけで中止させられたことに対する無念さをにじませているからだ。言論人として、よほど悔しかったに違いない。佐野眞一氏の苦渋の心情は察して余りあるものだ。

 佐野眞一氏の「見解」の概要は上記のとおりである。ジャーナリストとしての矜恃(きょうじ)を示したものであり、正鵠を射た見解である。
 佐野氏の「見解」に付け加えるとすれば、人権委見解こそ、佐野氏の言う「言論の置かれた危機的状況」そのものを表しているのではないかということだ。この人権委見解は、戦前に横行した検閲と変るところがない。行き過ぎた自主規制であり、まさに、「言論と表現の自由の危機」である。
 朝日新聞グループは、頭を冷やした上で、人権委見解を改めて検証する必要があるのではないか。

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 ここで一句。

“自社製品 社員は買わぬ ある理由” -大阪、椿組組長

(毎日新聞、平成24年11月10日付、仲畑流万能川柳より)

(販売用(農薬付)と自家用(無農薬)とを分けている農家あり。)

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