元特捜部長の暴言(追記2)

 「元特捜部長の暴言(追記)」のコメントNO.1756 (福田恒存をやっつける会会長 殿)について『そうすると、例えば鳩山親子のやり方を見習って、私の子や孫に、一切何も告げることなしに、預金口座に、私の意志としては贈与のつもりで毎年定期的に送金したとしても、振り込み後7年以内に税務当局に発覚しなければ、合法的に無税で贈与ができることになります。』 上記には誤りが2つあります。

 一つは税務当局にバレなければいいだろうという考え方そのものの誤りです。脱税であるかどうかは、税務当局にバレるかバレないかには関係がありませんし、時効にかかっているか否かにも関係がありません。

 二つは、「例えば」として述べられているケースが、「合法的に無税で贈与ができる」とされていることです。

このケースについては、更に3つに分けて考える必要があります。
+子や孫が預金口座を自分達で管理しており、送金の事実を知っている場合。
+子や孫が預金口座を自分達で管理しているが、送金の事実を知らない場合。
+預金口座の名義が子や孫の名義になっているものの、送金人である親あるいは祖父母が預金口座を管理している場合。
 実務上はもっと細かく分かれるのですが、基本的には概ね上記の3つに分けて考えればいいでしょう。

 1.のケース。贈与税の基礎控除額110万円を超える額は贈与税の対象になります。
 2.のケース。相続税法の上では送金人である親あるいは祖父母からの贈与とはされないことが多いでしょう。ただ、親等からの送金の事実に気がつかないで費消してしまっていた場合には、あるいは贈与の認定がありうるでしょうが、このような場合でも、脱税ではありません。
 3.のケース。預金口座の名義が子や孫になっていたとしても、親あるいは祖父母の預金とみなされます。

 いずれの場合でも、合法的に無税で贈与することなどできません。
 尚、鳩山総理の場合は、一見2.のケースにあてはるようですが、必ずしもそうではありません。鳩山氏のケースは、1.政治資金規正法に関連するものであり、2.政治団体の金銭の出し入れは主に秘書が行っていたこと、という通常とは著しく異なる状況が加味されるからです。
 従って、資金が母親の手から放れたといっても、秘書が資金の管理を行っていた政治団体に入金されているのですから、そもそも贈与税の問題など起りえないのです。政治団体は税法上は人格なき社団として法人とみなされ(法人税法第3条)、人格なき社団は原則として納税義務がありません(法人税法第4条)。つまり、鳩山氏が母親からの送金の事実を知らない場合はもちろんのこと、仮に知っていたとしても、贈与税など関係なく、法人税の問題となりますので、そもそも、政治団体には法人税の納税義務がないのですから、法人税だけでなく、贈与税の脱税云々の議論など生ずる余地がないということです。

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