検証!! 『ホリエモンの錬金術』-号外6

 借名株の疑惑について、堀江氏だけでなく、取り巻きの人達が声をそろえて私を非難し、その理由として「根拠のない中傷」であることを挙げています

 たしかに「根拠のない中傷」であるならば、堀江氏の名誉を大きく傷つけることになりますので、私は直ちに記事を削除した上で、謝罪しなければならないでしょう。“過ちては即(すなわ)ち改むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ”(論語学而)、私に非があるならば、頭を下げて謝ることに吝(やぶさ)かではありません。

 しかし、私は明確な根拠を示しており、根拠のない中傷など一切していません。それらは全て、堀江氏もしくは第三者が法の規定に従って提出した報告書と、堀江氏自身が著書などで自ら喋っていることから引き出したものです。決して、風聞とか私の憶測ではありません。

 私は『ホリエモンの錬金術-13』において、

『有馬純一郎名義の株式960株は、上場直後にあわただしく全てが売却されています。
 この事実は平成12年6月19日付で提出された株式大量保有の変更報告書と第5期の有報を見れば判ります。
 この変更報告書は、証取法第27条の25第1項にもとづくものですが、不思議なことに同じ日に二回にわたってなされており、それぞれA4版で4枚ずつ、合計8枚の報告書として提出され、開示されています。
 この二通の変更報告書と、同年6月15日付で提出された大量保有報告書とをじっくり吟味してみると一つの事実が浮かび上がってきます。

 その事実とは何か。
 それは、この960株の株式が有馬純一郎さんの管理下にはなく、堀江貴文さんの管理下にあるらしいことです。』

と述べ、5つの具体的な根拠を示しています。
 その上で、有馬純一郎氏名義の960株の株式が、同氏の管理下になく堀江貴文氏の管理下にあることの現実的な意味について詳しく述べています。

『有馬純一郎さんは、昭和16年生まれですので、私と同世代の方です。「輸入が中心のアパレル会社の社長で、年商は10億円」(同書、P.33)というのですから、長年地道に商売を続けてこられた方だと思われます。
 堀江さんは、このようないわばカタギの経営者から、4000万円近い事業資金(中小企業にとっては大金です)を言葉巧みに引き出しているのです。
 有馬純一郎さんとしては、堀江さんの目指している事業などは二の次で、当時東大生であり、娘の恋人として現れた有力な娘婿候補としての堀江さんに対して大金を用意したのでしょう。
 しかし、堀江さんとしては、どのような方法であろうとも、事業資金が手に入ればよかったようです。
 他に深い仲になった女性の存在を隠して、なんとか有馬さんから最後の3000万円を引っ張り出すのに成功した堀江さんは、直ちに娘である有馬晶子さんとの関係の清算に着手し、有馬親子名義の株式(全体の50%)の買取交渉を始めたものと思われます。
 つまり、他に好きな女性(子供ができ結婚することになる)ができたために、有馬晶子さんの存在がうとましくなってきたことに加え、資本金も4000万円になり、インチキ上場の下準備が完了したために、有馬親娘は用済みになったということでしょう。「最後は修羅場となった」(同書、P.112)のも当然のことです(資料K)。

 このような一連のプロセスを、年頃の娘を持つ父親の立場に立って考えてみればどうでしょうか。娘を適当に弄(もてあそ)び、その上娘をダシにして4000万円近い大金を引き出した堀江貴文という人物に対して、父親としては、腹ワタが煮えかえる思いであったことでしょう。顔も見たくないといった方がいいかもしれません。
 有馬純一郎さんは、金を引き出すために自分の娘を巧みに利用した堀江貴文という人物に、上場時点での評価額が57億円もある株式の管理を委ねることができるでしょうか。
 まず考えられないことです。

 そうしますと、有馬さんが管理を委ねていない960株を、堀江貴文さんが管理下に置いていたということになり、それはとりもなおさず、960株の真の所有者は有馬純一郎さんではなく、堀江貴文その人であることを意味します。つまり、有馬純一郎の名前を騙った堀江貴文所有の借名株ということになるのです。』

 ここまでが、『ホリエモンの錬金術』を執筆した4年前の私の判断です。

 この段階では事実関係の確認がなされていないために、私は「管理下にあるらしい」とか、「と思われる」といった表現にとどめています。つまり推断ということです。ところが、このたび堀江氏が私の記事がデタラメであるとして非難しはじめたところ、次から次へと新たな事実が他ならぬ堀江氏自身の口から飛び出してきました。私がムリヤリ証言を引き出したわけでもなければ、誘導尋問をしたわけでもありません。まさに当事者でなければ知ることのできない、生の証言、いわば秘密の暴露といったものが堀江氏の口から発せられたのです。私が小見出しに「堀江氏の自白」と題している所以(ゆえん)です。
 借名株疑惑で3つ、インチキ上場疑惑(これが本筋のものであり、借名株疑惑はいわば付録のようなものです)で5つの新しい事実が明らかにされたのです。このため、借名株疑惑については疑惑が晴れるどころか、更に疑惑が深まり、ほぼ確定に近いものとなりましたし、インチキ上場については疑惑(推断)の域を超え、確定的な事実となりました。次の「号外-7」において、検証の結論を先取りして、その概略について述べることにいたします。

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 ここで一句。

“似たような ものに思える 族と賊” -東京、金ジイ。

(毎日新聞、平成21年6月25日付、仲畑流万能川柳より)

(暴走族にヒルズ族、他人(ひと)の迷惑なんのその、法をネジ曲げひたすらに、我が世の春と突っ走る。)

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