2007年

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冤罪の構図 -9

 東京地検が弄(ろう)した小細工とは、一体どのようなものだったのでしょうか。無辜(むこ)の政治家を破滅へと追いやった「インチキ」とはどのようなものであったのか。  死の直前まで、具体的な証拠を用意して、自らの無実を叫び続けた新井将敬氏になりかわって明らかにしてみることにいたします。  かつて私は、東京国税局のインチキ告発によって会社を潰(つぶ)され、自らの死をもって抗議した一人の経営者を取り上げた […]

180 珍書 -2

***その2)  田中森一氏の著書「反転」を、珍妙な本という意味で珍書と呼んだ。通常使われることの少ない“珍書”というコトバを、敢えて手間ヒマかけて探しだしたのは、田中氏の基本的な主張(つまり、訴追は不当なものであり、冤罪であるという弁解)が倒錯した論理をベースにした珍妙なシロモノであるからだ。更に言えば、検事時代とその後のヤメ検時代の仕事にからむエピソードが饒舌に語られているのであるが、それらの […]

「冤罪を創る人々」と「経済事件ノート」の再公開について

 「冤罪を創る人々」と「経済事件ノート」は、諸般の事情により公開を中断していましたが、本日をもって再公開することにいたしました。 その理由としていくつかの事情が挙げられますが、中でも大きいのは、先週の7月11日に言い渡された、キャッツ粉飾決算事件の第二審判決です。当然、逆転無罪になるものとばかり考えていましたが、結果は控訴棄却。第一審と同様、細野祐二公認会計士による無実の訴えが、裁判官の耳に届くこ […]

冤罪の構図 -8

 東京地検特捜部が描いたシナリオは、次のようなものでした。“日興証券は新井氏自身の要求に基づいて1995年10月から1997年4月までの一年半の間に四千万円を利益提供した。そのうち二千九百万円分の利益の付け替えが、証券取引法違反にあたる不正なものである。まず日興証券を不正利益供与罪で摘発・立件し、新井氏を利益要求罪で立件に持ち込む。” 利益の『付け替え』については、新井氏自身次のように記しています […]

179 珍書 -1

***その1)  なんとも怪しげな本が出版されたものだ。ヤメ検の田中森一氏の手になる、「反転」-闇社会の守護神と呼ばれて(幻冬舎)である。週刊現代の記事(“冤罪の構図-2”と“冤罪の構図-5”を参照)は、この本のいわば前宣伝であった。早速購入して一読したものの、どのように評していいのか、とっさには言葉が見あたらない、実に珍妙なシロモノであった。 はじめに“奇書”という言葉が思い浮かんだ。奇妙な本だ […]

冤罪の構図 -7

 当時、新井将敬氏は、ホームページを作り、自らの政治信条を述べると同時に、身に降りかかってきた利益供与疑惑について、具体的な証拠を開示して無実を訴えていました。『政治家はどこへ行く!日本の理念は何処へ』『エロチックな政治』 第一章「戦争か恋愛か」 第二章「死にたがる男たち」 第三章「金丸脱税事件の意味するもの」 第四章「自己への恐怖を知れ」『新井将敬と日興証券との会話記録』(「新井将敬 index […]

178 続・いじめの構図 -22

***その22)  税理士登録が完了したこと、それは職業会計人としての私が、再び五体満足になったことを意味する。税務当局と真正面から対峙できるということだ。  日本書紀に、『虎に翼(つばさ)を着(つ)けて放(はな)てり』というフレーズがある。天智天皇が、大海人皇子(おほしあまのみこ、後の天武天皇)に皇位の継承をさせようとしたところ、皇子はそれを固辞、吉野に隠遁したことを称して、時の人が「虎に翼をつ […]

冤罪の構図 -6

 ここまで書いてきて私の脳裏によぎるのは、9年前に自ら命を絶った一人の秀れた政治家の姿です。  新井将敬(あらいしょうけい)。昭和23年1月12日、在日韓国人として大阪に生まれる。旧姓、朴景在。16歳のとき日本に帰化し、新井将敬を名乗る。東京大学経済学部を卒業し、キャリア官僚として大蔵省へ。故渡辺美智雄氏に見い出されて政界に進出、新保守主義のエースとして鳴らす。平成10年、捏造された株疑惑のさなか […]

177 続・いじめの構図 -21

***その21)  平成19年1月27日、日本税理士会連合会から一通のハガキが届いた。税理士登録が完了したことを知らせるものであった。山根 治 殿日本税理士会連合会会長 森 金次郎  公印省略      税理士登録通知 あなたの税理士登録については、下記のとおり、税理士名簿に登録されましたので通知します。 なお、税理士証票は、税理士会を通じ、交付いたします。 記登録番号 第××××××号登録年月日 […]

冤罪の構図 -5

 ヤメ検の田中森一弁護士は、悪びれる風(ふう)もなく、自らが検事時代に行った『汚れた仕事』を堂々と公言しました。私を含めた冤罪事件の被害者が、声を大にして検察から受けたヒドイ仕打ちに対して非を鳴らすことはあっても、蛙の面(ツラ)になんとやら、非難の矢を向けられた検察当局はダンマリを決め込み、黙殺してきました。 田中氏は具体的な事例についての言及はしていませんが、 『重大事件ほど、最初に筋書きをつく […]

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