冤罪を創る人々vol.58

2005年04月19日 第58号 発行部数:362部

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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-

日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
http://www.mz-style.com/

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●(第六章)権力としての検察 ― 暴力装置の実態

「1) 幹部検事の逮捕」より続く
http://www.mz-style.com/item/282

七.検察官訴追システムの実態

(2) 訴追システムの制度疲労と検察官のモラルハザード

一、 三井氏は、長年検事として人を断罪する立場にあった。それが
一転して断罪される立場に立たされることになった。
自らが逮捕勾留されてはじめて、現在の訴追と裁判制度の不合理
さを痛感した旨、同氏はしばしば言及している。
三井氏は、「私は29年間、検事としてあらゆる事件を処理し決
裁したが、このような事件(筆者注、― およそ犯罪とは言えないよ
うな些細かつ形式的な事柄)で人を逮捕した経験はない。恐らく検
察史上初めてであろう。」とし、「これは公訴権の濫用である。」
と指摘している。(同書、127ページ)

二、 公訴権の濫用、―
確かに同氏の場合は、その通りなのであろう。しかし、同氏が
「検察史上初めてであろう」と言及しているのは、いかがなもので
あろうか。
私の場合の別件逮捕についても三井氏と同様に言いがかりとしか
表現しようのないものであり、明らかに公訴権の濫用と言えるもの
であったし、さらには一般に別件逮捕と称されているものはほとん
ど全てが公訴権の濫用に該当するのではないか。
別件逮捕ではなくとも、何故訴追するのか疑わしいケースが、と
くに最近多くなってきているように思えてならない。
日本の訴追システムの制度疲労に加えて、検察官のモラルハザー
ド(倫理観の欠如)がその根底に横たわっているようである。

三、 三井氏はまた、訴追システムと一体となっている未決勾留制度
についても、その運用が不当かつ不合理であることを力説している。
現職検事のときには考えてもみなかったことが、自ら逮捕勾留され
てはじめて身にしみて分かったというのである。
自白をせずに否認を通している限り、なかなか保釈にならないこ
とについて、同氏は再三にわたってその不当性を訴えている。私の
場合は291日、三井氏の場合は325日の間、極端に自由が制約
された状況の下で、狭い閉鎖空間に閉じ込められたのである。

四、 その他に三井氏は、検察官が接見禁止を容易に裁判所に請求し、
裁判官も実情をほとんど顧慮することなく安易に認めている現実に
も触れているし、検察が世論を操作するために、故意に偽りの情報
をリークし、マスコミは無批判的に偽りの情報をタレ流す現実にも
触れている。
これらのことが、30年近くも検察一筋で働いてきた法曹家の口
から発せられたことは、誠に重いものがあると言わなければならな
い。たしかに、検察官はもとより、裁判官も、現実の訴追システム
の実態をよく理解していないのではないか。

五、 三井氏のように、全ての検事や裁判官が身をもって実際に逮捕、
勾留、訴追される経験をするのが、不当かつ不合理な訴追システム
の実態の理解には最良であろう。
しかし、現実にはそうもいかないので、彼らに擬似体験を課して
みたらどうであろうか。逮捕、勾留、訴追のシミュレーションプロ
グラムを作り、検事や裁判官を実際に10日とか1ヶ月くらい拘置
所とか代用監獄にぶち込んで体験させるのである。
検察官とか裁判官に、このような擬似体験をさせることによって、
少なくとも国民を人間として見ていないような歪んだエリート意識
や傲岸不遜な思い上がりが多少なりとも影をひそめるのではなかろ
うか。
尚、三井環氏のホームページのアドレスは、
http://www012.upp.so-net.ne.jp/uragane/ である。

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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
http://consul.mz-style.com/catid/21

「ホリエモンの錬金術 -5」より続く
http://www.mz-style.com/item/283

・ホリエモンの錬金術 -6

堀江さんの現在の資産の主なものは、ライブドアの株式
220,975,000株(平成16年9月30日現在。一株340
円で計算すると、748億円)です。彼が自らの著書の中で、「モ
ンゴルの国家予算に匹敵する」と豪語しているものです。
このような莫大な資産が、わずか5年ほどの間に形成されている
のです。しかも、5年ほど前の堀江さんは、ほとんど無一文の状態
でした。
堀江さんはこの資産をどのようにして形成していったのか、正当
な手段によって稼いだものなのか、これを明らかにするのが私の目
的です。
私の結論は、既に述べたように3つのトリックを用いて株式市場
を欺き、多くの一般投資家から騙し盗ったものである、ということ
です。
まず始めに、この220,975,000株のルーツを辿ってみ
ます。取り敢えずライブドアと堀江さんが提出し、開示している届
出目録書、有報、あるいは報告書(大量保有報告書)が正しいもの
と仮定して一覧表にしてみますと、●資料Aのようになります。

ホリエモンの錬金術 -6(※資料)
http://www.mz-style.com/item/291

この表によって判ることは、次の3つです。

(一) 5年前のマザーズ上場時点では、7,920株であり、その
取得資金は269,000千円(内訳、自己資金29,000千円、
有馬純一郎さんからの借入金240,000千円)であること。
(二) その後、4回にわたって持株を売却し、661,580千円
の資金を回収し、1回だけ買い増して60千円の資金を投入してい
ること。
(三) (一)(二)の結果、取得資金(=投入資金)は全て回収し、
株の移動の結果として、392,520千円のキャッシュと
220,975,000株が手許に残ったこと。

以上が、表向きの堀江さんの持株の移動状況であり、株に関する
キャッシュの流れです。
ここで注目されるのが、資料Aの6.~8.に記した株式の移動
です。これは、ホリエモンの持株の大半を野村証券に売り渡し、
1,600株を売りきりにして、残りの株式は翌日にそっくり買い
戻したものです。
野村証券が一日だけ、ライブドア(当時は株式会社オン・ザ・エッ
ヂ)の筆頭株主になっているのですが、何のためにこのような取引
がなされたのか私には理解できません。
この不思議な移動の趣旨はさておき、私がなんとなくひっかかる
のが、平成14年8月8日に野村証券に1600株を売り切りにし
て6億円余りを手にするまで、自社株の売却収入がわずか23百万
円ほどしかないことです。ホリエモンは、上場後この2年4ヶ月の
間、株の売却収入を本当にこれ以外に得ていないのでしょうか。
新規上場の場合、オーナー経営者は通常、持株の一部を市場に放
出して株式の流通量を増やすと共に、創業者利得の一部を確保する
ものですが、ホリエモンの株式の移動状況を見る限り、それが見ら
れないのです。
この疑念は、ホリエモンの3つのトリックを追跡していく過程で
浮かんできた今一つの問題(借名株の存在の可能性)と深く関連し
ています。
借名株とは、株式の所有名義を他人に仮装している株式のことで、
西武鉄道の堤義明さんが証取法違反で罪を問われているのが、イン
サイダー取引と並んで、この借名株の存在でした。
この問題は、私が既にその概要を説明した3つの騙しのトリック
と同様に、単なる疑念とか思いつきで言えることではありません。
私の推断の根拠は回を改めて後ほど詳述いたします。

次に、5年前の上場時点でのホリエモンの持株7,920株のルー
ツを辿ってみることにします。
堀江さんは平成8年4月に、有限会社オン・ザ・エッヂを設立し、
代表取締役に就任します。出資金600万円は、有馬晶子さん(現、
株式会社クリアキューブ代表取締役)の父有馬純一郎さん(当時、
ブルテルインターナショナル株式会社代表取締役)からの借入金で
賄ったようです。社員は、堀江貴文、有馬晶子、有馬純一郎の三名。
この時の出資金の構成は次の通りです(H08.04.22。推計)。

1.堀江貴文  60口
2.有馬晶子  40口
3.有馬純一郎 20口
合計   120口

翌9年7月、株式会社オン・ザ・エッヂ(以下、会社)に組織変
更。同時に400万円の増資を行ない、資本金1,000万円、株
式数200株に。このときの400万円の増資は、第三者割当てで、
割当先は堀江さん、有馬晶子さんの2名。一株5万円で、現物出資。
上場時の目論見書にもその後の有報にも現物出資とされてはいます
が、実際には、現物出資ではなく、200万円は堀江さんの会社に
対する貸付金を資本金に振り替えたものであり、200万円は、有
馬純一郎さんからの支援によるもののようです。
この時の株主構成は次の通りです(H09.07.01。推計)。

1.堀江貴文 100株
2.有馬晶子  80株
3.有馬純一郎 20株
合計   200株

実は、この200株の株主構成は、設立時の120口の出資者構
成とともに、開示情報のどこにもディスクローズされていません。
私も調べ始めてからしばらくの間判りませんでした。
堀江さんの上場直前の持株は株式公開情報に7,920株と開示
されていますので、この7,920株のルーツを辿ってみたのです
が、開示情報をいくらひっくり返してみてもこの200株の株主構
成が完全には判明しないのです。

(続きはWebサイトにて)
http://www.mz-style.com/item/290

 

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