085 藤田義清
- 2005.03.08
- 冤罪を創る人々
*(2) 藤田義清
一、 松江地方検察庁三席検事。マルサ事案の主任検事。
公判前に、主任検事として田中良と共にマスコミに偽りの情報をリークし、私の保釈請求に対して、嘘を重ねて却下するように裁判所を誤導した人物。
組合の代表者岡島信太郎氏を逮捕し、尋問、虚偽の自白を強引に引き出した検事の一人。
二、 平成8年1月26日、朝7時前に、藤田義清は、広島国税局の3人のマルサをひきつれて、益田市の組合の代表者岡島氏宅に赴き、岡島氏の身柄を拘束し、益田から松江地検に移送した。
三、 平成8年2月27日、午前9時30分、中村弁護人と接見。組合長の岡島氏が藤田義清の誘導尋問に引っかかり、無理矢理嘘の供述をさせられたという。岡島氏は組合の責任者であるだけに、大変なことになった。
中村弁護人は岡島氏との接見の際、直ちに供述調書の訂正を申し入れるように、力をこめてアドバイスした。
四、 同年2月28日、午前9時30分、中村、松原両弁護人と接見。岡島氏にも接見し、ウソの自白をした供述調書の訂正を引きつづき申し入れることと、真実でない自白を絶対にしないように改めて強く要請した旨、伝えられる。
五、 同年2月29日、午前9時30分、松原弁護人と接見。岡島氏に接見し、嘘の自白調書の訂正について尋ねたところ、岡島氏は次のように話していたという。
「昨日、藤田義清に供述の訂正を申し出たところ、藤田は血相を変えて、えらい剣幕で机をバンバン叩き、足を踏み鳴らして私を威嚇し、どなりまくりました。このため昨日は一日中供述調書の作成ができないほどでした。今後はどんなに脅されても、藤田の手には絶対に乗らない、真実ありのままのことしか供述調書にはのせないと心に誓い、腹をすえて取調べに向かいます。」
松原弁護人の報告を聞き、少し安心する。
六、 同年2月29日、岡島氏がウソの供述について訂正を申し入れてから二日後に、検察官藤田義清はしぶしぶながら訂正の供述調書を作成した。岡島氏が訂正に応じなければ、今後の取調べを拒絶する旨、強く申し渡したからである。
同年2月29日付の供述調書の全文を掲げる。
『先日、千葉の土地建物の取り引きについて、事情を話しました。
その中で、取り引きに至るいきさつや当時の状況などは、そのとおり間違いありません。
ただ千葉の土地建物の取り引きについて、私が、形だけのものだと思っていたとなっている部分については、不本意ですので、訂正して下さい。
先日の二月二七日、弁護士先生に調べの状況などについてお話ししたことがありました。
その時に弁護士先生から
不本意な点があれば調書の訂正をしてもらいなさい
と言われたのです。
検事さんは、私の言うことがおかしいと思われるかも知れませんが、当時、私がそう思っていたと言っているのですから、そのとおりの調書にして下さい。
そうでなければ調書に応じることが出来ません。
岡島信太郎印 』
七、 この時作成された検面調書は、当初法廷に開示されることなく、隠匿されていた。藤田義清は、マルサ事案の主任検事であるだけに、自ら作成したこのような供述調書は、ことさら表に出したくなかったのであろう。
被告人弁護側の度重なる開示要請によって、第一審の審理が終わりにさしかかったとき、裁判長が開示勧告をし、不承不承に公判検事立石英生が開示したいわくつきのものであり、この時開示された26通の検面調書のうちの1通が、これである。