悪徳会計屋の経済事件ノートvol.13
- 2005.02.24
- メールマガジン
2005年02月24日 第13号 発行部数:377部
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悪徳会計屋の経済事件ノート
なぜ上場会社社長は国税局ロビーで壮絶なる自殺を選んだのか。
国税局OB税理士が納税者を食いものにする手口とは。
税務署とマスコミから悪徳会計士の烙印を押された
会計のプロが税金法律金融事件の深層に迫る。
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山根治(やまね・おさむ) 昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
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●ハニックス工業事件の真相
「ハニックス工業 事件の真相 13」より続く
http://www.mz-style.com/item/238
(9)遺族との接触
平成13年6月25日、検察側の上告断念によって、私にかかる
マルサの捏造事件は一応の結末を終えた。
私はかねてから心に懸かっていたハニックス工業に関する疑念を
払拭するために、同社が公開していた有価証券報告書の全てを取り
寄せ、徹底した分析を行ってみた。
更に、同社に関する各種資料を改めて可能な限り集めて、財務諸
表分析に加えた。
その結果、私は、上述のような結論に達したので、一文を草し、
ある雑誌に掲載しようと考えた。
草稿が完成したものの、公表する前に、会社関係者、とりわけ、
故H氏の実弟で副社長であったB氏に直接会って、いくつか確認し
たいことがあった。
しかし、会社関係者を捜し出すことは、なかなかできなかった。
幸い、いくつかのルートから、やっとのことで、故H氏の女婿
W.K氏が、兵庫県にいることを突きとめることができた。
平成13年8月9日、W.K氏を兵庫県の勤務先にたずね、面談
した上で、出来上っていた草稿を三部、手渡した。
一部をW.K氏に、一部をW.K氏の妻で、故H社長の長女に渡
し、残りの一部をW.K氏の義理の叔父である元副社長のB氏に渡
していただくように話し、B氏との面談を希望している旨の伝言を
頼んだ。
平成13年8月20日2時34分、B氏から、私の事務所に電話
が入った。
B氏は、九州出張の途次に、松江に立ち寄り、私と面談すること
になった。
平成13年8月22日、夜8時すぎに、私は松江のアーバンホテ
ルでB氏と会い、食事を共にし、一献を傾けた。
B氏は、私に次のように話しかけ、苦しい胸の内を打ち明けた、 ―
「私達は、はじめ何が起ったのか、よく分かりませんでした。
脱税で告発されたことが、マスコミに公表されたら、直ちに会社
の預金150億円が銀行に押さえられて引き出せなくなり、その結
果、月末の手形が落とせなくなってしまい、あっという間に倒産し
たのです。
それから半年後、会社再建の道が絶たれ、破産に移るや、今度は、
頼みにしていた大黒柱である兄の社長が、自殺してしまったんです。」
「国税当局が何故脱税で告発したのか、何故突然会社が倒産したの
か、何故兄貴が死ななければならなかったのか、私の心の中で十分
整理ができないままで、この8年間、夢中で生きてきました。
多くの債権者からは責められ、従業員からは、冷たい視線を浴び、
身を隠すようにして、なんとか食いつないできたのです。」
「このたび、W.Kから渡された山根さんの原稿を読んで、なるほ
どこういうことであったのかと、はじめて納得することができまし
た。
当時私達は、国税当局がデッチあげをするなんて、考えてもいま
せんでした。ただ、私達には納得できないが、法に照らせば脱税に
なるのかな、位の認識だったのです。
当時は、国税にだましうちにされたとは思っていましたが、更に
その裏に、山根さんが指摘されるような事情がひそんでいようとは、
夢にも思いつきませんでした。
国税もずいぶんひどいことをするものですね。」
「しかし、会社が倒産し、兄も死に、私の資産もなくなり丸裸になっ
てから8年も経ってみると、正直言って、当時のことは全て忘れて
しまいたいのです。
私達、ことに死んだ兄貴の名誉を回復しようとしてくださる山根
さんには感謝の気持ちで一杯です。
しかし、本音を申し上げれば、ハニックス工業の件については、
しばらくそっとしておいて欲しいのです。」
「どうしても記事を公表するというのであれば、できればあと二年
程待っていただけないでしょうか。
食いぶちとして、私が細々と始めた小さな会社がようやくメドが
ついたところで、あと二年もすれば、私の気持ちも今よりはゆとり
がでてくるでしょう。」
私は、B氏の言葉を聴いて当惑した。私の記事は、一族の名誉を
挽回するきっかけになるはずのものであり、記事の公表には諸手を
あげて賛同してくれるものと思っていたからだ。しかも、私がベー
スとした情報は、全て公表されているものばかりであり、守秘義務
に抵触するものは一つもなかった。
(続きはWebサイトにて)
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