冤罪を創る人々vol.26
- 2004.09.14
- メールマガジン
2004年09月14日 第26号 発行部数:243部
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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-
日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ) 昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
http://www.mz-style.com/
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●(第六章)権力としての検察 ― 暴力装置の実態
「(4) 拘置理由開示の裁判」より続く
http://www.mz-style.com/item/111
(5) 捏造された勾留理由
一、 売買が仮装ではなく、真実のものであるとあらゆる面から完全
に証明された現在、検察が私の保釈を認めてはいけない理由とした
挙げた数々の事柄が、いかに想像を絶する捏造であったか明らかに
なる。
今の時点で、7回前後行った保釈請求と保釈に反対する検察の意
見書等を改めて読み返してみると、私を保釈させない為に、嘘に嘘
を重ね、裁判官をなんとかして騙そうとしている検察官の姿があざ
やかに浮び上がり、怒りよりもむしろ憐憫の情を催すほどである。
そこまで言うのか、というほどの嘘のオンパレードであった。
二、 平成8年3月8日、松江地検の検事藤田義清が保釈を阻止しよ
うとしてなした準抗告申立の中で、私と弁護人中村寿夫弁護士の名
誉を著しく傷つける言辞が弄されている。
曰く、「山根は、自己において作成した経過説明と題する書面に
つき、弁護士の助言により、その内容を自己に有利な内容に改ざん
している。」
私が弁護士と結託して文書を改ざんし、証拠隠滅を図ったという
のである。検事という人種には、事実を歪曲し、直ちに判明する嘘
を公式の文書に記載する特権と免罪符でもあるのであろうか。
三、 検事の捏造の中でも最高傑作ともいえるのは、私が暴力団山口
組に関係しており、事件関係者に危害を与えるおそれがあるとする
ものだ。
検察は、私を逮捕した後、虚実をとりまぜて、マスコミにリーク
し、私を稀代の悪徳公認会計士に仕立てようとしたのであるが、さ
すがに、私を暴力団の舎弟とまではリークしなかった。しかし、裁
判所との保釈をめぐる裏の駆け引きの中には、こっそりともぐり込
ませていたのである。またしても藤田義清であった。自白しなけれ
ば絶対に保釈しない、検察の執念を見る思いである。
平成8年3月8日午前10時、中村弁護人接見。
中村:「岡島氏の保釈決定はでたが、山根の保釈は却下された。ただ、
却下された理由の中に『圧力をかけて罪証を隠滅するおそれがある』
というのがあるが、よく分らない。」
山根:「中島検事が私に言っていた山口組のことではないか、“佐原
良夫が松江に行くのをこわがっている。山根は山口組と親しいから
松江に行ったら何をされるか分からないと言っている。”」
弁護人がなした平成8年3月9日付の準抗告申立書を引用する、 ―
『裁判官が山根に事件関係者の身体等に危害を加え又はこれらの者を
畏怖させる行為をすると疑うに足る相当な理由があることを保釈却
下の理由にしていることに至っては、理解に苦しむが、山根は公正
証書原本不実記載・同行使罪で逮捕された直後、取調を担当した中
島行博検事から「佐原を松江地検に任意で呼び出しているが、佐原
が怖がって松江に来ようとしない。佐原は、山根が暴力団山口組に
関係しており、松江に来ると殺されると言っている。お前は山口組
と関係があるのか。」と聞かれたことがあり、まったく予想外の質
問に吃驚し、一笑に付したということがあった。
山根は、暴力団に関係したことは一切ないし、暴力団に関係があ
ると人に言ったこともない。また、税理士、公認会計士としての関
与先の中にも暴力団の関係する企業などは一社もなく、山根は、開
業以来暴力団などと関係のある企業に関与しないよう人一倍神経を
使っていた。
山根が暴力団に一切関係していないことは、山根の身上、経歴等
を調査している検察官は知悉している筈であるが、佐原が山根は暴
力団と関係しており、自分の身が危険だと供述しているとすれば、
検察官はその旨を供述調書の中に書き、山根の保釈に反対する理由
に利用したのであろう。』
四、 また、私が終止、全面否認を通したことがよほど腹にすえかね
ることであったらしく、裁判所が重い腰をあげて、平成8年11月
7日にようやく保釈決定をしたのに対して、公判検事の立石英生は、
私の供述と公判の態度について、次のようにこきおろしている、 ―
『被告人(私のこと)特有の独自の論法を展開するにとどまり、その
結果、同人の検察官調書の内容は、まさに禅問答ともいうべき供述
に終始している。
さらに、第一回公判期日において、被告人は、本件各犯行につい
て全面的に否認し、弁護人共々、自己の責任を免れることのみを目
的とした虚構の論理を展開している。』
これについては、ただ唖然とするばかりで、論評すべき言葉もな
い。よく言ってくれたものである。
「独自の論法を展開し、禅問答」をなしたのは、私を取調べた中
島行博検事であり、「虚構の論理を展開」したのは、まさに立石英
生検事ではないか。
真実をねじ曲げようとした検察側に、根本的な無理があり、私は
単に過去の事実をそのまま述べただけのことである。
ただよく考えてみると、私を保釈させるべきではないとする意見
書の中で、立石は何故私の供述姿勢に言及しているのか、その理由
がよく分からない。私の供述が、検察の意見と違うから、けしから
ん、閉じこめておけ、ということであり、私の保釈に反対する理由
になっていないのである。立石は論理的思考が余り得意ではないよ
うだ。
五、 更に検察は、虚構のストーリーを正当化しようとして、私を極
悪非道の悪人にすべく、日本語の中でも最低の口汚ない言葉を連発
して、裁判官を誤導し、私を引き続き勾留しようとしている。再び、
平成8年10月11日に立石英生検事がなした抗告の申立書の中か
ら、適宜拾い出してみる、 ―
「考え得る可能な限りの様々な不正手段を駆使して」、
「本件犯行の悪質性」、
「税金逃れの事実を隠蔽するために敢行された工作」、
「悪質極まりない犯行」、
(続きはWebサイトにて)
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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
http://consul.mz-style.com/catid/21
・「スケコマシ」考-その1
中江滋樹氏のまわりには、ユニークとしか言いようのない人物が
かなり集まっていました。その中でも、ピカ一であったのがS.S
なる人物でした。
年は中江氏よりは上で、私よりは下、といったところですから、
私が出会った頃のS.S氏は30歳の前半でした。
背はそれほど高くなく、痩せ型の貧相な男で、定職もなければ資
産もない、いわばプータローでした。私は、S.S氏に会うたびに、
「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくる“ねずみ男”を連想したものです。
ところがこの人物、女性に不自由したことがなく、やたらともて
る。男性の私としては不思議としかいいようのない人物でした。
しかも、彼が相手にする女性は、資産家でハイソサイエティのイ
ンテリ女性に限られていました。プータローのような女性は一人も
いませんでしたね。
同時に何人の女性とつきあっていたのか分かりませんが、少なく
とも3人以上はいたようです。
彼の生活費はすべて女性達が負担しており、外見的には実に優雅
な生活を送っていました。
現在と違って、20年前といえば国産車と比べて外車の価格が飛
び抜けて高く、一般には高嶺の花でした。ステイタスシンボルの一
つとされていたものです。
そのような外車を彼は、4台も所持し、乗り回していました。当
然、全て女性たちからの貢ぎ物です。
必ずしも口先三寸で貢がせていたわけでもなければ、脅しあげて
いたわけでもなく、むしろ女性達が喜んで貢いでいたフシもありま
した。
およそ二枚目にはほど遠い人物でしたので、何か特殊なフェロモ
ンでも発散させていたのでしょうか。あるいは特別なマインドコン
トロールの技法でも持っていたのでしょうか。私は彼がつきあって
いる女性を交えて何回か会っているのですが、女性が心底惚れ込ん
でいるのが明らかでした。
片やショボクれた貧相なプータロー、片やさりげなくオーダーメ
イドの高級服を着こなし、ハンパではないアクセサリーを身につけ
たハイソサイエティの女性。どうみても釣り合いそうにないカップ
ルでしたが、女性の方が眼を潤ませてウットリとしているのには感
心しましたね。
彼のような男のことを何と呼んだらいいでしょうか。このたび久
しぶりに彼のことを想い出し、適当な肩書を考えようとしたのです
が、すぐにはピッタリしたものが見当たりません。
プレイボーイ、女たらし、ジゴロ、ヒモ、-どれも彼にはしっく
りしません。
プレイボーイには、金持ちのドラ息子のイメージがありますし、
女たらしには、とびっきりいい男のイメージがつきまといます。い
ずれにも彼はあてはまらない。
ちなみに“女たらし”を辞典で引いてみると、
「美貌と巧言とで次つぎに女性を誘惑し、遍歴することに生きがいを
感じる反社会的な男。」(新明解国語辞典、三省堂)
とあります。
私は普段は岩波の広辞苑を使っているのですが、時には三省堂の
「新明解国語辞典」をめくってみます。この辞典は一風変った辞典
で、この辞典をめぐって何冊かの本が書かれているほどです。
この「女たらし」の説明などいい例で、「反社会的な男」と言い
切っている点が面白い。明快な倫理観を持って、自己主張している
のです。受験勉強などに役に立つかどうかは保証の限りではありま
せんが、ユカイな辞書であることは間違いありません。
肩書きについてあれこれと考えた末に頭に浮かんできたのが、
「スケコマシ」という、いささか時代遅れになったような言葉でした。
早速、広辞苑にあたってみました、-
“スケコマシ”-「(隠語)女性の体をもてあそぶこと。また、その
者。」
とあります。
しかし、どうもスッキリしません。私が漠然と抱いている“スケ
コマシ”とはどこか違っているのです。
(この項つづく)
―― ―― ―― ―― ――
ここで一句。
“愛想いいときの猫には打算あり” -堺、山本英毅
(毎日新聞:平成16年8月12日号より)
(猫という生き物は、飼主がいくら可愛がって尽しても、当然という
ような顔をしています。めったに見せない媚態を示されたら、それ
だけで猫好きは感動のあまり何でもいうことを聞いてしまうんでしょ
うね。猫がスケコマシで、猫好きの女性がスケに思えてきました。)
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