山根治blog

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裏口上場 2

 27年前に実際に行なわれた裏口上場については後日談があります。  表舞台で動いたのは、社長役を引き受けた一人の公認会計士でしたが、裏口上場のはじめから終りまでの怪しげなシナリオを描き実行に移したのは別の人物で、世間知らずの会計士をうまく手玉に取ったといった図式です。会計士にしても、わずかばかりの金に目がくらんで、片棒をかつがされたといったところでしょうか。  この影の人物は、A氏。東京大学法学部 […]

裏口上場 1

 このところ再び裏口上場(うらぐちじょうじょう)の噂を耳にするようになりました。実は今から27年前、私が37歳のときに、裏口上場について小文をしたためたことがあります。  当時私は、中江滋樹氏率いる投資ジャーナルグループの税務顧問をしていた関係から、証券業界の生々しい実態を目(ま)の当りにしていました。いわゆるバブル経済の前のことで、日本経済は世界のトップを目指して順調な成長を続けていくことが信じ […]

あの人はいま? -3

 これまでは、私を冤罪に陥(おとしい)れようとして画策した30人の非行役人達に関して、各人の現況について記しました。  今回は、脱税事件がデッチ上げられた後に、税務署OBを含む人達が組織としてどのようなことを行ったのか、具体的に振りかえってみようと思います。 1. 11年前に逮捕され身柄を拘束されていた時でした。私の地元である松江市の国税OB税理士達によって、私が関与していた会社とか医院に税務調査 […]

あの人はいま? -2

 前回の非行税務署員に引き続き、非行役人としての検察官15人の当時の役職等と現況について記します。 1.田中 良 氏。 松江地方検察庁次席検事。マルサ事案の統括責任者。現在は、さいたま地方検察庁熊谷支部支部長。 2.藤田 義清 氏。 松江地方検察庁三席検事。マルサ事案の主任検事。現在は、京都地方検察庁総務部長。 3.立石 英生 氏。 大阪地方検察庁堺支部検事。第一審の主たる公判検事。第一審の33回 […]

あの人はいま? -1

 4年前、つまり平成15年10月4日に、私は会計士と税理士の登録を抹消せざるを得なくなりました。平成8年1月26日に全く身に覚えのないことで逮捕されて以来、延々と7年半もの間刑事裁判を闘い、主要な事件(マルサ事案)については無罪をかちとったものの、オマケのようにくっつけられた別件については、執行猶予付きながらも有罪が確定したからです。3年間は会計士の仕事も税理士の仕事もできなくなった訳です。  知 […]

冤罪の構図 -20

 国家国民に奉仕する立場にある公務員が、あろうことか、国民に君臨し、法によって彼らに与えられた生殺与奪の権限を好き勝手に振り回している、- 冤罪のほとんどが、不心得な公務員(私の場合は、国税局職員と検事でした)のデッチ上げであり、捜査に着手してから犯罪の事実がないことが明らかになった場合でも、頑として誤りを認めようとはせずに、何が何でも押し通してしまう、- これが、冤罪が次から次へと発生する大きな […]

冤罪の構図 -19

 これまで、冤罪の基本的な構図を実例に即して考えてきました。そこで私が明らかにしたかったことは、日常的に軽々しく冤罪が創り出されている現状と、現在の裁判制度が続く限り、冤罪を根絶するのは難しいであろう、ということでした。  考えてみますと『人が人を裁く』、ここに根源的な問題があるようです。全能の神ならぬ人間がすることに完全なことはありませんし、仮に間違ったことをした場合でも、なんとか理屈をつけて覆 […]

冤罪の構図 -18

 私の事件をデッチ上げて立件した主任検事は、松江地方検察庁の三席(さんせき。検事正、次席に次ぐ、ナンバー・スリーということです)の藤田義清氏でした。藤田検事とは面識がないのですが、11年前に私を起訴したときに、次席の田中良検事と共に記者発表の場に出席しており、その時のテレビ映像が私の手許に残されています。逮捕されたとき、私はできる限り多くの記録をとどめておこうと考え、接見した弁護士を通じて職員に指 […]

冤罪の構図 -17

 冤罪とはつまるところ、もともと犯罪ではないことをあたかも犯罪であるかのように偽って、無実の人を犯罪人に仕立てることです。中には検察官が真実罪を犯したと心から信じ込んでいるケースがあるかもしれませんが、私の体験を通して言えば、それらは例外的なものであり、大半が冤罪であることを承知の上で起訴に持ち込んでいるのではないか、結果的にたまたま冤罪であったというのではなく、はじめから冤罪を知悉(ちしつ)した […]

冤罪の構図 -16

 検察官がデッチ上げた数多くの供述調書の中でも、初めから終りまで嘘で塗り固めたものがありました。検察側が創り上げた架空のストーリーにピッタリ合うように作成されており、一見理路整然とした、極めてよくできた“立派”な供述調書でした。できすぎていたと言ってもいいでしょう。実際の取引にほとんどタッチしていない二人の関係者から、彼らが知っているはずのないことまで微に入り細にわたって聞き出したようになっていた […]

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