中江滋樹氏からのダイイング・メッセ-ジ-⑩-見えてきた裏の構図-(1)

「自民党の重鎮」5氏と東京オリンピックの2氏だけでなく、安倍総理と小池東京都知事も、「陸軍天保銭組」(「中江滋樹氏からのダイイング・メッセ-ジ-号外」)と中江滋樹氏となんらかの深いつながりを持っている。具体的なつながりを立証する情報のうち、中江滋樹氏に関連する情報は、私・山根治が所持しているし、「陸軍天保銭組」と東京オリンピック(昭和39年、令和3年)に関連する情報は、カンボジア在住の藤原肇氏と和歌山在住の落合莞爾氏が所持している。

私は落合莞爾氏とは直接の面識はないが、すでに山根治ブログの「裏口上場1」、「裏口上場2」)で取り上げている。「裏口上場2」で、「影の人物」として取り上げた東京大学法学部出身のA氏こそ、落合莞爾その人である。勤めていた証券会社は野村証券である。マスコミからは“狂言回し”と揶揄(やゆ。皮肉を言ってからかう意の漢語的表現。-新明解国語辞典)されている人物だ。現在SBIの北尾吉孝と、村上ファンドの村上世彰が演じている“狂言回し”とそっくりである。
“狂言回し”を演じた落合莞爾については、40年前、現場レポ-タ-のような形でリアルにまとめた私の記事がある。
以下、その記事の全文を掲載する。地方紙・山陰中央新報が発行している週刊誌・山陰経済ウィクリ-に掲載された記事である。


明  窓  閑  話

昭和55年3月18日号(火)

 (11) - 裏口上場 -

上場会社手に入れ 業務、社名まで変更

 東証二部の会社(東京証券取引所第二部市場に株式を公開している会社のこと)であるW社を分析しているとき、奇妙なことに気がついた。裏口入学ならぬ“裏口上場”が現在進行中ではないかということだ。
裏口上場(うらぐちじょうじょう)とは何か。また、何故私が裏口上場進行中と推測するに至ったか、いくつかの事実をもとに記すこととする。
一般に会社の格付けをする場合、上場会社(株式市場に株式を公開している会社のこと)であるかどうかということは、極めて大きな判断基準となっている。上場しているということだけで社会的に絶大な信用が与えられるのだ。それは何故であるか。第一に一定水準以上の会社でなければ上場することができず、また、一たん上場しても一定水準以下になれば上場廃止の措置がとられるため現に上場している会社は相当レベルの高い会社であると見なされるからである。上場基準及び上場廃止基準は近年とくに厳しくなっており、あやしげな会社の入り込む余地は極めて少なくなっているといってよい。第二に、一たび上場されると公認会計士による厳格な監査が実施され、かつかなり詳しい決算書の公表(これをディスクロージャー=開示という)が義務づけられるため、公表される決算書の信頼度が著しく高まるためである。日本の公認会計士はアメリカやイギリスと異なり自然発生的なものでなく、当初から制度として創り出されたいきさつがあるとはいえ、すでに三十年の年月を閲している。昨今では、監査技術に関して世界のトップをいくと自負している公認会計士も数多く存在するに至っている。当然のことながら監査の質もレベルアップしており、公表される決算書の信頼度を高める大きな要因となっている。
このように会社を上場させるということは企業家にとって一つの夢であり、一流経営者と認められるための一つの関門なのである。ところが、それだけに上場への道は想像以上にけわしいものがあり、現在では事前監査が義務づけられていることもあって、どんなに優秀な会社であっても上場を決意してから三年以上の準備期間が必要なのだ。なかでも、東京証券取引所の上場基準は他に比して厳しく、東証上場は並み大抵のことではない。このような経営者としての名誉に加えて、上場によるメリットは、測り知れないものがある。たとえば、上場利得の一つともいえる株式の評価増は、場合によっては一夜にして数百億円に達することだって現実にはあるのだ。上場というのは、企業にとって実にドラスティックなドラマであるといってよい。
さて、ここに意欲に燃えた経営者がおり、かつ、その経営する企業も立派な実績をあげているものとしよう。ところが、上場しようとするにはいくつかの条件が欠けており、当分の間、事実上不可能であるとする。それでもなお上場したいと考えた場合にどうするか。窮すれば通ず、一つだけ方法がある。巷間ささやかれる“裏口上場”というのがそれだ。具体的に言えば、まだ上場廃止には至っていないが、ポンコツ状態の上場会社をなんらかの方法で掌中に収め、しばらくしてから業務内容をはじめ会社名まで変えてしまうことをいう。勿論、大蔵省は行政指導の名のもとに厳しい監視の眼を光らせてはいる。しかし、この裏口上場を明確に“違法”であると決めつけることは難しく、綿密な計画のもとに実行に移された場合には、大蔵省といえども手をつけることはできないであろう。
私がW社について裏口上場と推測するに至った事実を列挙すると、次のようだ。
+かつて三百人以上いた従業員が一時二十人を切るまでに減少し、現在では八十人前後であること。
+事業内容の大転換がこの三年のうちに二度もなされていること。
+たて続けに第三者割当増資が断行され、株主構成が激変していること。
+第一次石油ショック後、三期続けて大幅な経常欠損を出しており、最悪期には借入金利がふくらみ、純金利負担率が実に十五・二%という驚異的な値になっていること。
+業績立て直しのために第三者が介入しているが、その後の利益状況は不自然であり、押し込み販売等による利益操作の疑いもあること。
+社長として公認会計士が乗り込んできていること。
+株価の動きが極端であり、この三年程の間に高値は千二百円を超えるかと思えば安値は三百円を切っていること。
+昨年、社名変更がなされていること。
私の推測は当たらずとも遠からず、今後、W社を興味を持ってみつめていくこととなろう。


明  窓  閑  話

昭和56年2月10日号(火)

 (53) - 裏口上場の破綻 -

ポンコツ会社の株めぐり1,000億円乱舞

 東証二部の会社(東京証券取引所第二部市場に株式を公開している会社のこと)であるウェル(旧社名ヨコメリ、本社横須賀市、資本金八億一千六百万円)が倒産した。なるべくしてなった、という感が強い。
この会社のことについて実は本欄で一度とりあげたことがあった。十ヵ月
程前のことである(“明窓閑話”(11)-裏口上場、昭和五十五年三月十八日号)。
当時、ウェルは一応上場企業として少なくとも外見上はピンピンしていたこともあって、実名を伏せW社として記述した。上場会社は通常の中小企業と異なり、大きな社会的責任を課せられており、それだけに実名を挙げて批判しても差しつかえなかったのであるが、敢えて実名を伏したのはことがらが極めて微妙な内容にわたるもので、当事者の真意については当然のことながら推測の域を出るものではなかったからである。
記事の中で私は次のように記している-。

「W社を分析しているとき奇妙なことに気がついた。裏口入学ならぬ“裏口上場”が現在進行中ではないかということだ。
裏口上場(うらぐちじょうじょう)とは何か。また、何故私が裏口上場進行中と推測するに至ったか、いくつかの事実をもとに記すこととする」とした上で、八つの事実を列挙し、「私の推測は当らずとも遠からず、今後、W社を興味をもって見つめていくこととなろう」と結んでいる。
昨今の新聞の報道によれば(山陰中央新報、日本経済新聞、ともに五十六年一月二十八日号)、背後に“狂言回し役”が介在していたという。
某大手証券の社員であると指摘した上で、「紀文による鴨川化成工業(東証二部)買収、フジパンによるテイショク(旧帝国食品、同)買収に腕を振るったといわれる。ウェルとROC、鶴屋商事との提携にもB氏が介在したという」(山陰中央新報)とし、「事情を知る立場にあった証券会社の姿勢も問われそうである」(日本経済新聞)と批判の矢を投げかけている。
世上言われている裏口上場自体については、違法であると決めつけることはできない。そのために、東京証券取引所としても問題会社としてマークしながらも事前に上場廃止の措置をとることができなかったのであろう。
とりのガラに等しいポンコツ会社がある日突然“錬金術”よろしく優良会社に変身する。事実、株価の推移を見ると七十七円という水準(五十二年一月十七日)からその年の終わりには九百五十三円(同年十二月二日)の高値をつけ、翌年には千二百五十円(五十三年六月七日)というスッ高値に達している。この背景には紳士服安売り店のROC(流通卸センター)がからんでおり、上場会社であるウェルの見かけ上の利益だけを膨らませていた実態があった。
実態を反映しないうわべだけの利益によって形成された株価が、長つづきしないのは当然のことである。かつて五十円額面の株が千二百五十円にまで暴騰し、二年半後の現在、一株十円(昭和五十六年一月三十一日終値)にまで暴落したという事実が全てを雄弁に物語る。
マネーゲームを本領とする投機筋は、このような株価の乱高下を歓迎する。犠牲を強いられるのはチョーチンをつけた(他人のマネをして株の売買をすること)一般投資家である。
ちなみに、急激に売買高の増えた五十二年以降について、一体どれだけのキャッシュがこの会社をめぐって乱舞したか推定してみよう。五十二年の出来高は五千二百万株強、五十三年の出来高は二千三百万株強であり、平均株価を八百円とすれば二年間で実に六百億円の現金が動いたことになる。その後の五十四年、五十五年分を加味すれば一千億円前後の現金がいろいろな思惑を秘めてゆきかったわけだ。その間、一体何人の人が笑い、何人の人が泣いたことであろうか。狂言回し役と目される人物がどれだけの利益をふところにねじ込んだか、現時点では判明しないが、証取法五十八条の不正取引に該当する疑いがあるとして調査が開始されたようでもあり、程なく全容が解明されることであろう。
ともあれ、一幕の狂言は終わった。あとに残されたのは舞台のあとかたづけだけである。

 

(この項つづく)

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ここで一句。

”安倍総理 詰んでいるのに 指し続け” -東京、ほういん

 

(毎日新聞、令和2年6月9日付、仲畑流万能川柳より)

(”狂言回しか猿芝居、国家ぐるみの空騒ぎ、天の助けか有難や、コロナを使ったドンチャン騒ぎ、誰か知らねど“天の声”-松江のプ-タロ-)

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