トチ狂った大阪地検特捜部-④

 本件の第一審は、弁護人が脱税という事実を認め、それを前提として裁判が進められてきた。公判前整理手続きにおいて、裁判所が作成した、
「争点整理(案)」(平成28年6月頃作成)
において、前提事実として、「公訴事実のとおり相続税を免れたこと自体は争いがない」
とされているからだ。

なんのことはない。行政罰の対象となる「過少申告」が存在しない本件は、「過少申告」と同じ意味を持っている「相続税を免れたこと」が存在しないにもかかわらず、裁判の出発点で弁護人が認めてしまっている。裁判を始める前から負けを認めている。もちろん誤りである。「相続税を免れたこと」とは一体何を意味するかについて、弁護人が誤った考え方をしていることが原因だ。過去の誤った判例に引きずられたものである。つまり、

「相続税を免れたこと」とは、「法定納期限の徒過」

であるとする、誤った最高裁判例を盲信しているのである。この判例が先例価値を有しない誤ったものであることについては、すでに「脱税Gメンを犯罪人として告発!!①~」において詳述した。

 本件の第一審で、起訴された6人全員が有罪となっているのは、第一審の弁護人が以上のように弁護人本来の職責を放棄しているからだけではない。
 驚いたことに、初めから有罪になるように、弁護人が“絵図(えず)”を画いていたのである。
 詐欺とか強盗などを複数人で企(くわだ)てる場合、それらの犯罪がうまく進んでいくように予め段取りがなされる。この詳細な犯罪の段取りが“絵図(えず)”だ。犯罪が露顕しないように、あるいは仮に露顕したとしてもなんとか言い逃れができるように計画するのである。
 本件の冤罪事件は、同じ轍(てつ)を踏んでいる。冤罪であることを知りながら、犯罪になるように事件として仕立て上げているのである。その主犯格が、あろうことか本件の弁護人であったということだ。
 この弁護人、大阪地検の検事であった、所謂“ヤメ検”だ。私の冤罪事件(“冤罪を創る人々”)の“絵図”を画いたヤメ検・田中森一弁護士、田中森一と共に動いたヤメ検・黒田修一弁護士などと同じ穴のムジナである。
 しかも、立件に際しての主任検事は、大阪地検特捜部の札付きの検事である。この検事、別の刑事法廷でジタバタと足掻(あが)いた挙句、裁判長から「美しくない!!」と一喝された御仁だ。私の冤罪事件をデッチ上げた花崎政之検事と共に担当した刑事事件において、裁判長から信頼性に欠けるとして検面調書の証拠採用を拒否されたのである。刑事訴訟法で「特信状況」にあるとされている検面調書が、刑事法廷の場で排斥されたのは、検察官による脅迫、利益約束、不当な誘導など、よほどのことがあったのであろう。
 大阪地検特捜部は、現職とОBとがタッグマッチを組んで犯罪のデッチ上げを行い、必ず有罪になるように細工を施して、メシの種にしている。国家権力を背景に納税者を騙(だま)したり、脅(おど)したり足蹴にして金儲けをしているだけに、ヤクザ組織とは比較にならないほど悪質な広域組織暴力団である。

 私を陥れたヤメ検の田中森一弁護士と同様に、第一審の主任弁護人をつとめたヤメ検は、想像以上に頭が悪いようである。公判資料の中に、闇金融・不動産詐取グループのメンバーとしての足跡が、いかにも分かり易く、ベタベタと残されているからだ。頭隠して尻隠さずである。つまり、本件は被告人が相続した先祖代々の不動産を詐取することが中核にあり、その詐欺事件を隠蔽するために、被告人を脱税事件の犯人に仕立て上げた、なんとも悪辣な事件であるということだ。まさに、国家組織による“ナニワ金融道”であり、“ミナミの帝王”の影が見え隠れしている。
 この手口は、22年前に島根県の旧家の不動産を詐取するために用いられたのと同様の手口である。架空の売買契約書が作成され、それを糸口にして売買代金をほとんど支払うことなく不動産を詐取するやり方だ。
 私を陥れた手形パクリ事件は、20年以上が経過した現在でもその一部が今なお決着がついていない。巨額手形パクリ事件の主犯格の人物による仮登記が、今なお旧家所有の400haほどの不動産に残留しており、大阪の詐欺グループはその偽りの仮登記をテコにして、詐欺破産の実行を執拗に迫っている。

 本件の要点は、
+詐欺事件をカムフラージュするために、冤罪である脱税事件をデッチ上げたこと、
+大阪地検特捜部がヤメ検弁護士と緊密な連絡をとりながら事件にしていること、
+不動産詐取に用いた手口が、虚偽の所有権移転仮登記(公正証書原本不実記載同行使)であること、の三つである。
 以上の3点に鑑(かんが)み、本件は、22年前の私を陥れた冤罪事件とどこかで結びついているのかもしれない。

(この項おわり)

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 ここで一句。

”雛壇(ひなだん)へ蛙(かえる)の面(つら)をよく揃(そろ)え” -東京都、尾根沢利男

 

(朝日新聞、平成29年5月19日付、朝日川柳より)

(“云々(でんでん)ダイコに、笙(しょう)の笛、呆(あき)れカエルが 勢揃い”)

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