査察Gメンを犯罪人として告発!!-⑳
- 2016.06.28
- 山根治blog
判例7.(承前)
判例7.の事例は、昭和31年3月期と昭和32年3月期にかかる法人税法違反事件であるから、まさに前回述べた改正経緯の(2)のときの罰則規定を適用したものであった。
当時、法人税にはすでに申告納税方式が取り入れられていたが、実際には従来通りの強権的な賦課課税方式が事実上まかり通っていた。法の建前と実際の税務行政とが異っていたのである。
そのカムフラージュに用いられたのが逋脱犯の罰則規定である。
その当時の逋脱犯は、
とされ、その免れた法人税額については、
ものとされていた。
この規定に盛り込まれている、
+政府は
+直ちに
+その免れた法人税を
+徴収する
の文言は、まさに強権的な賦課課税方式そのものであるし、更に
の文言に至っては、事実上の賦課課税方式を隠蔽し合理化しようとしたゴマカシ以外の何ものでもない。
つまり、納税者の意思に関係なく、いわば先験的に納付すべき法人税が決っているかのような規定になっているのである。「法の規定により申告をなすべき」という、まことに怪しげな文言がそれである。
このゴマカシの文言にまんまと引っかかったのが、判例7.の第一審の裁判官であった。
第一審判決については、すでに本稿の⑮で述べたところであるが、再掲する。
ここに判決は、
などと、「法の規定により申告をなすべき」というゴマカシの文言を、言葉通りに受け取ってあれこれと妄想し、その結果、「正当な税額」という架空の概念をヒネリ出しているのである。
判決は、「法人税の要求するところ」、「法の要求するところ」と二回も繰り返して強調しているが、法の要求するところは、まさに申告納税制度の本旨そのものであって、判決の言うように、たかだか罰則の中に盛り込まれたゴマカシの文言についてのツジツマ合わせの解釈などではない。
この迷(!!)判決を下した裁判官は、さしづめ、木を見て森を見ない、世間知らずの法律屋の典型であるといえようか。
―― ―― ―― ―― ――
ここで一句。
(失礼ではなかったりして。)
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