島根原発と御用商人-⑧

「地獄の沙汰も金次第」という。

 松江市の中心部を流れる大橋川の改修事業(「大義名分なき公共事業」参照)をめぐって、一部地域住民に強い反対意見があったが、このところピタリと止んだ。改修事業に関連する伊勢宮・白潟・大橋・京店各商店街と反対の急先鋒であった複数の人物に金がバラ撒かれたからだ。

 金をバラ撒いたと思われるのは、事業主体である国交省、島根県、松江市とそれらの意を汲んで立ち回った闇のフィクサーだ。



 大橋川改修事業は、総額7,000億円に及ぶ斐伊川治水事業(「粉飾された2兆円」参照)の一環として行われている曰付(いわくつき)のシロモノだ。

 治水目的に沿って、この7,000億円の事業を評価すると、合理的な理由付けができるのは7,000億円のうちのたかだか1,000億円弱にすぎない。つまり、6,000億円もの水増しがなされている違法事業だ。流域の水害被害を最大で150倍(!!)も水増して費用対効果(B/C分析による)が算定されていることから判ったことだ。この事実は当ブログでしばしば指摘しているだけでなく、国土交通省出雲河川事務所職員をはじめ、複数の国会議員、県議会議員、溝口善兵衛島根県知事(「松江の庭-7 」参照)、松江市当局の責任者に直接面談して説明し、違法事業の見直しと即時中止を要請してきたところである。

 しかし、私の要請はことごとく無視され、国民の税金を食いものにしているこの違法事業は既定路線に従って問答無用とばかりに推し進められ現在に至っている。

 斐伊川治水事業の三点セットとされた3つの事業のうち、ダム建設事業、放水路事業はすでに完了し、残るのは大橋川改修事業だけとなった。

 この大橋川改修事業が、このところ急ピッチで進展しようとしている。急進展の背景にあるのは島根原発の再稼働だ。原発事故の際の避難道路の整備という大義名分をもってきて、もともと付け替える計画もなく、必要性もなかった新大橋(県道)を壊して新しく付け替えるというのである。

 大橋川改修事業の最大の問題点は、河川区域(河川法第6条)の違法な変更だ。この河川区域(法線の設定)の変更が一部の御用商人の私利私欲のために強引に行われたことはすでに述べた(「島根原発と御用商人-⑥」参照)。
 御用商人のうち、
+丸磐根(山陰合同銀行頭取)
+皆美健夫(皆美館社長、松江商工会議所会頭)
の2人はすでに明らかにしたが、ここで二人の人物を追加する。
 一人は、現松江市長の松浦正敬である。この人物は、松江市に「大橋川周辺まちづくり検討委員会」なるもっともらしい名前の審議会を立ち上げ、治水目的では説明ができない大橋川改修事業の新たな理由づけ(街づくりに寄与)を画策しようとした男だ。このインチキ審議会の委員長には、地元ではおなじみのイエス・マンである御用学者を据えつけ、丸磐根と皆美健夫とが末席の平委員の形をとりながら、事実上取りしきっていたヤラセの審議会であった。市民の目をゴマかすために、2人ほど反対意見を持った委員を配置するなど、手が込んでいる。ガス抜きのためである。
 丸磐根は日本銀行出身の元キャリア官僚、松浦正敬もまたすでに述べたように元キャリア官僚だ。二人とも形だけ整えて法の網をくぐることに慣れている“過去官僚”だ。
 今一人の人物は福島益太郎である。長い間松江市の市議会議員をつとめ市議会議長にまでなった男である。松江市白潟地区のフィクサー的なボスである。本業は旅館業(鶴屋旅館-松江市魚町)、現在は長男の福島康洋が引き継いでいる。
 この旅館が事実上の経営破綻をしたのはバブル経済が崩壊してほどなくのことであったようだ。多額の債務を弁済するために、山陰合同銀行の新館が同じ町内(松江市魚町)に建設されるのに便乗して、河川改修の公共事業用地として高値で買収されることを目的として、自らの旅館敷地が用地買収に引っかかるように、すでに決定していた河川区域を変更する裏工作をした。この裏工作による河川区域(法線)の変更は、大橋川北岸の皆美館の庭園が切り取られないことの見返りになされた図面上のツジツマ合わせであり、皆美館と鶴屋旅館双方の利害が一致したことによるものだ。
 この両者の間に入ってフィクサーとして動いたのが山陰合同銀行の丸磐根頭取であり、御用審議会・「大橋川周辺まちづくり検討委員会」をつくって裏工作隠蔽のお膳立てをしたのが現松江市長の松浦正敬であった。
 この4人は、松江市民の目を欺くために暗躍したフィクサーであり、御用商人だ。4人組の背後に、原発マフィアの雑魚(ざこ)・細田博之代議士がいたのは言うまでもない。

(この項つづく) 

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 ここで一句。

 

”角隠しみたいなものかティアラって” -川崎、さくら

 

(毎日新聞、平成27年10月23日付、仲畑流万能川柳より)

(“中(あた)らずと雖(いえど)も遠からず-「大学」”)

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