勾留ノートから

 松江地方検察庁ぐるみで私を逮捕し、口封じをしたことが判明した現在、改めて私の「勾留ノート」を読み返してみた。17年前の私が蘇る。(「冤罪を創る人々」参照)


平成8年2月16日(金) 9時すぎ検察庁に出廷。法人税法違反で再逮捕。10時9分。被疑者弁解書なるものを作成。
「全ていいがかりである。無罪。中村(寿夫)弁護士を引きつづき弁護人に。」サイン。
あのバカ検事(中島行博)め、ずっとにらみつけてやった。
“ドアをけっとばしただけで懲役をくらわせる検事なだけに、よくやるよ(「冤罪を創る人々 082 鬼検事・越山会会長・ウンコ男」参照)”
といってずっとにらみ合っていた。

平成8年2月19日(月) 2:00頃。検事取調べ。4:00終了。
「今日はまだ頭が混乱しているので話をする気にはならない」
として調書を作成せず。検事が一方的に話をして終る。
“リクルートの真藤の件、藤波の件。前者は有罪、後者は無罪。本人は全く罪の意識がない。しかしそれでも犯罪になることがある。“
 2000万円程の背任で逮捕した広島でも有名なJAの組合長(「冤罪を創る人々 083 ドイツの判例・粗製ガソリン脱税事件・手形パクリ事件」参照)の件。
“「検事が事前に話してくれたら2000万程のお金、直ちに用意してキレイにしたものを」といっていたが、後のまつりだ“。
こいつは鬼か。少なくとも普通の人間ではない。
“検察が逮捕した場合ほとんど立件する。立件したら日本の場合、99.8%の有罪率だ。有罪であろうと無罪であろうと、逮捕されたり、あるいは逮捕されないまでも立件されたら、それだけでまずその連中の社会的生命は抹殺される。再起したケースはほとんどない。(「冤罪を創る人々 075 問答」参照)”

 

平成8年3月6日(水) 5:30よりの取り調べは打ち切ってもらって雑談。
山根「もう力が尽きた。どうせ起訴するんだから、もう話すことはない。ただ、私の基本構想自体が誤っていたというのであれば、それはしょうがない。しかし、過去の事実をネジ曲げて(つまり虚偽の自白を引き出して)架空のストーリーを創りあげ、私を断罪しようとするなら、私は検察をうらむだろう。」
中島検事「主任がどのように判断するか分らない。しかし、自分としてはこれは評価の問題だと思っている。あのようなものが真実の売買であったかどうかということだ。それは総体的に見なければならない。」
山根「一つ言っておくがあなたは完全犯罪を暴くには、小さなことからそのきっかけをつかんでいく、と言っていたが、仮に検察が過去の事実と異なることを前提として、架空のストーリーを展開するならば、必ずボロがでることを最後に言っておく。」

 逮捕・起訴され刑事被告人となってから17年目、全く想定外の形で検察のボロが明るみにでた。検察の完全犯罪が、錦織伸行という詐欺師のような人物の一言から崩壊したのである(「やりたい放題の査察官(3)」参照)。

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 ここで一句。

“子は豚児 嫁は愚妻で あんた何” -豊田、阿呆揶念

 

(毎日新聞、平成25年4月3日付、仲畑流万能川柳より)

(もちろん、オレ様。)

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