2012年5月

マルサ(査察)は、今-②-東京国税局査察部、証拠捏造と恐喝・詐欺の現場から

***2.マルサの取調室-その1  平成24年4月××日、午後2時。私は、東京国税局の拠点である大手町合同庁舎3号館にいた。リョウチョウ(資料調査課による調査)の用事などでいつも通り抜ける1階の右側のゲートではなく、左のゲートから入り、エレベータで4階へ。4階のエレベータ・ホールで待ち受けていたのは、野間田芳徳(東京国税局査察部査察第31部門査察官)であった。 エレベータ・ホールと廊下の蛍光灯は明 […]

マルサ(査察)は、今-①-東京国税局査察部、証拠捏造と恐喝・詐欺の現場から

***1.はじめに  暴力集団としてのマルサ(査察)の襲撃を受けたのが平成5年9月、今から19年前のことである。その後私は巨額脱税事件(「冤罪を創る人々」参照)の主犯として松江地検に逮捕され、刑事被告人として刑事法廷の場に引きずり出された。手錠、腰縄姿を公衆の面前にさらされた屈辱は、今なお鮮明な記憶として残っており、脳裡を去ることはない。  延々と続いた法廷闘争の末、マルサ事件で無罪をかち取った私 […]

高松国税局-恐喝と詐欺による天下り-⑦

 情夫の副社長氏、早速情婦の元ホステスを呼んで、親しくしている国税局のエライさんに頼み込んでくれるように懇請した。脱税のモミ消し依頼である。  男の二股をかけているこの女性、もう一人の情夫である税務職員にこの話を取り次ぎ、色好い返事を持ってきた。『今のうちなら自分の手の内にある。なんとかできる。できないことではない。ただ条件といったらなんだが、お願いしたいことがある。』として、情婦を通じて税務職員 […]

高松国税局-恐喝と詐欺による天下り-⑥

 犯罪の絵図(えず)ができたら、次は実行だ。犯罪の着手である。  女の武器を使ってからめとった金庫番の副社長に、なにげなく話しかける。「おたくの会社、国税局の調査が入っているんですって? 親しくしている同級生が国税局のエライさんになっているんだけど、ポロっと漏らしていたわ。」 情婦が漏らしたさりげない言葉が、副社長氏に突き刺さった。税務調査の情報が外部に漏れていることに衝撃を受けたのである。  た […]

高松国税局-恐喝と詐欺による天下り-⑤

 私が想定する犯罪の構図は次のようになる。  これまで可もなく不可もなく過ごしてきたノン・キャリアの税務職員、-40才半ばになってようやく局の課長補佐にまで辿りついた。あと10年勤めを続けたところで、二番手、三番手の税務署長になるのが関の山。この先は知れたものだ。すでにタナボタの税理士資格は手に入れた。税務署のゴマカシ方も分かったし、納税者をたぶらかす術(すべ)も身につけた。余生は税理士で稼いで楽 […]