冤罪を創る人々vol.65

2005年06月07日 第65号 発行部数:384部

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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-

日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
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●(第五章)勾留の日々

「6.クサイ飯の実態」より続く
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7.外出

一、 勾留中に外出したのは、10回であった。一回だけ本件で再逮
捕されるために検察庁に出頭したほかは、全て松江地方裁判所への
出頭であった。

二、 外出の手順について、平成8年7月9日、第三回公判廷に出廷
したときの状況に即して、具体的に記述してみよう。

三、 午後12時20分頃、担当看守が、私が収容されている拘置監
二階の4号室の前で、「出房!」の号令をかけ、私を房から連れ出
す。ここで、ノート、筆記用具等の携帯品の検査がなされる。
私は房の入口を出て、窓側に向って立ち、看守の「回れ右!右向
け右!」の号令を受けて身体の向きを変え、「進め!」の号令で歩
き出す。歩くときは正面を向いて、スリッパの音をたてずに、手を
キチンとふって歩かなければならない。しかも歩くところが定めら
れている。
拘置監の廊下には、房に沿って40cm幅のだいだい色の硬めのカー
ペットが貼ってある部分と、カーペットの貼ってないビニール・タ
イルの部分とがあり、前者は看守が歩き、後者は未決囚が歩くこと
になっている。

四、 勾留されて間もない頃は、廊下の歩行について、ことごとく叱
責を受けた。
まず、回れ右である。

「回れ右ができないのか!」

できないのである。回れ右など何十年もやったことがないので、
オタオタしたものだ。
次いで、

「キョロキョロしてはいかん!まっすぐ向いて歩け!」

私は元来人一倍好奇心が強いほうで、勾留生活の見るもの聞くも
の全てが珍しく、首を左右にふりながら観察していたのである。
あるいは、

「スリッパをすって歩くな。足をキチンと持ち上げて歩け。」
「ポケットに手をつっこんで歩いちゃいかん。手を出せ、手を。」
「そこはお前らの歩くところじゃない!カーペットの貼ってないと
ころを歩け!」

このころになると私もすっかり慣れており、看守から注意を受け
ることはなくなっていた。外出だけでなく、面会のための出房が頻
繁にあったからである。

五、 看守に連行されて、二階から階段を下りて、拘置監の出入口に
至る。
出入口のドアの横に壁があり、その壁の下に白い塗料で足型が描
かれている。その上に立って壁に向かう。足型が壁スレスレのとこ
ろに位置しているため、足型に合わせて直立すると、ほとんど鼻と
眼鏡が壁にくっつく感じとなる。
直立した後、「回れ右!」の号令で身体の向きをかえて検身を受
け、それが終ると「左向け、左!」の号令で左に向きをかえ、「進
め!」の号令をまって、拘置監から出ていく。
渡り廊下を経て管理棟に向かい、取調室に入る。ここで担当看守
から取調室に待機していた別の2人の刑務官にバトンタッチされる。

六、 取調室では、着衣を全て脱ぎ全裸となる。再び携帯品のチェッ
クがなされ、脱いだ服は、金属探知器で入念に検査される。
検査が終ると再び服を着用し、スリッパを外出用のスリッパに履
きかえる。グレーのスリッパは、外出用も所内用も共に合成樹脂製
の丈夫なもので、メーカー名が入っていない。刑務作業によって作
られたものであろう。
手錠をかけられ、腰縄を打たれて管理棟を出て、車に乗る。
通常、車はワゴン車であるが、このときは、黒塗りのクラウンで
あった。
後部座席の真中に座り、両側に二人の刑務官が座る。左にいる刑
務官は腰縄を手にもち、右にいる刑務官は無線で刑務所と連絡をとっ
ている。
車は刑務所の門を出て、国道431号線を西進し、くにびき道路
を左折する。このとき、無線で連絡がなされる。

「刑松(けいまつ)、刑松(けいまつ)、こちら○○号車。ただい
まA地点通過。」

刑松とは、松江刑務所のことであり、A地点とは、この十字路の
ことであろう。
車はくにびき道路を南進し、県道260号線を右折する。総合体
育館、マクドナルド、ケンタッキーのある四つ角である。ここで再
び無線が発信される。

「刑松、刑松、こちら○○号車。ただいまB地点通過。」

県道260号線を西進した車は、事務所の顧問先であるT歯科医
院とK蕎麦店の前を通過して、裁判所の西側に位置する裏口に到着
する。ここで再び無線連絡がなされる。

(続きはWebサイトにて)
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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
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「ホリエモンの錬金術 -12」より続く
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・ホリエモンの錬金術 -13

有馬純一郎名義の株式960株は、上場直後にあわただしく全て
が売却されています。
この事実は平成12年6月19日付で提出された株式大量保有の
変更報告書と第5期の有報を見れば判ります。
この変更報告書は、証取法第27条の25第1項にもとづくもの
ですが、不思議なことに同じ日に二回にわたってなされており、そ
れぞれA4版で4枚ずつ、合計8枚の報告書として提出され、開示
されています。
この二通の変更報告書と、同年6月15日付で提出された大量保
有報告書とをじっくり吟味してみると一つの事実が浮かび上がって
きます。

その事実とは何か。
それは、この960株の株式が有馬純一郎さんの管理下にはなく、
堀江貴文さんの管理下にあるらしいことです。

その根拠は次の通りです。

1. 平成12年6月15日に提出されている大量保有報告書(提出期
限は同年4月11日。2ヶ月遅れ)は、会社の管理本部中村長也
なる人物によって作成されていること。
2. 堀江貴文の大量保有報告書も、1.と同じ日に提出され、1.と
同一人物が作成していること。
3. 有馬純一郎の事務上の連絡先が、堀江貴文と同じ、管理本部の中
村長也となっていること。同年6月19日に提出された有馬純一
郎の変更報告書においても、連絡先が同様に中村長也となってい
ること。
4. 同じ日に2通提出された変更報告書は、有馬純一郎氏が株券に全
くタッチしていないことを雄弁に物語っていること(資料I)。
5. 上場後、短期間のうちに960株をあわただしく売りぬけた様子
は、まさに久しぶりのごちそうにありつけた欠食児童を連想させ
るもので、有馬純一郎氏の行動とは考えにくいこと(資料J)。

ホリエモンの錬金術 -13 資料I
http://www.mz-style.com/item/314#h

ホリエモンの錬金術 -13 資料J
http://www.mz-style.com/item/314#h

上記1.~5.によって、有馬純一郎名義の960株の株式は、
同氏の管理下にはなく、堀江貴文の管理下にあったと考えられるの
です。
次に、この960株が堀江貴文さんの管理下にあったことの現実
的な意味を考えてみましょう。

有馬純一郎さんは、昭和16年生まれですので、私と同世代の方
です。「輸入が中心のアパレル会社の社長で、年商は10億円」
(同書、P.33)というのですから、長年地道に商売を続けてこ
られた方だと思われます。
堀江さんは、このようないわばカタギの経営者から、4000万
円近い事業資金(中小企業にとっては大金です)を言葉巧みに引き
出しているのです。
有馬純一郎さんとしては、堀江さんの目指している事業などは二
の次で、当時東大生であり、娘の恋人として現れた有力な娘婿候補
としての堀江さんに対して大金を用意したのでしょう。
しかし、堀江さんとしては、どのような方法であろうとも、事業
資金が手に入ればよかったようです。
他に深い仲になった女性の存在を隠して、なんとか有馬さんから
最後の3000万円を引っ張り出すのに成功した堀江さんは、直ち
に娘である有馬晶子さんとの関係の清算に着手し、有馬親子名義の
株式(全体の50%)の買取交渉を始めたものと思われます。
つまり、他に好きな女性(子供ができ結婚することになる)がで
きたために、有馬晶子さんの存在がうとましくなってきたことに加
え、資本金も4000万円になり、インチキ上場の下準備が完了し
たために、有馬親娘は用済みになったということでしょう。「最後
は修羅場となった」(同書、P.112)のも当然のことです(資
料K)。

ホリエモンの錬金術 -13 資料K
http://www.mz-style.com/item/314#h

このような一連のプロセスを、年頃の娘を持つ父親の立場に立っ
て考えてみればどうでしょうか。娘を適当に弄(もてあそ)び、そ
の上娘をダシにして4000万円近い大金を引き出した堀江貴文と
いう人物に対して、父親としては、腹ワタが煮えかえる思いであっ
たことでしょう。顔も見たくないといった方がいいかもしれません。
有馬純一郎さんは、金を引き出すために自分の娘を巧みに利用し
た堀江貴文という人物に、上場時点での評価額が57億円もある株
式の管理を委ねることができるでしょうか。
まず考えられないことです。

そうしますと、有馬さんが管理を委ねていない960株を、堀江
貴文さんが管理下に置いていたということになり、それはとりもな
おさず、960株の真の所有者は有馬純一郎さんではなく、堀江貴
文その人であることを意味します。つまり、有馬純一郎の名前を騙っ
た堀江貴文所有の借名株ということになるのです。

―― ―― ―― ―― ――

ここで一句。

“ホリエモン高笑いする世は嫌だ” -大阪、あらきみやこ。
(毎日新聞:平成17年3月31日号より)

(日本人としての誇り。カネ、金、カネ、金が全ての世はイヤだ。色
恋を金で測ってドブに捨て。)

 

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