冤罪を創る人々vol.54
- 2005.03.24
- メールマガジン
2005年03月22日 第54号 発行部数:336部
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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-
日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ) 昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
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●(第六章)権力としての検察 ― 暴力装置の実態
「3) 立石英生」より続く
http://www.mz-style.com/item/257
(4) 花崎政之
一、 松江地方検察庁検事。第一審の第5回及び第11回公判廷に、
検察官として出廷。
二、 平成8年1月27日、花崎は、司法書士のA.I氏を東京の
A.I司法書士事務所に尋ね、参考人として事情聴取した。
A.I氏は、別件の一つである公正証書原本不実記載・同行使に
深く関連した人物で、逮捕された山根会計事務所の職員小島氏の幼
ななじみであった、
登記の便法として、抹消することを前提として一時的に賃借権の
仮登記をし、その後に本登記をすること(これが罪に問われた)を
考え出し、提案したのが登記のプロであるA.I司法書士であった。
しかし、立件されたのは、私と小島氏のみであり、この案を提示
し、代理人として登記手続きを行った登記のプロであるA.I氏は、
立件されていないばかりか、単なる参考人扱いであり、被疑者にさ
えなっていない。立件するかどうかは、検察官の単なる思いつきで
どうにでもなるものらしい。
三、 花崎が同年1月27日に作成したA.I氏の供述調書では、
A.I氏はこの登記の方法を自らが教えた経緯にふれ、登記制度の
趣旨からは問題があるとの認識を持っていたと述べ、以下のように
供述している、 ―
『そこで私は賃借権の仮登記を設定し、保証人二名を作った上で保証
書による移転登記の方法を教えたのです。
その方法だと、通常の移転登記の場合に比べ、仮登記費用
1,000円に私共の手数料を含めても三万円位の費用が余分にか
かる程度で済むのです。
ただこの方法は、あくまで保証人を作るために架空の賃借権の仮
登記をする訳ですから、登記制度の趣旨からは問題があります。
しかし、小島泰二が私の古くからの知り合いであり、親しくして
いたこともあって、そういった方法があることも教えたのです。
もっぱら小島泰二とのやり取りだけであったと思います。山根と
は一度も会っておりませんし、電話で話したこともありませんでし
た。』
四、 平成8年1月26日、私は別件で逮捕された。その逮捕状には、
私が“情を知らない司法書士をして”違法な登記をさせた旨が記し
てあった。
“情を知らない”どころではない。当の司法書士本人が、自らこ
の方法を提案して小島氏を通じて私に登記を勧めていたのである。
私も小島氏も、この登記が法に触れ罪に問われることなど夢にも考
えていなかった。
逮捕の翌日、はじめてA.I司法書士の事情聴取をして、逮捕状
の記載が誤っていたことに気づいた検察当局は、その後何食わぬ顔
で、
“情を知らない司法書士をして”
という文言をそっと削り取った。誰を起訴し、誰を起訴しないかの
決定が、極めて恣意的になされていることを端的に示すものである
と同時に、杜撰な逮捕劇の一端を示すものである。
(5) 長谷 透
一、 広島地方検察庁検事。
平成8年1月26日、長谷透は、益田に赴き組合の常務理事増田
博文氏の身柄を拘束し、尋問した。
二、 増田氏は、組合の中でも最重要人物の一人であり、私が主に交
渉したのは増田氏であった。マルサ事案の細部にわたって理解し、
知っている人であった。
そのためであったろう。増田氏に対する長谷検事の取調べは熾烈
を極めた。長谷は連日のごとく、大声をあげ、テーブルを叩いては
恫喝し、床を足で踏み鳴らしては威嚇した。
三、 検事長谷透は、増田氏を睨みつけながら、せせら嗤い、次のよ
うに言い放った、 ―
「裁判なんて、言ってみればゲームのようなもんだ。どっちに転ぶか
判らないが、裁判官も我々検察官と同じ法律の専門家だ。同じ釜の
飯を食った仲間だから、同じような考え方をするんだよ。ゲームと
言っても、100%近い確立で我々が勝つゲームなんだ。お前が一
人頑張っても、こうなったからにはどんなにあがこうが、どうしよ
うもないだろうな。ま、蟷螂の斧ってところだな。
それにお前達の弁護人ってのは一体何だ。民事は少しばかりかじっ
ているらしいが、刑事事件はまるでド素人だというじゃないか、ま、
こっちにとってはどうでもいいことなんだがね。」
四、 増田氏は逮捕勾留と過酷な取調べによって、胃潰瘍を発症し、
平成8年7月11日、益田市内の病院で胃の全摘手術を行った。
長谷透の常軌を逸する拷問にも等しい過酷な取調べの、歴然たる
一つの結果であった。
五、 長谷透が、増田氏をあの手この手で締めあげ、執拗に嘘の自白
を迫った供述調書は、平成8年2月13日付のものをはじめとして、
同年3月7日付のものまで、合計15通が法廷に開示され、私の手
許に残っている。
増田氏は終始、長谷の恫喝に屈することなく、毅然とした態度を
貫いた。増田氏の供述調書は、長谷透の脅しを背景にしたいかなる
誘導尋問にも大筋では全くぶれるところのない見事なものであった。
(「(6) 横山和可子」はWebサイトにて)
http://www.mz-style.com/item/264
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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
http://consul.mz-style.com/catid/21
「ホリエモンの錬金術 -1」より続く
http://www.mz-style.com/item/258
・ホリエモンの錬金術 -2
私の好きなテレビ番組の一つに、「恋のから騒ぎ」があります。
さんまさんの絶妙なトークには、見るたびに笑いころげています。
トークの天才なのでしょうね。
「恋のから騒ぎ」(Much ado about love)はシェイクスピアのド
タバタ劇である「から騒ぎ」(Much ado about nothing)からネー
ミングを借りたものでしょう。
今回のホリエモンの一連の買収劇を見ていますと、まさに「から
騒ぎ」以外の何ものでもありません。さしずめ、「マネー・ゲーム
のから騒ぎ」(Much ado about empty money)といったところでしょ
うか。
それにしても、各テレビ局には有識者と称していろいろな人が出
てきては、いかにももっともらしいことを喋っていますね。
テレビに顔を出してはコメントしている大学教授、証券マン、証
券アナリスト等、この人達は株とか企業の実態を本当にご存知なの
でしょうか。疑問ですね。
マスコミのこの空さわぎについてのとらえ方もピントが外れてい
るようです。
たとえば、旧体制と新興勢力とのせめぎ合いととらえている向き
もありますが、なに、日本の超優良企業グループ(フジ・サンケイ
グループ)に対して、ホリエモン率いるインチキ虚業集団(ライブ
ドアとその関連企業)が、ハゲタカ・ファンド(リーマンブラザー
ズ)の手先となって、仁義なきケンカを仕掛け、一般投資家とフジ・
サンケイグループを食い物にしようとしているだけのことです。
フジ・サンケイグループ側の対応もあまり芸がありませんね。ホ
リエモンも、リーマンブラザーズも、単なるゴマのハエなのですか
ら、ハエたたきでも用意すれば十分でしょう。
ホリエモンは、口を開けばなんだかの一つ覚えのように、企業価
値、企業価値と繰り返しています。オウムじゃあるまいし。
ホリエモンは、会社経営の基本は企業価値を高めることだ、とい
うのですが、これについては全く異論はありません。ご説ごもっと
もです。
ところが彼の言っている企業価値とは、いったいなんでしょうか。
どうやら株式時価総額と言われているものらしいのです。
株式時価総額とは、株価に発行済株式総数を掛けた金額のことで
すから、ホリエモンがあちこちで「ライブドアの企業価値は
2,000億円」と臆面もなく喋っているのは、この株式時価総額
のことだと判ります。
なるほど、ライブドアの株価を330円とすれば、発行済株式総
数が606,338千株(平成16年9月30日現在)ですので、
ピッタリ2,000億円という計算にはなります。
しかし、ここには大きなトリックがあり、ごまかしがあるのです。
それは、企業価値イコール株式時価総額としていることで、この2
つは似て非なるものなのです。このすり替えこそ、ホリエモン・マ
ジックの中核となるものです。
この点では、ホリエモンだけでなく、現在マスコミを通してコメ
ントしている有識者と言われている人のほとんど全てが間違ってい
ます。
私が目にした範囲で、時価総額のトリックを鋭く指摘しているの
は、
●新規参入審査に落選したライブドアの『企業体質』
「ライブドア落選、当然の理由」 -ALL About 2004/11/02
http://allabout.co.jp/sports/baseball/closeup/CU20041102C/
の記事と、一橋大学の伊丹敬之教授の
●ワールドコム事件と株式市場中心経営の弱点
-プレジデント、2002年8.12号
http://www.president.co.jp/pre/20020812/02.html
の記事、この2つだけです。
―― ―― ―― ―― ――
ここで一句。
“さんまさんホリエモンで盛り上がり” -アホウ松の逸笑。
(「恋のから騒ぎ」のゲストにホリエモンが呼ばれるとしたら、から
騒ぎがダブルになったりして。)
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