狂った国税キャリア-①

世間を騒がせている脱税事件のほとんど全ては、犯罪として成立しない、つまり冤罪(えんざい。無実の罪のこと)であることを証明して公表したのが平成28年12月16日のことであった(「冤罪を証明する定理-①」参照)。
その後、私が関与した事件に関しては、逮捕されたり刑事立件されることは控えられてきた。
ところが、昨年の夏頃を境に状況が一変。国税キャリアの指示を受けた、あるいはキャリアの意向を忖度した末端の査察官とか国税局の資料調査課の職員(俗にリョウチョウ)が、狂ったとしかいいようのない行動をとるに至った。一昨年の夏頃に引き受けた3つの事件が全て、昨年の夏頃を境に信じられない方向に急展開したのである。
何故か?何故一斉に狂ったように急展開したのか?

3つの事件は、三者三様ではあるものの、全て犯罪として成立しない、即ち冤罪であることが明白であった。それがセキを切ったように、何故再び問答無用とばかりに刑事事件としての摘発が再開されるようになったのか。考えられる理由は次の3つである。

一つは、平成30年3月31日をもって国税犯則取締法(国犯法)が廃止され、国税通則法に組み入れられ、翌4月1日から施行されたことだ。すでに、この問題点の一端については指摘したところである(「共謀罪のカラクリ-隠されたホンネ-①」参照)。詳しくは別稿に譲る。

二つは、平成30年6月1日をもって刑事訴訟法が改正され、司法取引が法定化されたことだ。組織犯罪処罰法の中に、所得税法と法人税法の罰則(犯罪構成要件が巧みに変えられている)が組み込まれていることも関係があるだろう。

三つは、私・山根治が平成30年4月頃、脳梗塞を発症し、生死の境をさまよったことだ。進行中の3つの事件の一つは、大阪国税局資料調査課によるもの(「エセ同和団体の“生贄”(いけにえ)-⑴」「エセ同和団体の“生贄”(いけにえ)は、今-⑴」参照)であったが、私が国税当局に対して緊急事態に陥ったことを告げ、事件の早期収拾を図ろうとして妥協案を提供したことがあった。
大阪リョウチョウが刑事事件としての告発を断念することを条件に、課税金額のいかんによっては修正申告に応ずることを申し入れたのである。私の病気に加えて、依頼者からの要請、つまり、刑事告発がなく金で済ますことであれば早く終わって欲しいとする強い要請があったからだ。
しかし私の申し入れは無視され、一週間後に「更正通知書」が送達されてきた。理屈に合わない破天荒な金額が記されたデタラメな公文書であった。

なにかといえば国税当局に盾突(たてつ)く、ウルサイ税理士の山根がくたばってしまった。天の助けだ。死にそこないの言うことなど聴くことはない。やってしまえ。大阪リョウチョウは喜びのあまり、祝宴でも開いたのではないか。

ところが、「天の助け」は大阪リョウチョウだけのものではなかった。ナント、ブーメランのように私のところに返ってきた。奇跡的に私の頭脳が復活したのである。
脳梗塞によって脳細胞の一部が破壊され、まともな思考ができなくなっていた私。文章が読めない、文字が書けない、-このような状況であった私が、デタラメな「更正通知書」が届いた瞬間に、元の状態に戻ったのである。
その上に、「天の助け」のブーメランは、想定外のものを携えて私のもとにやってきた。まさに、事実は小説より奇なりであった。

(この項つづく)

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 ここで一句。

”熟女らのそこはかとないチョイワル感” -鴻巣、雷作

(毎日新聞、平成31年1月21日付、仲畑流万能川柳より)

(“チョイワル感 アラサーアラフォー 花盛り”)

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