政界を去る二人

”云々(でんでん)と未曾有(みぞうゆう)とがコンビ組み” -川崎、神武夫 (毎日新聞、平成29年5月6日付、仲畑流万能川柳より)



 この2人、ほどなく政界から去ることになる。云々(でんでん)の御仁は、籠池事件(補助金の適性化に関する法律違反)の偽装工作で、未曾有(みぞうゆう)の御仁は、国税庁の偽装工作で。

2人の共通点は、官僚組織におんぶにだっこ、官僚の体(てい)のいい操り人形であることだ。その官僚組織の頂点に君臨し、長い間日本国を自由気ままに操ってきたのが、ほんの一握りの東大法学部卒のキャリア官僚だ。キャリア官僚は長い間、政治の要(かなめ)である国家財政の入(税金の徴収)と出(予算の配布)のそれぞれに小細工を施し、私利私欲のために国家国民を欺いてきた。
 ここにきて、そのカラクリの実態が明らかになってきた。キャリア官僚自ら、墓穴を掘ったのである。
 入(いり)である税金の徴収については、税務の憲法ともいうべき国税通則法を蔑(ないがし)ろにして偽装工作にうつつを抜かし、出(で)である予算の配分については、適化法(てっかほう)を蔑ろにして偽装工作にうつつを抜かして国家国民を騙してきたのである。

“天網恢恢(かいかい)、疎にして漏らさず”(どんな小さな悪事でも天罰をまぬがれることはできない形容、-新明解国語辞典)

の諺言の通り、この2人の名コンビ、官僚組織の崩壊とともに、政界のヒナ檀から転がり落ちることになるであろう。
 私を含めた9割以上の一般大衆は、この2人とキャリア官僚ほど愚かではない。

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