民主党政権の置き土産-偽りの査察調査-⑪
- 2013.11.12
- 山根治blog
無理矢理修正申告をさせた典型的なケースは、今年になってからも発生している。広島国税局の査察調査だ。「民主党政権の置き土産-⑧」で述べた2.のケースである。概略についてはすでに述べた通りであるが、ここでは3点だけ補足する。
補足の一つは、私が余りにも露骨に排除された具体的な状況についてだ。
嫌疑者が脱税容疑で逮捕された平成25年6月××日、従来からの税務代理人の税理士だけでなく、査察着手後に税務代理人になった私の事務所と自宅にも強制調査が入り、あろうことか、私も脱税の嫌疑者としての取調べが行なわれた。広島国税局の査察官が5人、岡山地検の検察官と2人の事務官の計8人が、朝の9時前に私の事務所まで押しかけてきたのである。
私は自宅にいた。いつもは午前中は事務所に出勤することなく、自宅で仕事をしている。この時もそうであった。しかも、まだ風呂に入ってヒゲもそっていなければ、朝食も摂っていなかった。
事務所から電話がかかってきた。岡山地検の人が来ているので、すぐ事務所に来るように言うのである。
事情が分からないので、岡山地検の当事者に電話を替ってもらった。出てきたのは、岡山地検の金浦健次検察官であった。捜索令状をもってきているので、すぐに事務所まで来い、と命令口調だ。朝の準備と食事をしてから事務所に行くとすれば、最短でも一時間はかかる。そこで、一時間後の10時に行く旨を告げると、それではいけないときた。直ちに出てこいと強圧的だ。
グズグズしていると本当に逮捕されかねない勢いであったので仕方なく、直ちに事務所に行くことにした。
黒服のむさ苦しい男達が8人、私の事務所の3階に屯(たむろ)していた。
私は早速、捜索令状の呈示を求めた。嫌疑者とされていたのは、私が昨年税務代理人を引き受けた岡山の会社であった。嫌疑の内容は案の定、広島国税局が勝手に創り上げた、事実に反する脱税ストーリーそのものであった。
岡山地検の検察官が、2人の検察事務官を引きつれて、わざわざ松江まで出向いている。家宅捜索をして何か証拠を見つけた上で、私を現行犯逮捕でもしようと考えていたようだ。脱税の共犯、幇助、教唆、あるいは嫌疑者との口裏合わせ(証拠隠滅)などの屁理屈でもつけて私をパクろうとしていたのであろう。
もちろん、そのような証拠などいくら捜しても出てくることはありえない。この件に限らず、査察調査の案件を引き受ける際には、キチンと契約を交わした上で、必ず、
と嫌疑者に申し向けることにしているからだ。その上に、文書、録音等でこのように申し向けたことを、証拠として残すことにしている。自らを守るためだ。捜索を受けたとしても、出てくるのはこのような裏表など全くないことを立証する証拠だけである。
私は早速、査察官と検察官が提示した捜索令状を写しとることにした。取りあえず令状のコピーを要求してみたが体よく断られたので、時間はかかるが筆写に切り替えたのである。
ところが、いざ手許において写しとろうとすると、捜索令状を渡してくれない。20年前の押し問答(「冤罪を創る人々 044 逮捕当日 ― 別件逮捕 ―」参照)が再現された。このたびの押し問答の相手は査察官ではない。検察官の金浦健次だ。
この若い検察官、自信満々である。この人物、
とする判例を持ち出して、頑として私の要請に応じようとはしなかった。
私はもちろん、上記のような下級審の判例があることは百も承知である。この若造、腕まくりして法律論争をしかけてきたが、こんな石頭とやり合ってもはじまらない。勝手にしろ、とばかりに筆写の要求を中断してしばらく放っておいたところ、金浦健次検察官のほうから歩み寄ってきた。捜索をスムーズに行なうために、今回だけは特別に認めようというのである。ただ筆写することは認めるが絶対に外部に公表してはいけないと念を押した。守秘義務に触れるからだという。
何とも馬鹿なことを口走る男だ。この検事、令状を呈示すべしとする法(刑事訴訟法第110条)の立法趣旨も知らなければ、公務員とか税理士の守秘義務の何たるかも知らない。あるいは、知っていても知らないフリをしている。私は、違法・不当な捜索を受けた被害者本人である。守秘義務もへちまもあるものか。不当な令状の写しを外部に公表しようがしまいが、検察官の若造に指図されるいわれはない。
尋問を受けながらの筆写であったために、2つの令状を写し終えるのに2時間もかかってしまった。私の筆写はナメクジのように拙い文字である。早速、事務所の職員に指示してパソコンに打ち込ませた。今回、嫌疑者が特定できない配慮をした上で、その全てを公表する(「民主党政権の置き土産-偽りの査察調査-号外3」参照)。
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ここで一句。
(もしや、
のツブヤキのこと? “逆ウヌボレ鏡”はアナタだけではありません。)
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