マルサ(査察)は、今-⑨-東京国税局査察部、証拠捏造と恐喝・詐欺の現場から
- 2012.09.18
- 山根治blog
***8.修正申告の慫慂-(1)
松井洋と野間田芳徳、この二人の査察官は嫌疑者を脅したりすかしたり騙したりした挙句、脱税の言質(げんち)を盛り込んだ質問てん末書の作成にこぎつけた。
ところが、脱税の具体的な内容、金額については、嫌疑者が頑として応じようとしない。査察が予め描いた「脱税ストーリー」にどうしても乗ってこないのである。
そこでと、持ち出してきたのが告発の見送りというエサであった。告発はしないことにするので、言う通りの内容と金額で修正申告をするように申し向けてきた。告発見送りという利益誘導を伴った修正申告の慫慂である。
二人の査察官は、単に告発の見送りというエサを嫌疑者に投げかけただけではない。査察の言う通りの内容と金額で素直に修正申告に応じないならば話し合いは打ち切りにして、直ちに告発の手続に移ると追い打ちをかけてきた。恫喝である。
刑事告発を見送る見返りに、言う通りの税金を支払え、言うことを聞かないと告発をするというのである。利益誘導と恫喝による修正申告の慫慂である。
私の手許には、査察官の詳細な言行録がある。嫌疑者の手になるものだ。二人の査察官のうち、主に喋っているのは松井洋査察官である。以下、利益誘導と恫喝による修正申告の慫慂がいかになされたのか、この言行録から抄出する。
その結果分かったことは、この5年間で1億6,000万円増えている。この3年に限っても1億2,000万円増えている。
あなたの収入源は会社以外にはない。会社からの役員報酬は年間360万円、生活費に消えていくことを考えたら、役員報酬が預金として残ることはほとんどないはずだ。
5年間で1億6,000万円、3年間で1億2,000万円もの個人預金が増えている理由は何かと考えていくと、会社の金が流れているとしか考えられない。
つまり、売上を除外したお金とか、架空仕入とか架空人件費によって浮いたお金が個人口座に流れ込んでいるということだ。簿外預金が、5年間で1億6千万円、3年間で1億2,000万円増えている。
売上の除外についてはキチンとした記録が残っていないので、今となっては推計するしかない。売上総利益率を推計して計算することになる。
このような推計に頼ることになるので、5年分のタマリを1億6,000万円ではなく、1億2,000万円(3年分)とすることにした。』
修正の概要は次の通り。
+修正期間、5期。
+不正所得の総額はタマリに相当する、1億2千万円。
+修正の原案は査察の方で全て作成。
尚、修正申告ができないということであれば、更正をして告発の方向で動くことになる。』
税理士の××先生(会社の関与税理士)には、この修正申告のことは十分に話をして了解を得ている。来週にもこちらで修正申告書の原案を作成しておくので、清書をした上であなたが署名捺印して、提出するように。
税金の納付については、今のままではできないはずだ。現在こちらで預っている預金通帳とキャッシュ・カードを一度返すので、それで支払って下さい。』
以上が、松井洋査察官が嫌疑者に対して、修正申告に素直に応ずれば告発を見送るし、応じなければ、更正をした上で告発すると申し向けている具体的な内容である。修正申告の慫慂ならぬ、修正申告の強要である。
それにしても、預金通帳とキャッシュ・カードを押収して、預金の引き出しが自由にできないようにしていたのには唖然とするばかりである。このため、預金通帳等が戻されるまでのニヶ月程の間、運転資金のやり繰りが大変であったという。
このような押収は、人質をとって脅し上げているにも等しく、国犯法の立法趣旨から著しく逸脱している。もちろん違法である。査察は、手当り次第何でも押収できるものと錯覚しているようだ。私の場合もそうであった(「冤罪を創る人々 036 藤原孝行 経歴、押収品」参考)が、誤りである。
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ここで一句。
(気を揉んで いるうちが花 バックシャン。)
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