「悪徳税理士」の弁-⑤
- 2012.08.07
- 山根治blog
依頼者と契約を結ぶにあたって私が確認したのは、主に、
+3期無申告であるが、居宅を移転したために申告を怠っていたこと。
+売上が急減し、ことにリーマン・ショック後は開店休業状況であり、転職を模索していること。
+帳簿・証憑類は残っていないこと。
+取引は全て銀行口座を経由しており、仮名口座は一切ないこと。
+法人預金の残高はゼロであるが個人預金の残高は1億円であること。
+期限後申告の慫慂額は、個人預金残高の1億円を全て法人の利益とみなすものとして計算されており、納得いかないこと。
+このたびの料調との話し合いについては、会社の会計担当者を同席させたが頼りなかったこと。
の7点であった。
以上の7点を会社の会計担当者と称する人物同伴の上で確認し、契約に至ったのであるが、いざ国税当局との接触を開始してみると、いくつかの点で異なっていた。依頼者は私に対して、事実を隠したり、事実に反することを申し述べていたのである。
1.について。
この会社は会社設立以来一度も申告していなかった。つまり、5期無申告であった。居宅の移転については、大阪→九州→名古屋方面と転々とし、私と契約して間もなく東京に移転した。この東京の住所については、私と国税当局からの再三の要請を無視して現在におけるも秘匿したままである。会社については、大阪に登記簿上存在しているだけであり、会社住所地はモヌケのカラであった。
2.について。
売上が急減し、リーマンショック後はほとんど売上がないと言っていたが、さにあらず。国税当局から実態の一部を示されて驚いたほどである。
3.について。
帳簿はつけていたが破棄されており、証憑類もほとんど破棄されていた。
4.について。
概ねその通り。
5.について。
個人預金等の残は1億円を大きく超えていた。
6.について。
料調が当初私に提示した5期分の法人の推計利益は1億円を大きく超えていた。
7.について。
会社の担当者と称していたのは、モグリの税理士であった。依頼者と契約した後、何回かこの人物と接触した結果、モグリであることに気がついた。国税当局がモグリ税理士であることを把握していたかどうか定かではない。このモグリ、依頼者に対して細々(こまごま)とした“脱税指南”をしていたフシがあり、それを記した書面を国税当局から示されたときは返す言葉がなかった。この会社をトンネルとした別会社による消費税の不正還付疑惑についても国税当局から指摘されたものであり、反論の余地がなかった。
尚、齋藤義典税理士は、私が多くの報酬を得る目的で、依頼者に対して不正行為をちらつかせて脅したかの如き言辞を弄しているが、見当違いも甚だしい。私が依頼者に対して申し向けていたのは、契約時の説明と実際とが余りにも多く食い違っていたことから、約束した報酬の算定基準を実態に合わせて変更してもらいたいということであった。
このような状況ではあったが、契約した以上やるだけはやってみようと考え直して取り組んだというのが実際のところである。
1億円超の「推計所得金額」については、私の方で徹底的に洗い直し、その結果税額で4分の1以下の金額にまで下げることができた。
誤解をさけるために再度繰り返すが、1億円超の「推計所得金額」を提示した国税側も適法であると同時に、その提示額をタタキ台にして「適正な所得金額」の算定を目指した私も適法であることだ。双方共、違法なことをしている訳ではない。税額が4分の1以下になったからといって国税の担当者と私との間に密約があったわけではないのである。この話し合いは、1対1の秘密交渉ではない。国税側は常時、最低でも3人、時には5人もの職員が同席して行われたオープンなものだ。コソコソと密約することなどできる状況にはない。このことは料調の人達の名誉を守るためにも明らかにしておかなければならない。
不正、あるいは重加認定についても同様のことが言える。総合的に考えて、敢えて不正あるいは重加認定にまで踏み込まなくともいいのではないか、というのが料調の人達との話し合いの結果であって、私がコソコソと取引したり、料調の人達が公務を逸脱するようなことをした訳ではない。お互いに堂々とオープンの場で話し合った結果である。
私と料調を誹謗中傷した齋藤義典税理士は、このような料調とか査察の現場を全く知らないのであろう。この人物が行なった誹謗中傷は、無知にもとづく戯言(たわごと)だ。
―― ―― ―― ―― ――
ここで一句。
(それにつけても顔の悪さよ。敬愛する安部譲二さん曰く、「見るのも嫌な生き物は、カマキリと民主党の幹事長をしている猿の干物みたいな爺いだ。」(「手配写真」第74回“美浦トレセン1992年”) 猿の干物!? これといった政治信条もなく、専ら権力だけを追い求めてきたデマゴーグを評するのに、言いえて妙である。)
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