400年に一度のチャンス -号外6
- 2011.07.12
- 山根治blog
***-菅直人首相にエールを送る
菅首相に対するバッシングがますますひどくなってきた。与野党挙げて、菅氏を首相の座から引きずり降ろすのに躍起になっている。新聞もテレビも寄ってたかって菅首相を非難し、世論を操るのに懸命だ。
菅直人氏は文字通り四面楚歌の中、頑として辞任しようとはしない。私は一度エールを送った(「400年に一度のチャンス -23」参照)が、再びエールを送り、菅首相を激励したい。
様々な人達が、もっともらしい理由をつけて、なんとか菅氏を辞任に追い込もうとしているが、どの理由を見ても首を傾(かし)げるものばかりだ。首相として不適格であるとする理由とはなっていないのである。
とすれば、隠れた本当の理由があるはずだ。それは何か。ズバリ、原発だ。菅直人首相の原発に対する姿勢が、これまで原発を推し進めてきた多くの連中の利益に反するからではないか。
この原発という視点から菅首相バッシングを俯瞰してみると、スッキリと見えてくるものがある。
自民党とか公明党は、国民を騙して原発を導入し、推進してきた張本人であるから分かり易い。与党の民主党はどうであるか考えてみると、ほとんどの国会議員が何らかの点で原発との関わりを持っている。原発のしがらみが全くないのはほとんどいないのではないか。同じ穴のムジナである。
経済界はもちろんのこと、マスコミも原発のしがらみにどっぷりと浸かっている。
原発を抱えている地方自治体は、財政の大きな部分を原発に頼っているから、原発が廃止にでもなれば大変なことになると思っている。
それらの背後には、原発の既得権益を守ろうと必死になっている経済産業省をはじめとする役人達のドス黒い思惑がある。
これに対して、菅直人氏はどうか。菅氏は、市民運動から首相の座に着いた日本で初めての人物だ。原発の利権には全く関係がないし、原発行政を陰で支えてきた労働組合とも関係がない。つまり、与野党を問わず、原発のしがらみからフリーである稀有な存在だ。与野党を問わず、これまでの首相の中で原発のしがらみが全くない唯一の存在であるということだ。
現実の政治力学の中にあって、菅直人氏はいずれサンドバックさながら、ボコボコにされて首相の座から引きずり降ろされるであろうが、脱原発を見すえて、これまでの日本国の誤った道を大きく修正するならば、日本の歴史に燦然たる足跡を残すことになるであろう。エネルギー政策をどうするのか、これこそ最も重要な国家百年の大計だからだ。
今年の3月11日の大災害、とりわけ福島第一原発の大事故は、私達にとって不幸なことではあったが、この時にあたって、原発について過去のしがらみのない菅直人氏がたまたま首相の座にあったことは、まさに不幸中の幸いであったと言わなければならない。小沢一郎氏はもちろんのこと、鳩山由紀夫氏でも前原誠司氏でも駄目であったということだ。
菅氏には首相の座にできるだけねばっていただいて、日本国のために、脱原発の道筋をはっきりとつけていただきたい。
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ここで一句。
“ペテン師の定義を本家が解説し” -長野、互示良
(自民党と役人達に騙され続けてきた私達一般国民。これから先、騙されることはない。ナメタラ、あかんぜよ。)
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