400年に一度のチャンス -15

***15.公務員人件費の削減②-その効果と根拠②

 360万人の公務員だけではない。何らかの予算措置が講じられているか、もしくは事実上の国の出先機関に属する人達をも含めたパブリック・セクター全体の人数は、福岡政行氏によれば900万人に達するという。日本の労働人口6,700万人の13%強である(前掲書、P.56~57)



 パブリック・セクターの多くは、国民にとって必ずしも必要とされているものではない。公務員の退職後の生活を保障するためとしか考えられない、特殊法人とか公益法人など一般国民には無意味なシロモノであり、即刻全て解散させるべきものだ。教育、医療、福祉など国民サービスに直結するものを除き、直ちに原則廃止にすればよい。

 更には、日本の農業を食いモノにしてきたJA、日本の中小企業政策に便乗しているだけで無用の長物と化している商工会、商工会議所など、国民生活にとって単に不要であるだけではない。今や大きな害悪をタレ流して、公益を損なう存在になり果てている。

 たとえばJA。日本の農業をダメにしてきたのは歴代の自民党政権であることは論をまたないが、JAは、現場の実行部隊として自民党政権とタッグマッチを組んでこれまで何をしてきたか。国民の目線からはもとより、農家の目線からも外れ、ひたすらJAの利益だけでなく、JAと癒着している農機具・農薬メーカー、土建業者、飼料輸出国の利益をも追求してきたとしか思えない。中でもヒドイのがJAの金融部門だ。農政によって特別扱いされた資金を操って農家を食いものにしているだけではない。およそ金融常識からは考えられないような怪しげな融資が横行し、迂回融資をはじめとした不正融資が跡を絶たない。やりたい放題である。

 その結果が、多くの不良債権だ。全国759の単位JAの貸金の合計22兆6,773億円(平成22年3月末現在)のうち回収不能と考えられるのは、私の推計では20%の4兆5,000億円である。この4兆5,000億円の不良債権は、JAが農家をはじめとする国民から掠め盗った利益の残骸とでも言うべきものだ。JAによる不当利益の先食いである。いずれにせよ、地方銀行、信用金庫、信用組合と並んで、JAの不良債権処理はほとんどなされていないのが現状ではないか。JAの具体的な分析結果については、別稿で明らかにする予定である。

 これらに加えて、このたび原発事故という前代未聞の不祥事をひき起こした東京電力、地域住民だけでなく、国民と全世界に多大な迷惑をかけた公益企業ならぬ公害企業である。かつて水俣病を引き起こしたチッソをはるかにしのぐ公害企業と言ってよい。東京電力は、制度的に数多くの特権が与えられていることに胡坐(あぐら)をかき、公益企業としての責務を疎かにしてきた。その結果が今回の福島第一原発の大事故である。これまで度々、原発の危険性が各方面から具体的に指摘されてきたにもかかわらず、全く無視してゴマカシてきた結果がこのたびの大事故である(「きっこのブログ:原発事故は人災です」「きっこのブログ:恐怖の柏崎原発」)。筆者がしばしば“人災”と称する所以(ゆえん)である。決して“想定外の事故”によるものではない。
 公益企業としての電力会社の最大の責務は、電力の安定供給と不測の事故の防止である。今回の不祥事について言えば、事故防止のための費用を惜しんだばかりに、原発事故が発生し、電力の安定供給ができなくなったということだ。東電は事故防止費用を削っている一方で、人件費だけは大盤振る舞いだ。役職員のための福利厚生施設なども至れり尽くせりである。何とも優雅なものである。
 東京電力の人件費の概要は次の通り。
***東京電力:平成22年3月期有価証券報告書より作成
^^t
^cx^項目
^cx^人数
^cx^支給総額
^cx^一人当り支給額
^^
^1.取締役
^rr^19人
^rr^6億9,800万円
^rr^3,684万円
^^
^2.監査役
^rr^3人
^rr^9,800万円
^rr^3,266万円
^^
^3.社外役員
^rr^7人
^rr^6,600万円
^rr^943万円
^^
^4.社員
^rr^36,328人
^cc^-
^rr^758万円
^^/
(*退職金、福利厚生費を含めた人件費の総額は4,590億円、一人当り1,190万円である。ちなみに、4.社員の中には管理監督者は含まれていない。)

 原発事故の復興財源として、国債の発行とか増税が取り沙汰されているが、トンデモない。順番が間違っているのではないか。
 まず東京電力が会社として責任を取らなければならない。当然のことであるが、事故後一ト月も経ってから、避難家族一世帯当り100万円の補償金を仮払いすることにしたというに至っては、フザケているとしか言いようがない。遅きに失しているし、金額についても一桁違うのではないか。寝呆けたことをする会社である。国民に対して犯罪的ともいえる事故を引き起こした自覚が全くない。
 責任を取るのは会社だけでない。役職員も実質的な責任をとる必要がある。TVの前で白々しく頭を下げたり、責任者が辞任すれば済むことではない。率先して給与、賞与を削減し、被災者への補償金に充てることだ。
 上記、1.~3.の役員は、過去の報酬、賞与の返還をすべきであるし、今後の報酬については例えば9割カット位のことを断行すべきではないか。それを行った上で、一般社員の人件費の5割位のカットをして、社会に対して謝罪の実を示すべきである。

役員報酬等の減額ならびに平成24年度採用計画の見直しについて(平成23年4月25日)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11042503-j.html

(この項つづく)

 ―― ―― ―― ―― ――

 ここで一句。

“50年前の暮らしでわしゃいいが” -下関、猫オババ

(毎日新聞、平成23年4月7日付、仲畑流万能川柳より)

(日本では、和と循環(エコ)の社会が江戸時代の終り頃をピークにして終りを告げ、明治維新と共に欧米流のモノとカネに価値を置く略奪社会へと変貌。第二次大戦後は、アメリカの事実上の支配下で、自由競争という名のもとに殺伐とした略奪社会が加速化。その象徴的存在が原発。GNP(モノとカネ)から、GNH(人の幸せ)への切換えの時期。)

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