無名子のプロファイリング
- 2010.07.06
- 山根治blog
山根治blogを始めてから6年が経過した。その間、ブログをきっかけとした様々な人達との出会いがあり、別れがあった。ブログを開設していなければとても会うことなどできない人達との出会いは私にとって貴重な体験であった。
ブログへの書き込み、-ほとんどが匿名の投稿ではあるが、これも一つの出会いである。誉められたり、けなされたり、なんとも賑やかなことであった。
私も人の子、とりわけ俗人中の俗人を自任している私である。誉められたら嬉しいし、けなされたら腹が立つ。これだけは6年経った今でも変るところがない。
ただ一つ変わったことといえば、悪口雑言を発している匿名の人物、いわば無名子の人物像に興味が湧いてきたことだ。どのような立場の、どのような人物であるかを推測すること、いわば匿名氏、あるいは無名子のプロファイリングである。
悪口を言うからにはまず私の記事に目を通していることが前提である。そのうえに、文章にして投稿している。いわば手間ヒマをかけた悪口雑言だ。中には、まともに私の記事を読まずに誰かの尻馬に乗って罵詈雑言を投げかける人達もいた。付和雷同である。とりわけ多かったのは「ホリエモンの錬金術」の執筆中であった。作家の安部譲二氏の言葉をお借りすれば“悪口悪たれアメアラレ”といったところだ。もっとも、安倍氏の「悪口悪たれ」は同氏の作家としての秀れた感性から発せられたもので、私も同感である。
最近、一風変ったコメントが目についた。コメントNo.1788、山田という名をハンドルネームとした無名子のものだ。しかもこのコメント、私の一年以上も前の記事に文句をつけて悪口を言っている。日本経済新聞に掲載されたトヨタ自動車の分析記事がトンチンカンなものであったことから、何故トンチンカンであるかについて解説した記事である。ちなみに私の記事は、従来の経営分析方法とは異なる認知会計の手法を用いて分析したものだ。
山田なるハンドルネーム、私は案山子(かかし)を連想してしまった。山田の中の一本足の案山子である。いつもの癖で広辞苑を引いてみると、「みかけばかりもっともらしくて役に立たない人」という意味もあるという。なんだか妙に納得してしまったりして。
そこで、山田の案山子殿のプロファイリングである。
まず目につくのは、私のことを「君」呼ばわりしていることである。同級生とか、先輩、あるいは私の先生方から私のことを「君」呼ばわりされることはごく自然のことであり、全く異和感を覚えない。しかし、一面識もない人からの「君」呼ばわりは異様である。私の生年月日はブログ上で開示しており、私は当年とって67才である。幼稚な文章の書き方から察して、私より年長とは思えない。そのような人物が敢えて上から目線でモノを言っているのである。これは何を意味するのか。全く面識のない年下の人物が上から目線で「君」呼ばわりしていることは、イライラした怒りの感情がモロに現われていることを示唆する。この怒りは社会一般に対する怒り、つまり公憤ではない。私の記事に対する個人的な怒り、私憤である。私が日経の記事をけなしたことを怒っているのである。
ここから言えることは、この案山子殿、日経の記事に直接かかわった人物、つまり、ズバリ記事の執筆者本人であるか、もしくは、それに極めて近い人ではないかということだ。いわゆるアナリストの類いである。
このことは、この人物が用いているいくつかの専門用語からもうかがえることだ。財務諸表、単体の財務諸表、個別の財務諸表、あるいは、有利子負債、債務超過、セグメント情報といった言葉は、一通り経営分析ができ、かつ、実際に有価証券報告書に目を通している人物でなければ使えないものだ。もっとも、正確な経営分析ができたり、あるいは有価証券報告書が十分に読みこなせることとは全く別の問題である。ともかく、もっともらしいそれなりの知識だけはあるということだ。
案山子殿に申し上げたい。私の記事を批難するのは大いに結構である。しかし、犬の遠吠えのような抽象的な言いがかりではなく、実名を名乗った上で私の分析のどこが誤っているのか具体的に指摘して欲しい。私のトヨタの分析記事は、プライベートなレクチャーに用いた詳細な分析の一部(約10分の1)であり、具体的な数字を用いているものである。もちろん、トヨタの有価証券報告書は過去5年分にわたって具(つぶさ)に検討し、直近の四半期報告書、会社側のプレスリリース等、入手できる限りの信頼できる情報をもとに行った認知会計的分析である。
もし、案山子殿が秀れたアナリストであり、かつアナリストとしてのプライドをいくぶんなりともお持ちであるならば、本名を明かした上で私の誤りを具体的に指摘していただきたいものである。
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ここで一句。
(君死に賜うことなかれとオバアさん。)
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