検証!! 『ホリエモンの錬金術』-号外3

 このたび堀江貴文氏は、『そいや、民主党の例の「偽メール」問題で東京地裁に名誉毀損による損害賠償請求訴訟を提起しました。』(日本は世界の中で成立している/鳩ぽっぽその後

ブログで明らかにしました。「偽メール」問題とは、堀江氏が政治にまつわる怪しげなカネにからんで取り沙汰された事件のことで、ガセメール事件と言われているものです。堀江氏が政権与党の幹事長に3千万円を送金した旨の偽りのメールが出回り、本物のメールと勘違いした民主党がワナにはまった事件のことです。

 このメール、政治家がらみのカネの実態を少しでも知っていれば、およそホンモノと勘違いすることなど考えられないシロモノでした。偽りのメールを持ち歩いた人物は明らかになっているものの、裏にいて誰が仕組んだ策略かは分かりませんが、稚拙そのもの。この点、稚拙な詐話を10年1日の如く繰り返している堀江貴文氏にはお似合いの“つくり話”だったのかもしれませんね。尚、このガセメール事件についてはかつて、別の観点から取り上げて論評したことがあります(“疑惑のフジテレビ-6”)。

 メールが発信された時期とか内容からして、表に出たらそれこそ一人の政治家の命取りともなりかねないものが、メールという足跡のつく方法で発信され、しかも振り込んだ銀行口座名まで明記されているのです。その上、周到に計画されていたかのように、政治的野心に燃えた野党の政治家の手にそのコピーが渡っている、これらのことだけでも十分にインチキ臭く、ホンモノである可能性は限りなく小さいのですが、私が注目したのは3千万円という金額でした。余りにも少ないのです。政権与党の幹事長に特別な依頼をする見返りとしては少なすぎるということです。これが仮に1桁多い3億円でしたら、同じインチキでももっともらしく響いたかもしれません。3千万円位のカネですと、せいぜい盆暮の挨拶ていどのものでしょう。それにしてもこのガセメール事件、一人の前途ある若い政治家が結果的に自らの命を絶つという、痛ましくも後味の悪いことになってしまいましたが、この陰謀を考え、実行に移した人達はその後どうしているのでしょうか。

 このガセメール事件のために、当時の自民党がかかえていた4つの問題、BSE問題、耐震強度偽装問題、ライブドア事件、防衛施設庁談合事件がどこかに吹き飛んでしまいました。騙された民主党がドジだったというだけの話ですが、いずれにせよ当時の小泉政権がかかえていた難題が雲散霧消したことは紛れもない事実です。ガセメール事件によって最も大きな利益を得たのが自民党であったということです。それにしても、ガセメールを作成したり流布させた人物こそ、この事件の中心人物であり、流布した人物が特定されていたにも拘らず、何故か検察は立件しようとはしませんでした。検察の思惑と意図がスケて見えるようで、なんだか、政治資金がらみで先ごろ民主党関連だけが事件化され自民党関連は不問に付された、小沢一郎氏の秘書の事案とよく似た構図ですね。また最近逮捕された厚労省の女性局長については、事情を知る内部関係者から、

「検察がつくり上げた冤罪だ。検察のターゲットは野党の大物議員ではないか。」

といった、悲鳴にも似た生々しい声が私に寄せられています。この内部告発者の話が事実であるとすれば、誠に由々しいことです。日本の検察はいつから、政権政党の顔色をうかがう番犬になり下がったのでしょうか。犯罪をデッチ上げていながら、反省のかけらも見られない検察(『冤罪を創る人々』)のことですから、権力の番犬になったとしてもおかしくないかも知れませんね。

 果してこの提訴、堀江氏にとってどのような意味をもつのでしょうか。同じく崖っぷちに立たされている(オン・ザ・エッヂ)自民党にとっても吉とでるか凶とでるか。3年前とは異なり、逆風が民主党にではなく今度は自民党に向かうことになるかもしれませんね。堀江氏とか一見見ばえのよい女刺客(おんなしかく)をシンボルのようにして、国民の目をゴマかしにゴマかした、小泉劇場と言われた先の総選挙(「ホリエモンと小泉純一郎 -1」)のことを国民に思い起こさせることになるだけでなく、このガセメール事件の真の加害者が誰で、真の被害者が誰であったのかが、確認されることになるからです。

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 ここで一句。

“人込みを 主人のハゲに ついていく“ -美濃加茂、今井瀧男。

 

(毎日新聞、平成21年2月6日付、仲畑流万能川柳より)

(月が出たり入ったり。)

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