検証!! 『ホリエモンの錬金術』-号外2
- 2009.06.09
- 山根治blog
堀江氏は、私の記事が「ウソ八百のオン・パレ-ド」で、「根拠のない中傷」とこきおろして、私を非難し、訴訟も辞さないと言っています。訴訟なさるのも結構ですが、自身のブログで私の批判を展開するのであれば、その前に、本当に弁護士とか会計士に相談なさったほうがいいでしょう。
4年前に記事を公表した時も、あるいはその一年後に東京地検がライブドアを摘発した時も、多くのマスコミから取材の申し込みが来ましたが、それらの全てをお断りしてきました。TV局の中には、松江までわざわざおいでになったところもありましたが、丁重にお断りしています。その理由として、私は当時次のように記しています。
私が、現在分析の対象としていることは、4つの専門分野(会計実務、監査実務、企業分析、株式市場)にまたがるもので、それらの実務的な知識が必ずしも十分にあるとは思えない取材記者の方にお話ししても私の意図が正確には伝わらないおそれがあります。それ以上に、一部だけを曲げて取り上げられると、それこそ不当に堀江さんを傷つけることにもなりかねません。
このため、私は一言一句、自ら責任の持てることのみを文章化し、原則として一週間に一度このblogで公表していくつもりです。』(『ホリエモンの錬金術-号外』)
この一ト月余りの堀江氏の私に対する批判を見る限りでは、日本語だけでなく、法律用語とか会計用語あるいは証取法について、基本的な理解がいささか欠けているようで、専門家に相談した形跡が見られません。
堀江氏は、弁護士や会計士に相談したり、裁判を起すとなると少なからぬカネがかかるが、ブログで自分が喋っている分にはカネがかからない、タダだ、などとずいぶん気楽なことを言っています。現在のところは手許にカネがあるようですし、相談料などそれほどのものではありませんので、一日も早くしかるべきプロに相談なさることをお勧めします。私を批判するのはそれからにしていただきたい。
私はすでに、号外を別にして、ブログ記事20回分ほどの検証を終えました。更に加筆訂正した上で、3ヶ月程かけてこれまで通り、週に一度ずつネット上で公開していく予定です。
4年前の『ホリエモンの錬金術』は、認知会計、ひいては会計工学の実証研究の一環として行ったものであり、決して他人を中傷したりヒマつぶしをするために書いたものではありません。確認された信用性の高い資料だけをベースにして作成したものですので、原資料そのものが否定されない限り、私の論旨は簡単に崩れることはありません。記事については分かりやすさをモットーに書き上げてはいるものの、専門家の検証に十分耐え得るものと自負しています。
この5年余り、ライブドア以外にも具体的ないくつかの事例を取り上げて、企業分析に関する私の思考パターンをアルゴリズムにまとめ上げ、それをもとにして、スタッフと共にチェックシステムのソフト化を目指してきました。現時点で、実務に耐えるソフトがようやく完成に近づいたところです。
***<追記>
堀江氏は、自身のブログで、借名株の疑惑は、
と発言しています。私も、『冤罪を創る人々』の中で、検察が私に突きつけてきた「悪魔の証明」に苦しんだことを述べていますが、堀江氏の場合は悪魔の証明などという大層なものではありません。20億円という大金が現実に動いているのですから、身の潔白を証明することは簡単なことだからです。
一言、
と明らかにするだけでいいのです。有馬氏とは音信不通のようですが、ネット上でこの旨発言すれば、たとえ本人が気がつかなくとも親しい人が必ずや目にするはずです。もし堀江氏の発言が事実であるならばそのまま黙っているでしょうし、ウソであるならばしかるべきリアクションがあるでしょう。
尚、仮に堀江氏にかけられた借名株の疑惑が晴れたとしても、つまり、有馬氏が960株の真実の所有者で、オン・ザ・エッヂの上場直後にバタバタと売り抜けて20億円余りを手にしていたことが事実であったとしても、インチキ上場の一味(『ホリエモンの錬金術-9』で、私は“ホリエモン賭場のご一党”と言っています)に新たに有馬氏が加わるだけの話で、インチキ上場であるとする、私の論旨には全く影響がないことを付け加えておきます。
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ここで一句。
(中にも外にも。)
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