冤罪を創る人々vol.70
- 2005.07.12
- メールマガジン
2005年07月12日 第70号 発行部数:398部
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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-
日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ) 昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
http://consul.mz-style.com/
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●(第六章)10年間の財政の推移
「(2) 収支の見直し」より続く
http://consul.mz-style.com/item/328
(3) 資金繰り
1、 会計士稼業は、ある意味では浮き草稼業である。自らの身体一
つが頼りであり、その点資本の論理が支配する会社経営とは全く異
なっている。
病気になって入院でもすれば、たちまち収入が途絶えることもあ
りうるのである。このことは医師とか弁護士も同様であろう。
2、 元来、私は蓄財という観念に乏しく、結婚して37年になる超
現実主義者の配偶者からは折にふれて叱責の言葉が飛んでくる。
「会計士のクセに一体何ですか。こんなヘンなものを買ってきたりして。」
私は、自ら稼いだものは有効に使うべきであるという信念を持っ
ており、有効性の判定をめぐって常に意見が対立するのである。
3、 そのような蓄財観念に乏しい私ではあるが、事務所の運営に最
低限必要と考える資金だけは常に用意していた。
万一に備えてのものであり、何らかの原因で収入が途絶しても、
事務所経営に支障を来たさないようにするためであった。
私は、息の続く限り働き続けるつもりであり、私の活動を下支え
するためにも最低限の資金は必要であった。
私が資金繰りの心配をすることなく、安心して仕事に打ち込むた
めに必要な備蓄資金は、2年分の事務所の経常経費を賄うに十分な
額であり、その内の半分は、直ちに資金化できるものでなければな
らなかった。
4、 私は病気入院という事態を想定して万一に備えていたが、まさ
か逮捕されるとは夢想だにしていなかった。
しかし、考えてみれば、逮捕され291日間勾留されたことは、
その間病気で入院したこととさほど変わりはない。
一般社会から隔絶されていることは、独房でも病室でも同じこと
であるし、はじめの内しばらく続いた接見禁止の措置も、集中治療
室に入っているのと同じようなものである。
5、 以上のような考えから万一のために備蓄していた資金が現実に
役に立ったのである。
しかし、私が逮捕されてからも事務所の経常収入は途絶しなかっ
たものの、支出の面で多額の臨時の支払いを余儀なくされ、資金繰
りを圧迫した。
最も大きかった臨時の支払いは、税務当局に対するものであった。
税務当局が預金と売掛債権との差押えをチラつかせながら支払いを
迫ってきたために、事務所運営上必要最低限の資金を残して、その
支払いに充てた。
この他の臨時の支払いは、刑事裁判にかかる弁護士費用等の裁判
費用であった。
6、 私以外の者ができる資金繰りは、預金の取り崩しと保険の解約
位のものであった。このため、私の保釈が決定したとき、事務所の
資金はほゞ底をついており、保釈金の3千万円は配偶者の親族に頼っ
た。
事務所の資金繰りは文字通り綱渡りの状態であった。
7、 従って、保釈されてから直ちに着手したのは、資金繰りの改善
である。
税務当局は、私の保釈を待ち受けていたかのように、更に支払い
の圧力を強めてきた。交渉の末、2つの不動産物件(担保余力7千
万円)を担保提供することを条件に、月々30万円の支払いをする
ことで話し合いがついた。
月々30万円の支払いは、平成13年6月11日、本件が第二審
でも無罪とされ、検察が上告を断念し、本件の無罪が確定するまで
続けられた。
資金繰りが私の逮捕前の通常の状況に回復するのに3ヶ月かかっ
た。
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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
http://consul.mz-style.com/catid/21
「ホリエモンの錬金術 -17」より続く
http://consul.mz-style.com/item/329
・ホリエモンの錬金術 -18
私の分析も終りに近づいてきました。実は、この連載を始める前
にホリえもん(ホリエモンではなく)に関する原稿を4本ほど仕上
げていました。彼がフジテレビとのドンパチをやり始めた時のこと
です。
「中江滋樹とホリえもん」と題したもので、私がよく知っている
中江滋樹という異色の相場師とよく似ていると考えて書いたもので
す。分析にまで立ち至らない気楽なものでした。
ライブドアという会社については、昨年の野球騒動のとき決算書
をザッと見て怪しげな内容であることは知っていました。しかし、
有価証券報告書までは眼を通していませんでした。
原稿を4回分書き上げた段階で念の為に有報をネットから引っ張
り出して眼を通してみたところ、上場後の決算書がいかがわしいシ
ロモノであるだけでなく、上場前にトンデモないカラクリがあるこ
とに気付いたのです。
中江氏との対比で書いていた原稿は、ホリえもんを新しい時代の
勝負師ととらえた好意的なものでした。ささやかなエールを送るつ
もりだったのです。
しかし、有報の詳しい分析から浮かび上がってくるホリエモンの
実像が、中江氏とは似ても似つかぬニセモノであることが判明し、
書き上げた原稿を破棄するに至りました。いわば幻の原稿であり、
幻のエールに終わったのです。
3月15日に第一回目をアップしてから4ヶ月。成り行きから、
久しぶりに大量の有報とか届出書に眼を通し、分析することになり
ました。
予想をはるかに超えた反響があり、当初5回くらいで終えようと
思っていたものが、結局3倍以上の分量になってしまいました。
ブログに寄せられたコメントの中には、私を非難する数多くの声
があり、「いいかげんなことを書くな」、「そこまで言うならキチ
ンとした根拠を示せ」など、まことににぎやかなことでした。
なるほど、それぞれごもっともな意見でしたので、私としても、
それではと腰を据えて、長々しい煩雑な議論になるのを承知の上で
仕切り直しをして書き進めてきたのです。
後半に至り、そろそろこの連載を終えようとしていたときに、熱
烈なホリエモン信者の方から、「山根、旧世代の腐った脳みそのお
前がいくら堀江の錬金術と称して堀江を叩いても何の説得力もない
ぞw。」「さっさと引退しろよ糞じじいがw。」(コメントNO.[209]
「堀江支持者」)、あるいは、「てめえみたいな社会のゴミはさっ
さと死んだ方が日本のためだ。」(コメントNO.[210]「同」)、と
いった強烈な文面のパンチが飛んできました。
コメントNO.[209]
http://consul.mz-style.com/item/308#c209
コメントNO.[210]
http://consul.mz-style.com/item/308#c210
さすがに、この方のコメントを一読したときは、ムッときました
ね。しかし、二読、三読するうちに、妙に納得できることに気付き
ました。
たしかに、“旧世代の腐った脳みそ”と言われてみれば、私は昭
和17年生まれで、戦後の団塊の世代より前ですから旧世代でしょ
うし、この7月26日で満63才になるのですから若い時に較べて
脳細胞が減少していることは大脳生理学的に言えば厳然たる事実で
しょう。お説ごもっとも、まちがいない!
また、“糞じじい”と言われてみれば、私も人並みに孫がいます
のでジジイですし、還暦を過ぎても、人生を悟るどころか、益々俗っ
ぽくなっている非聖人君子の私ですから、クソジジイと言われれば、
これまた、まちがいない!、と妙に納得してしまうのです。
ただ、“さっさと死んじまえ”とか“さっさと引退しろよ”とい
うご意見には、今のところハイそうですかと受け入れることはでき
ないようです。
私は自分で命を絶つほどの勇気を持ち合わせていませんので、生
きるの死ぬのと言ってみたところで、神のみぞ知る、私にはどうす
ることもできません。あしからず。
引退についても、私はしがない会計屋ですし、幸か不幸か定年が
ありませんので、引退のしようがないのです。
何をどのようにするのかはともかくとして、命の続く限り、つま
り自然に呼吸と心臓とが停止するまで、私に与えられた仕事を一つ
一つこなしていくしかありません。
つまり、私の人生に幕を引くときが私の引退であると常日頃考え
ていますので、先に述べたように、これまた私の自由にはできない
のです。残念!
私のブログを熱心に読んで下さり、その上にやや品位には欠ける
ものの、わざわざ2回もコメントまで下さった「堀江支持者」様に
は、以上のような次第で、現時点ではせっかくのご要望におこたえ
することができそうもありませんので、せめてもの感謝の気持から、
全く書く予定にはなかった論点を追加してサービスさせていただき
ました。「ホリエモンの錬金術-15~17」の3回分がそれです。
「ホリエモンの錬金術-16」の(表1)(表2)(表3)(表4)
を作り上げるのに、けっこう時間を使いました。謝、謝。
ホリエモンの錬金術-16
http://consul.mz-style.com/item/324
―― ―― ―― ―― ――
ここで一句。
“都知ジイがババアと言ってなぜ悪い” -船橋、斎藤晃一。
(毎日新聞:平成17年6月18日号より)
(日本海の冬の味覚にババアという名の白身の魚があります。見た目
は、なるほどクシャクシャッとした面白い顔付をしており、お世辞
にも器量よしとは言えませんが、鍋物にお勧めです。たけしのTV
タックルで、舛添要一と、かつて「ハゲ・ブス論争」を口角泡をと
ばして展開なさった田嶋陽子女史にでも召し上がっていただいて、
『して、ババア鍋のお味のほどは?』とでも、おそるおそるうかがっ
てみたりして。鍋のフタが飛んでくるかもしれませんね。)
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