悪徳会計屋の経済事件ノートvol.11

2005年02月10日 第11号 発行部数:378部

◇◆――――――――――――――――――――――――――――◇

悪徳会計屋の経済事件ノート

なぜ上場会社社長は国税局ロビーで壮絶なる自殺を選んだのか。
国税局OB税理士が納税者を食いものにする手口とは。
税務署とマスコミから悪徳会計士の烙印を押された
会計のプロが税金法律金融事件の深層に迫る。

◆◇――――――――――――――――――――――――――――◆

山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
http://www.mz-style.com/

―――――――――――――――◇―――――――――――――――

●ハニックス工業事件の真相

「ハニックス工業 事件の真相 11」より続く
http://www.mz-style.com/item/227

(4) その他のケース

あるいは、個人で申告させて、低い税率による税金を納めた残り
を会社がつかうつもりであったとでもいうのであろうか。

この場合、税引後の資金がストレートに会社の資金として活用で
きないのは前述のとおりである。各個人から会社が借りる形式をと
れば、正規の帳簿に計上できるのではないかという議論もあろう。

しかし、それならば、敢えて会社の裏金をつかって自社株の取得
をするという重大な犯罪行為をするまでもなく、オーナー自らが表
金で適法に取得すれば済むことである。会社の財務の内容が健全で
あり、収益性に問題がなく、かつ株式公開のスケジュールが具体的
に作成されているのであれば、取得資金の調達は難しいことではな
いからである。

あるいは、裏金を表金にするマネーローンダリング(資金洗浄)
を活用するつもりだったのではないかとでもいうのだろうか。

マネーローンダリング自体、犯罪行為であり、毒を食らわば皿ま
で、といったところであろうか。裏世界のことであり、私には知る
すべもないが、巷間きくところによると、半端な手数料ではないよ
うだ。税金が20%安くなる以上のコストがかかるのは必定であろ
う。これとても会計士監査の眼をのがれることは至難であろう。

あるいは、国税は、社長が自社株の取得を文書で認め、脱税を自
白しているではないか、とでもいうつもりであろうか。その文書は、
副社長であったB氏によれば、税務調査の過程で妥協策の一環とし
て書かされたものであるという。

このような文書が、無実を叫びうらみを抱いて国税に抗議し自決
して果てたH社長の死を直視するとき、いかなる意味をもつという
のだろうか。それ以前に、客観的な状況に符合しない言葉がいかに
文書化されていようとも無意味であることは、私の刑事裁判のプロ
セスと結果に照らしても明らかだ。

私のケースでは、マルサと検察は、脅したりすかしたりして、私
を有罪にするために多くの人から虚偽の自白を引きだし、法廷の場
に検面調査として証拠提出したものの、厳然たる客観的な状況に違
背するものであったため、全てが法廷で排斥されるに至っている。
当然といえば当然であるものの、真実の前には、いかなる虚偽も色
あせてしまうのである。

以上、明らかにしたように、株式公開を予定している会社が、不
正な自社株の取得をもくろもうとするなど、およそ現実的ではない
し、仮にもくろんだとしても、監査と審査の眼を逃れることはでき
ないというべきである。

(次号へ続く)

―――――――――――――――◇―――――――――――――――

●姉妹誌「冤罪を創る人々 -国家暴力の現場から-」
http://www.mz-style.com/item/2
(週刊・無料)

日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士・税理士の闘いの
実録。税務調査、ガサ入れ、押収、取調べ、勾留、巨額税金の追徴、
刑事裁判…。マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。

―――――――――――――――◇―――――――――――――――

●株式会社フォレスト・コンサルタンツ Webサイト更新状況

■ [冤罪を創る人々vol.48]
┃ http://www.mz-style.com/item/232
┗ メールマガジン>「冤罪」41~60号 (2005-02-08)

■ [役人亡国論]
┃ http://www.mz-style.com/item/231
┗ 山根治blog>税務会計法務 (2005-02-08)

■ [前門の虎、後門の狼]
┃ http://www.mz-style.com/item/230
┗ 冤罪を創る人々>第四章 (2005-02-08)

■ [素人考え]
┃ http://www.mz-style.com/item/229
┗ 冤罪を創る人々>第四章 (2005-02-08)

■ [悪徳会計屋の経済事件ノートvol.10]
┃ http://www.mz-style.com/item/228
┗ メールマガジン>「悪徳」1~20号 (2005-02-03)

■ [ハニックス工業 事件の真相 11]
┃ http://www.mz-style.com/item/227
┗ 経済事件ノート>ハニックス工業事件 (2005-02-03)

―――――――――――――――◇―――――――――――――――

●株式会社フォレスト・コンサルタンツ Webサイト紹介

・冤罪を創る人々 http://consul.mz-style.com/catid/11

日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士・税理士の闘いの
実録。税務調査、ガサ入れ、押収、取調べ、勾留、巨額税金の追徴、
刑事裁判…。マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。

・山根治Blog http://consul.mz-style.com/catid/21

弊社主任コンサルタントの山根治が日々考えることを、気の向く
ままに書き綴っていきます。「冤罪を創る人々」や税務会計法務に
関することから、趣味(古代史、囲碁等)の分野まで幅広く取り扱
います。

・経済事件ノート http://consul.mz-style.com/catid/31

なぜ上場会社社長は国税局ロビーで壮絶なる自殺を選んだのか。
国税局OB税理士が納税者を食いものにする手口とは。税務署とマ
スコミから悪徳会計士の烙印を押された会計のプロが税金法律金融
事件の深層に迫る。

 

Loading