悪徳会計屋の経済事件ノートvol.9

2005年01月27日 第9号 発行部数:380部

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悪徳会計屋の経済事件ノート

なぜ上場会社社長は国税局ロビーで壮絶なる自殺を選んだのか。
国税局OB税理士が納税者を食いものにする手口とは。
税務署とマスコミから悪徳会計士の烙印を押された
会計のプロが税金法律金融事件の深層に迫る。

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山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
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●ハニックス工業事件の真相

「ハニックス工業 事件の真相 9」より続く
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(2) 表金(おもてがね)による取得のケース

自己株式について企業会計の側面から分析することとする。

自己株式は、企業会計的には、会社の資金で取得された自らの会
社の株式であるということができる。

会社の資金という場合、通常は正規の金銭出納帳を経由した資金
をいうのであるが、例外的に帳簿を経由しない場合もありうる。

便宜上、前者を表金(おもてがね)、後者を裏金(うらがね)と
呼ぶこととする。裏金は、正規の帳簿に計上しないものであるから、
商法上違法なものであり、税務上は、隠し金あるいは、『たまり』
といわれているものであり、通常脱税に関連しているものが多い。

従って、自己株式を、表金によって取得されたものと、裏金によっ
て取得されたものとの二つに分けて考える。

まず、表金によって取得された自己株式について。

ハニックス工業の店頭公開までの新株発行状況は、 ―

(一)昭和63年7月2日 20万株
(二)昭和63年7月20日 12万株
(三)昭和63年11月14日 3万株
(四)昭和63年12月16日 10万株
(五)平成元年12月4日 7万株
(六)平成元年12月4日 18万6千株(3割無償)
(七)平成2年4月24日 806万株(額面500円を50円に株式分割)

である。

一方、株式公開会社に義務づけられている財務諸表と連結財務諸
表の監査報告書は、次の4期について提出されている。それぞれ、
無限定適正意見が監査法人朝日新和会計社によって表明されている。

(一)第25期(自昭和63年12月21日、至平成元年12月20日)
(一)第26期(自平成元年12月21日、至平成2年12月20日)
(一)第27期(自平成2年12月21日、至平成3年12月20日)
(一)第28期(自平成3年12月21日、至平成4年12月20日)

まず、昭和63年7月2日から同年12月16日までの4回にわ
たる新株の発行は、会社の第24期におけるものである。

監査報告書は翌期の第25期以降についてのみ添付されているも
のの、第24期あるいはそれ以前の期間についても当然のことなが
ら監査がなされているはずである。

監査証明がなされている第25期期末、即ち平成元年12月20
日現在の会社の資本金は21億5千万円であり、この金額は、第24
期期末、即ち昭和63年12月20日現在の資本金と同額である。

つまり、第25期末の資本金の額が適法適正であると意見表明す
るためには、前期第24期になされた4回の増資について十分な監
査をする必要があり、実際になされているはずである。

株式公開を前提とする会計士監査において、資本金項目は重要な
監査項目の一つであり、調査省略などありえない。そのうえ、関連
会社とか海外の取引先を複雑に利用した押し込み売上げとか、架空
在庫などと異なり、資本金の勘定分析をして資金の出所を確認すれ
ばよく、監査の労力はさほどのものではない。

仮に、取得された自己株式が、正規の帳簿に計上されていず、簿
外資産として秘匿されていたとしても、資金の出所の根跡は出納帳
に残っているわけで、その跡を辿っていくことによって、容易に発
見できるはずである。

まして、日本を代表する監査法人の一つである朝日新和会計社が、
不正な自己株式の取得という、法改正前の会社法の根幹にかかわる
重大事項であり、同時に、証券取引法におけるディスクロージャー
の根幹にもかかわる重大事項を見逃すはずがない。

その上に、ハニックス工業の主幹事証券会社はこれまた日本を代
表する証券会社の一つである野村証券であり、店頭登録にあたって
は厳正な審査がなされているはずである。自己株式の取得など一寸
調べればすぐに分かるようなことが審査の網から漏れることなどお
よそ想定することができない。

(次号へ続く)

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