062 教壇に立つ検事

2.教壇に立つ検事

一、 「先生は現職検察官」 ― 新聞の社会面に、かなり大きな見出しで写真付きの記事が掲載された。

;;;quote;「K大(神戸市東灘区)の今年度後期講義「刑法各論」(3、4年生対象)の教壇に神戸地検の現職検察官が立っている。現時点で単位を伴う検察官による講義は異例という。学生からも「現場を踏んでいるだけに分かりやすい」と好評だ。 

 教えているのは同地検の梶山雅信総務部長(52)。大阪や広島で高検勤務の経験もあり、財政経済犯罪など刑事畑に精通している。

 梶山部長は「現場の実態が役立つのなら、喜んでいろんなお話をしたい」と話している(毎日新聞、平成15年11月18日付)。;;;;

二、 私の捏造冤罪事件に加担した検察官は、名前が表に出ているだけで22名にのぼる。

 「@梶山雅信@」もその一人であり、一生忘れることができない名前である。

 その梶山が広島高検から神戸地検に移り、しかも大学の教壇に立って、法律を教えているというのである。

 梶山雅信が何をしようと、私は敢えて異を唱えるつもりはない。

 ただ、前途有望な若い法学徒に対して、あまり現場の実態とやらを話さないほうがいいのではないか、あるいは、現場の実態を話す勇気があるのなら、せめて反面教師として話して欲しいものである。

 国家権力を背景に組織をあげて冤罪を捏造し、いかにして裁判官を騙して有罪にもっていくか、 ― このような梶山雅信自らが行なった犯罪的行為を、教壇で赤裸々に語ったら学生には大いにうけることであろうが、心ある純真な学徒は、そのような検察官に失望し、ひいては、法律を学ぶ意欲をも失いかねないであろう。

 それにしても、K大学の経営陣と教授会は大胆な人選をしたものである。

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