2004年5月

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空海と虫麻呂 -その3

 高橋虫麻呂は、山部赤人、山上憶良、大伴旅人らと共に、天平時代の歌人で、万葉集に長歌15首、短歌20首、旋頭歌1首、あわせて36首の歌を残しています。  女性のエロスを高らかに歌い上げ、色彩感豊かに言葉を紡いでいく手法は見事というほかありません。  私が291日の間いた独房という空間は、華やかな色のない、いわば単色の世界でした。白い壁、茶色の畳、ステンレスの流し台。色彩的には単調そのものでした。 […]

冤罪を創る人々vol.7

2004年05月04日 第7号 発行部数:208部 ◆◇――――――――――――――――――――――――――――◆  「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-     日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。     マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。 ◇◆――――――――――――――――――――――――――――◇  山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年 […]

017 強制調査 二日目 ― 平成5年9月29日(水)

****3)強制調査二日目 ― 平成5年9月29日(水) 一、 午前10時、松江税務署、取調べ室。すでに藤原孝行、新本修司の二名が待機している。  ポットに入れた野菜スープを持参。― 国税のお茶など飲めるか。 二、 私は、藤原と新本の二人に対して、厳重抗議を申し入れた。 ― 誘導尋問をやめろ。 ― 質問顛末書は、本人が話した通りに書け。デッチあげはやめろ。 ― 威圧的な言辞は慎め。 ― 余罪の追及 […]

空海と虫麻呂 -その2

 四六駢儷体は、四六文(しろくぶん)とも言い、広辞苑では、次のように説明されています ― ”漢文の一体。古文と相対するもの。漢魏に源を発し、六朝(りくちょう)から唐に流行。四字及び六字の句を基本として、対句を用いて口調を整え、文辞は華美で典故を繁用するのが特徴。奈良、平安時代の漢文は多くこの風によった。”  今から8年前、平成8年の今頃、私は、無実の罪を着せられて、松江刑務所の拘置監に閉じ込められ […]