山根治blog

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冤罪の構図 -6

 ここまで書いてきて私の脳裏によぎるのは、9年前に自ら命を絶った一人の秀れた政治家の姿です。  新井将敬(あらいしょうけい)。昭和23年1月12日、在日韓国人として大阪に生まれる。旧姓、朴景在。16歳のとき日本に帰化し、新井将敬を名乗る。東京大学経済学部を卒業し、キャリア官僚として大蔵省へ。故渡辺美智雄氏に見い出されて政界に進出、新保守主義のエースとして鳴らす。平成10年、捏造された株疑惑のさなか […]

冤罪の構図 -5

 ヤメ検の田中森一弁護士は、悪びれる風(ふう)もなく、自らが検事時代に行った『汚れた仕事』を堂々と公言しました。私を含めた冤罪事件の被害者が、声を大にして検察から受けたヒドイ仕打ちに対して非を鳴らすことはあっても、蛙の面(ツラ)になんとやら、非難の矢を向けられた検察当局はダンマリを決め込み、黙殺してきました。 田中氏は具体的な事例についての言及はしていませんが、 『重大事件ほど、最初に筋書きをつく […]

冤罪の構図 -4

 検察当局はかねてから田中森一弁護士にネライをつけ、何かあれば摘発しようと手ぐすねひいていた節があります。違法に押収した私の報告書に対して、中島行博検事が単なる興味以上の関心を示したのも、そのような背景があったからでしょうか。  『手形事件の顛末』と題したレポートは、A4版で18ページ。(資料1)から(資料20)までと、多くの証拠資料を付したものです。検事が作成するような、いいかげんな調書とは訳が […]

冤罪の構図 -3

 今から13年ほど前、私が冤罪で逮捕される2年前のことでした。ある名門の一族が暴力団にからまれ、警察が呼ばれる騒ぎになったのですが、民事不介入ということで表沙汰になることはありませんでした。騒動の原因は名門の当主が乱発した手形にあり、この数十枚の手形をめぐって、大阪と東京のヤクザが入り乱れて、ドタバタとなんとも賑やかなことでした。私は知人の依頼を受けて、乱発された手形の実態調査に乗り出しました。2 […]

冤罪の構図 -2

 『人は私を悪徳弁護士と呼ぶ』という標題をつけて、刑事被告人である一人の弁護士が、ある週刊誌に独占手記を公表しました(週刊現代、2007.5.25号、2007.6.1号)。  田中森一(たなかもりかず)氏、昭和18年6月8日生まれ、長崎県出身、63歳。岡山大学卒。昭和46年司法修習終了、その後東京地検、大阪地検等の検事を歴任し、昭和63年弁護士登録、いわゆるヤメ検の一人。  田中氏は、平成12年3 […]

冤罪の構図 -1

 ブログのコメント欄に、冤罪と闘っている方からの意見が寄せられました(コメントNO.1326、山下進弁護士を救う会、代表廣瀬直樹氏)。  冤罪(えんざい)。『無実の罪、ぬれぎぬ(広辞苑)』のことです。かつて冤罪といえば一般の人達とは無縁の世界のことと思われてきましたし、通常はあまり使われることのない言葉でした。ところが昨今、数々の冤罪事件が白日のもとに晒(さら)されるに至り、決して他人事ではなく、 […]

ホリエモンの弁解術 -10

 自称為替ディーラーのX氏が持ち込んできた、怪しげなビジネスモデルと、ホリエモン流のインチキ商法とはいくつかの点でよく似ています。  まず第一に、双方ともまともな収益の源泉が欠けていることです。どのような仕事であれ、キチンとした収益の源泉があるものでなければホンモノとは言えません。ともかくお金が自分と仲間内に入ってくればよいというのでは、どのようにもっともらしく理屈づけされていたとしても、空しいも […]

ホリエモンの弁解術 -9

 今から8年ほど前のことです。私は10ヶ月程の逮捕・勾留から解放されて二年余りが過ぎ、心身ともにようやく元の状態に復帰したところであり、3人の弁護士と共に、身にふりかかってきた冤罪をなんとしても雪(そそ)ごうとして必死になっていました。  世はITバブルで湧きかえり、IT長者と称するにわか成金が続出していました。私が住んでいる山陰の小都市、松江も例外ではありませんでした。  IT企業でもなんでもな […]

ホリエモンの弁解術 -8

 ライブドア(当時はオン・ザ・エッヂ)の上場に際してインチキ・スキーム(仕組み)を考え出し、実行に移した中心メンバーは、次の5人です。 堀江貴文(首謀者) 宮内亮治(税理士) 野口英昭(元証券マン) 中村長也(宮内氏の同級生) 小林元(公認会計士)  1.の堀江貴文氏を首謀者とするのは、インチキ・スキームによる不正な利益の大半がこの人物に帰属するようになっているからです。上場してから後も堀江氏は、 […]

ホリエモンの弁解術 -7

 第二の事実は、インチキの利益を計上するために使われた、3つのファンドが解散していることです。ライブドアに捜査の手が入る半年ほど前のことです。その間の事情について、田中慎一氏の言葉を引用いたします。 『我々監査人も、笹村氏(山根注、ライブドアの監査役で公認会計士)と時を同じくして宮内氏にファンドの解散を要求し、2005年6月21日は堀江氏、熊谷氏にも「これを守ってもらえなかったら、監査人を降ります […]

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