冤罪を創る人々

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053 盗聴とひっかけと尾行

****11) 盗聴とひっかけと尾行 一、 平成8年2月6日、午前10時45分から11時4分まで中村弁護士と面会。中村弁護士曰く、「自宅の奥さんの方に、野村証券から電話があり、“逮捕直前に山根から解約の申し入れがあった。300万円程どこに送金したらよいのか、銀行の口座番号を教えて欲しい”と言ってきた。自分にはよくわからないので、聞いてきてくれと言われた。」 山根:「現在はどこの証券会社とも取引して […]

052 日常業務の処理

****10) 日常業務の処理 一、 逮捕され拘置監に収容されたことは、公認会計士としての私に致命的な打撃を与えた。私は事務所の崩壊と会計士人生の終焉とを覚悟した。  しかし、自ら投げだしてしまうことだけはしたくなかった。力尽きるまでやってみて、後は運にまかせようと考えた。 二、 幸い、岐阜の高庭敏夫公認会計士が私の事務所を支援するために駆けつけてくれた。スタッフに動揺はあるものの、それぞれが自ら […]

051 検察側証拠開示

****9) 検察側証拠開示 一、 起訴がなされた後、検察側の証拠が順次開示されていった。開示された証拠資料を謄写するため、被告人弁護側はコピー機を3台フルに使い、4~5人で手分けして謄写作業を行った。   二、 検察側開示資料のコピーが弁護人によって次々と私の独房に差し入れられた、 ―  (1)平成8年4月22日差入、4月23日入房分、2人分の供述調書、6冊。  (2)同年4月23日差入、4月2 […]

050 起訴.

****8) 起訴 一、 平成8年3月7日。私の獄中ノートから引用する、 ― 「今日、法人税法違反で起訴されるだろう。ここからいつ出ることができるか。そろそろ身体が限界だ。義歯が昨日はずれた。片方でしか食べられなくなった。」   「一体、どのような形で起訴するのだろうか。事務所のことはどうしたらいいか。でも、しようのないことだ。ゼロ、いやマイナスからの出発ということか。どのように乗り切っていくか。 […]

049 本件逮捕

  ****7) 本件逮捕 一、 平成8年2月16日、午前8時半ごろ、一番に風呂に入らされた。この日、検察庁に行く予定という。  午前9時半、松江地検に連行され、本件の法人税法違反容疑で再逮捕される。  午前10時9分、被疑者弁解書なるものを作成。  「全て検察の捏造であり、いいがかりである。当然、無罪である。」と申し向け、署名指印。 二、 「君達は、こんなごまかしをよくやるね。検事としての誇りが […]

048 マスコミ報道の実態

  ****6) マスコミ報道の実態 一、 平成8年1月26日の逮捕を待っていたかのように、マスコミ各社は、全国版で、検察当局が捏造した犯罪を、あたかも確定した事実であるかのように一斉に報道した。 二、 大半のマスコミが、検察側の発表もしくはリークにもとづいて報道しており、マスコミ独自の判断を放棄した検察側情報のタレ流しに終止した。 三、 マスコミによってなされた荒唐無稽な報道の極めつけは、私が脱 […]

047 捏造された勾留理由

  ****5) 捏造された勾留理由 一、 売買が仮装ではなく、真実のものであるとあらゆる面から完全に証明された現在、検察が私の保釈を認めてはいけない理由とした挙げた数々の事柄が、いかに想像を絶する捏造であったか明らかになった。  今の時点で、7回前後行った保釈請求と保釈に反対する検察の意見書等を改めて読み返してみると、私を保釈させない為に、嘘に嘘を重ね、裁判官をなんとかして騙そうとしている検察官 […]

046 拘置理由開示の裁判

****4) 拘置理由開示の裁判 一、 平成8年2月2日、起きて窓外に目をやると、雪が降っていた。この日は、午後拘置理由開示の裁判が予定されていた。  いつもより早く、戸外運動場に連れ出され、粉雪の舞う中で、30分程、大きな声でエイッ、エイッとかけ声をかけながら、天突き体操、舟こぎ体操をした後、ジョッキングをする。    8m四方の運動場は高さ2m位のコンクリート壁に囲まれており、小分けにしたいく […]

045 勾留請求の裁判

****3) 勾留請求の裁判 一、 平成8年1月27日、逮捕された翌日の午後7時頃、私は手錠・腰縄つきでワゴン車に乗せられ、松江刑務所拘置監から松江地方裁判所へ移送された。勾留請求の裁判のためである。裁判所に着いたのは午後7時半であった。 二、 中村弁護人が面会にきてくれた。  昨日聞いた2人(私を含めると3人)に加えて、昨日の夕方、組合の増田常務も逮捕されたことを知る。私に全幅の信頼を置いてくれ […]

044 逮捕当日 ― 別件逮捕 ―

****2) 逮捕当日 ― 別件逮捕 ― 一、 平成8年1月26日、朝6時50分、自宅のチャイムが鳴った。私は寝ているところを起された。  中島行博検事が、逮捕状を携えてやってきた。副検事と事務官を従えている。  窓の外には、7人位の連中が、家宅捜索のために待機していた。 二、 三人が応接間に入ってきた。中島検事は、私に逮捕状を呈示して、次のように言った、 ― 「近所の手前もあるだろうから、逮捕は […]

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