前代未聞の猿芝居-②

この脱税裁判の異様性は、国税当局と検察当局が、事前に綿密な連絡をとり合って証拠をデッチ上げていることだ。しかも、デッチ上げられた証拠が、法廷証拠として堂々と提出されている。
検面調書(検察官面前作成調書)をはじめ、査察官による質問てん末書が、いかにして捏造されたのか、調書作成経緯にかかる、査察官をはじめとする関係者の声が生々しく残っている。検察官も査察官も、大胆不敵な犯罪者だ。

何よりも注目すべきは、法廷提出証拠のトップに掲げられている「脱税額計算書」とする一連の証拠だ。この「脱税額計算書」は、証拠等関係カード甲(No.1)の、はじめに掲げられた番号(1)の告発書に次ぐ番号(2)、(3)及び(7)~(17)に掲げられている。犯則(脱税)事実を立証する最重要証拠だ。以下の通りである。

「証拠等関係カード甲(No.1)」

(番号)  (標目、供述者、作成年月日)    (立証趣旨)

(1) (告発、(財)島村仁士、30.12.17)(告発の事実、端緒等)
(2) (課税額計算書、(財)島村仁士、30.12.17)(平成28年1月期ほ脱税額等の特定)
(3) (課税額計算書、(財)島村仁士、30.12.17)(平成29年1月期ほ脱税額等の特定)
(7) (報、(事)上原修一、31.1.15)(ほ脱所得額算定の内訳等)
(8) (売上高調査書、(財)島村仁士、30.12.14)(売上高の特定等)
(9) (材料仕入高調査書、(財)島村仁士、30.12.14)(仕入高の特定等)
(10) (雑損失調査書、(財)島村仁士、30.12.14)(雑損失の特定等)
(11) (事業税等認定損調査書、(財)島村仁士、30.12.14)(事業税等認定損の特定等)
(12) (寄附金の損金不損入額調査書、(財)島村仁士、30.12.14)(寄附金の損金不損入額の特定等)
(13) (欠損金又は災害損失金等の当期控除額調査書、(財)島村仁士、30.12.14)(欠損金又は災害損失金等の当期控除額の特定等)
(14) (申告欠損金調査書、(財)島村仁士、30.12.14)(申告欠損金の特定等)
(15) (その他所得より調査書、(財)島村仁士、30.12.14)(その他所得よりの特定等)
(16) (所得税額等及び欠損金の繰戻しによる還付金額等調査書、(財)島村仁士、30.12.14)(所得税額等及び欠損金の繰戻しによる還付金額等の特定等)
(17) (犯則所得へ調査書、(財)島村仁士、30.12.14)(犯則所得への特定等)

上記「証拠等関係カード」は、刑事法廷に提出された書証目録の役割を果たしている。その中で、刑事法廷に提出された「標目」の次に記されているのが「供述者」だ。番号(7)を除く残りの12の書面の「供述者」は全て、(財)島村仁士となっている。この人物の肩書は、広島国税局財務事務官、職務は広島国税局査察第4部門の査察官(主査)だ。
査察官島村仁士は、本件の告発を行った人物である。番号(1)に告発を行った人物として島村仁士の名前が記されている。「告発書」自体は、「証拠等関係カード」の後に添付されている。
査察官島村仁士が作成した、番号(2)の「課税額計算書」以下12の書面は、「告発書」同様に、「証拠等関係カード」の後に添付されている。

この「証拠等関係カード」の冒頭部分に掲げられた(2)(3)、(7)~(17)の証拠(書証)こそ、査察と検察が捏造した証拠の最たるものだ。
何故か?(立証趣旨)の欄と添付されているそれぞれの書類にその理由が歴然と記されている。

(この項つづく)

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