017 証明プロセス5『現金の流れから手持ち現金を逆算算出する』
- 2016.11.01
- 山根治blog
***八、証明プロセス5『現金の流れから手持ち現金を逆算算出する』
****一、プロセス5の1『手持ち現金はやはり存在したー個人口座を抜かすというトリックがあった』
結果表である表10-1を見てください。プロセス3とプロセス4に証明が進むにつれて返済不能の月は著しく減少しました。当局が返済を日計表上からしか計算していなかったことによって、明らかに顧客への返済が漏れていることが判明したのですから、59年3月以降については返済能力がないようになっていたとしても当然でしょう。
ところが、59年3月と4月はそれでも返済能力があります。それは、私の個人資産や合算10社の利益分があるからです。59年3月以降は別にして、58年2月、3月、4月、7月、8月、10月、11月の7ヶ月だけは、返済能力がないかのようにD欄の数字上はなっています。現実には返済能力が100%あったのですから、何かが抜けているに違いありません。バランスシートを精読し続けましたが、最初はわかりませんでした。当局が負債扱いにして隠した資産分やその他の資産を組み入れないことには、やはりだめなのかとあきらめかけていました。
私には反証し、反論するチャンスは最終弁論の場しか残されていません。反証・反論する際には、裁判長がいつも言われる、「全ての人が当然納得する」ものによって証明せねばなりません。バランスシート上単に資産扱いとなるからというだけでは、いま一つ説得力に欠けるのです。
*****一、経理資料の開示の遅れ
本件公判は、論告求刑を終えてから経理資料を開示するというやり方であったため、経理資料を見ての私の反論はなされないまま終わりました。すなわち、論告求刑は私の計数的反論を聞かずになされたものであったわけです。経理資料の開示の遅れが故意になされたものであったのかどうかはわかりませんが、私自身納得することができないものです。しかしそうなってしまっている以上、私は最終意見陳述の場一本で客観的、計数的、論理的に私の公判での供述の正しさを証明せねばなりません。
断崖絶壁に立たされた気分でした。私は、ため息をつきながら絶壁に立っている自分にとって証明のチャンスがないのを嘆きました。
しかし今となっては、6月8日の公判における最終意見一発で真相を証明するしかないのが現実でした。検察はとぼけて資料を出してくれません。私は提出された不完全な資料によって証明するしかありませんでした。数字を見続けました。
58年1月に36億円もあった資産が、2月には約31億円に減っている。ところが、顧客からの預り金は30億円から33億円へと3億円も増えている。合計で8億円もの金が行方不明になっているのです。これはあり得ないことなのです。
「トリックがまだ隠されている」と私は考えました。しかしすぐにはわかりませんでした。ある日の早朝、般若心経を唱えていた時、私の中にある疑問が突如としてわきあがりました。私は般若心経の唱和をやめ、バランスシートにとびつきました。そして発見したのです。
*****二、32億円の赤字の正体
当局はバランスシートにインチキを施す前に、損益計算書で92億円もの赤字であるというインチキをやっていたことは各論の4,で証明し計数的に論破いたしました。92億円もの赤字は実際にはなかったのに92億円の赤字であるとした以上、損益計算書とバランスシートの相関関係からいって、必ずどこかから92億円が入ってきた形とならねばなりません。彼らはそれを顧客からの預り金を私が使ってしまったと捏造したいわけですが、果たしてそれでバランスが合うのでしょうか。合うはずがありません。92億円の赤字の内、成功報酬が60億円ですから、これを振り替えて差し引けば赤字は32億円となります。60億円の成功報酬分を振り替えした場合にはグループの収入が増える一方で負債額がその分減るわけですから赤字額が32億円に縮小されるのです。
赤字の32億円はもともと赤字ではないものを赤字としているのですから、どこから入ってきたのかはっきりしない負債入金があるはずなのです。そうでなければバランスは合わないことになります。
樽見ノートでは彼らは大チョンボをやり、自分で自分の首を絞めました。彼らが資料作成において改竄によるインチキをしていたことを、最もわかりやすく裁判長にわからせることになったのです。そして、自らの大チョンボを覆い隠すために、さり気なく不明有価証券という科目を設け約50億円もごまかしたのです。調書にも報告書の結論にもこの不明有価証券について一言もふれていないことは、これが彼らの悪意によるごまかしである何よりの証拠です。普通であれば約50億円もの不明の株券があれば、それは何であるか追求すべきであります。その裏付けを取るのが取り調べのはずです。ところが彼らは一言もふれていない。それは彼ら自身がイカサマをしていることをよく知っていたからでしょう。
*****三、創り出された赤字
以上のようなことがありましたので、フィクションとして創り出した赤字も同じようにしてごまかしているにちがいないと考えました。樽見ノートでの間違いは誤解から生じたフィクションであり、それを覆い隠すために不明有価証券という怪しげな科目を設けたわけです。今回私が気付いた営業損益の偽りの赤字は故意に創作したものであり、同じように何らかの形でバランスシート上ごまかしていると気付いたのです。
バランスシートを追っていきました。ありました。一番後ろに、あたかもそれが負債や資産でなく、資本であるかのように、ごまかした位置にありました。
59年8月末現在で、その金額は40億1734万7038円もありました。しかも貸方残高としてです。これは、どこかから40億1734万7038円借りていることを意味します。そして、その科目は不明科目勘定となっていました。
成功報酬分の60億円を差し引いた32億円という赤字のフィクションをつくるためには、その32億円を埋める借り入れを作らねばなりません。彼らはここでも、大ペテンをやったのです。しかも頭脳程度の低いインチキです。私は思わず大笑いしました。余りにもお粗末なトリックであったからです。しかし、よくまぁ、彼らはこれで裁判が通ると思ったものです。明らかに法廷への挑戦をしてきているのです。
私は刑事的責任を終えたなら、いつの日かこの検察のインチキを本にして発行することを心に決めました。そもそも存在しない赤字を損益計算書において創作し、その赤字を埋めるキャッシュの出所がないため、バランスシートにおいて不明科目により適当に合わせたのです。まさに、樽見ノートと同じようにフィクションのためのフィクションをやったのです。
私は次に、57年4月のバランスシートを見ました。何と、不明科目での負債扱いの入金が1億6493万9215円あるじゃないですか。不明科目の入金というのは私からの入金しかあり得ないのです。私からの入金でなければ、フィクションによる入金です。あたかもそれは、樽見ノートの不明有価証券の如くです。各論の1,で詳しく説明したところです。57年3月末の私の資産能力は、ここでも証明されたわけです。「全ての現象数字は真理に収束する」のです。
「バランスシート上、57年4月に約1億6千万円、57年5月には何と、2億4千万円も私からグループへ入っているではないか」と、私は思いました。ところが、「待てよ。私との金銭の貸し借りについては1円の金までキチッと管理されていたはずなのになぜだろう」と、今度は新たな疑問が生じました。しかしこの疑問を解くのに多くの時間はかかりませんでした。
182の6-2の公表資料科目内容および修正事項一覧表の不明勘定科目をよくご覧になってください。簿外に存在したキャッシュをバランスシートに組み込む時、簿外分の反対科目として計上しているのです。あとは不突合分として適当につじつまを合わせるための科目に使ったわけです。
検察のインチキなやり方は十分にわかってもらえたと思いますので、ここではこの不明科目が表わす重大な意味を説明いたします。私はこの科目を見て全ての謎が解けたのでした。私も限定思考をさせられていたのです。
私は株券の流れを追うことによって、手持ち株の存在を計数的に証明し、その金額を逆算しました。ところが、金の流れは追いませんでした。ふつう、単純に考えますと、次はキャッシュと考えるのが当然です。しかし、私はもう一歩深く考えたのです。これは実体験からくる考えなのですが、株券は何十億円分でも手持ちで持てるのです。しかし、キャッシュは持てて5億円です。一度だけ受け渡しがキャッシュで10億円くらいあったことがありましたが、フウフウでした。そこで私は、手持ちキャッシュはほとんど銀行へ入れますので、当座とか普通通知のような預金の欄に計上されているものと思い込んでいました。ところが違うことに気付いたのです。10社だけでなく、10社プラス中江分を合算したわけですから、金を借りずに私が株を買っていたとすれば、その金の出所がバランスシート上合わなくなるはずなのです。
簡単に申しますと、私が北海道のA証券で日立の株を100万株買っていたとします。1株1000円として10億円です。さて、この口座をたまたま当局が見つけ、合算10社の計算に組み込んだとします。日立が100万株あることになりバランスシートの借方に載ります。しかし、この日立の買付代金の10億円はどうなるのでしょうか。本来なら、中江からの借り入れとしてあげねばなりませんが、彼らは中江に個人資産があっては困りますので中江からの借り入れとはせず処理していたのです。すると、中江からの入金は全て不明として入金されていくことになるのです。
では、逆に中江が日立を売ったらどうでしょうか。10億円のキャッシュを中江は手に持っているのです。証券会社の口座か、銀行口座か、あるいは中江自身が手に持つか、その方法はともかくとして、何らかの形で10億円分のキャッシュを個人的に手持ちしていたはずです。現実には、手に持つことができるのは3~4億円がリミットです。これは経験してみればわかりますが、株券は何十億円持っても精神的にも物理的にも平気ですが、キャッシュは3~4億円持つと精神的にも物理的にも疲れるものなのです。これは不思議なことです。私は正直、キャッシュを手に持つのは上限があると思い、キャッシュの流れを追わなかったのです。
ところが、今わかったように、当局は私の取引を後から合算していますので、キャッシュはバランスシート上の銀行口座以外の銀行口座に入っているという可能性がでてきたわけです。今まではキャッシュの流れを追ったとしてもしょせん3~4億円が手持ちのリミットでありさほどの影響はないものと考えて追わなかったわけですが、これで追う必要がでてきたのです。私はキャッシュの流れを追うことによって必ずやこの58年2月、3月、4月、7月、8月、10月、11月の歯抜けのようになっている返済不能とされている月も、返済能力ありとなるものと確信しました。そしてもう一点、59年の3月以降における預り金の返済漏れを証明する数字も出てくると考えました。そして計算をすすめました。合理的な数字を示すことができれば、検察の恥知らずの能書を崩すことができると確信しました。
さて、それでは手持ち現金をキャッシュの流れを追うことにより逆算し算出していくことにします。手持ち株を検察のいう現資産に加えるだけで、57年4月~58年1月までは十分に返済能力は証明されています(表10-1、C欄)。57年12月までで仮にキャッシュが足りなかったとしたらそれは私が補填しているわけであり、もし余っていたとしても、それはグループの返済能力の証明に有利になるだけのことです。
よって58年1月からのキャッシュの流れを追うだけといたします。57年12月までのキャッシュの動きを無視したとしても58年2月以降の返済能力を判定する上で検察側にとって何ら不利になることはないということです。最終意見陳述の6月8日まで時間もありませんので省略したということです。 キャッシュの流れを追及するには膨大な計算と時間を要するのです。
****二、プロセス5の2『キャッシュの流れ 総論』
*****・6つのキャッシュの流れ
それでは、具体的にキャッシュの流れをバランスシートと損益計算書その他当局の出してきた資料を使って考えていき、手持ち現金もしくは中江の個人口座に存在すると計数的に逆算しうる現金を計算して、本項の返済能力の証明といたします。
キャッシュの流れは、大きく分けて6つの流れに分けられます。
まず第一が、営業損益におけるキャッシュの流れです。顧問料収入等返済する義務のない売上収入金が入ってきて、それが経費として支出されていくキャッシュの流れのことです。営業損益と呼ぶこととします。ただし、株の受け渡し関係は別とします。
二番目は、負債としての入金です。負債として返済しなければならないが、キャッシュとしては入金というものです。例えば、借入金がこれに入ります。負債入金と呼びます。ただし、株関係と銀行関係さらに中江分は別とします。
三番目は、二番目の逆で、資産となるがキャッシュとしては出金となるものです。例えば、貸付金や土地建物の取得資金がこれにあたります。資産出金と呼びます。これも株関係と銀行関係さらに中江分は除きます。
四番目は、一、二、三番で除いた株関係のキャッシュの流れです。株関係と呼びます。
五番目は、一、二、三、四番でキャッシュが動いた後の銀行預金残と証券会社の保証金残がどう変化したかによるキャッシュの流れです。銀行残関係と呼びます。これによって手持ちのキャッシュがでてくるわけです。ここでいう手持ちのキャッシュとは、実際に手で持っているキャッシュ、または抜けている中江個人の銀行・証券口座でのキャッシュということです。
六番目は、未収金や未払金等実際にはキャッシュが動いていない分の修正です。現金修正と呼ぶことにします。
****三、プロセス5の3『営業損益におけるキャッシュの流れ』
以下、具体的に一つ一つキャッシュの流れを追っていくこととします。まず182の資料八-三の収入集計表より営業収入を算出します。№2の合計欄より有価証券売却益を差し引けばでてきます。この有価証券売却益は株関係のところで考えます。次に成功報酬分をプラスします。これによって営業収入の正確な数字がでてきます。表11-1の営業損益表の①の欄にその数字を記入いたしました。算式① 営業収入=総収入-有価証券売却金+成功報酬 次に営業支出ですが、これは182の資料八-(四)にそのまとめがでていますのでこれを使いました。一般管理費等集計表のことです。ただ、ここには親金融への支払利息割引料と有価証券売却損が含まれています。この2つは株関係のところで考えることにしますので、この支出から引きます。すなわち、一般管理費等集計表の合計の欄の数字から、有価証券売却損と親金融への支払利息を引くことにします。
ここで注意すべき点は、支払利息割引料のうち株の受け渡し関係の金利、すなわち親金融への金利だけを引くということです。親金融へ支払った金利は182の資料六-(二〇)にでていますのでこの数字を使いました。
すなわち、算式② 営業支出=支出合計-有価証券売却損-親金融への支払金利ということになります。これを表11-1の営業損益表の②の欄に記載しました。
算式①の営業収入から算式②の営業支出を差し引きますと営業損益におけるキャッシュの流れがわかります。すなわち、プラスならその金額分キャッシュは余るわけであり、マイナスならマイナス金額分キャッシュが足りないということです。むろんこれは営業損益すなわち主に顧問料収入(いわゆるレッド)からみてのキャッシュの流れということになります。その数字を表には➂として記載しました。以上により、レッドでのキャッシュが残ったか足りなかったかが出てきました。
****四、プロセス5の4『負債入金によるキャッシュの流れ』
次にバランスシート上の負債欄を見てキャッシュの流れを考えてみます。負債があるということはキャッシュがそれだけ入ってきたということです。代表的なものに顧客からの預り保証金があります。借入金もそうです。バランスシート上では負債となりキャッシュが入ってくるわけです。そういった負債扱いの(返済しなければならない)金の入出金状況を算出しようというのがこの項のねらいです。
*****⒈ 預り保証金④
まず、顧客からの預りである返戻保証金があります。バランスシート上では預り保証金として記載されております。182の資料六-(七)に預り保証金の各月の動きが出ています。各月の預り現金から各月の返戻現金を差し引きますと各月の現金での入金がわかります。ただ、この返戻金の中には成功報酬分が入っていませんので、さらに成功報酬分を各月の返戻現金として差し引かねばなりません。キャッシュの流れを調べる上においては、成功報酬をレッドとしての顧問料入金として営業収入に加えましたので、負債(すなわちグリーン)の預り金から成功報酬分を差し引くのです。182の資料六-(二一)から成功報酬の金額はわかります。
すなわち、算式③ 預り保証金の入金=各月の預り現金-各月の返戻現金-各月の成功報酬 これを表11-2の負債入金表の④の欄に表わしました。バランスシート上は預り保証金という科目になっている負債です。いわゆるグリーンのキャッシュの純増額あるいは純減額のことです。
*****⒉ 短期借入金➄
負債入金で大きなものに短期借入金があります。バランスシート上に各月の変化が記載されています。ただしこれは銀行からの分も入っていますし親金融とか中江からの分も入っています。表8の結果表において、B、C、Dそれぞれの欄の現資産は銀行と親金融からの借り入れをすでに差し引いた数字となっています。すなわち、バランスシート上の短期借入金から銀行と親金融からの借り入れ分を差し引いています。キャッシュの流れを考える時、銀行からの借り入れは銀行関係のところで考え、親金融からの借り入れは株関係のところで考えるためです。
もう一点、中江との貸し借りはすべて除かねばなりませんのでこれも差し引きます。182の資料八-(五)の借入金の欄を参考にして各月の銀行と貸金業者からの借り入れを算出します。中江からの借入金については182の資料九-№2により算出し差し引くことにします。算式は次のようになります。算式④ 借入金収入=短期借入金-銀行からの借入金-親金融からの借入金-中江からの借入金 表11-2の負債入金表の⑤の欄に記入しました。別項でもすでに述べましたが、短期借入金と手形借入金は当局が修正した時、手形借入金の4億1802万461円分が短期借入金とダブって組み入れられています。
手形だけでの借り入れということはありませんし、株を担保に借り入れする時には資金業者によっては保証手形を求められることがありました。当社の経理ではそれを手形借入金として処理していたのです。ところが、当局は株券と手形との二重の借り入れと見做し、簿外になっている株券担保での借り入れとして誤って追加したのです。よって、手形借入金は短期借入金とダブっているものとして処理計算いたしました。
*****⒊その他の負債入金(12科目負債入金)⑥
支払手形・買掛金・未払金は現金修正のところで扱います。短期借入金と手形借入金はすでに算式④で組み入れました。預り保証金代用はここではキャッシュの流れを追っていますので関係ありません。預り有価証券も同様に関係ありません。振替顧問料は成功報酬ですのですでに考えに入れました。
とすると、負債のところで残る科目は12科目ということになります。バランスシートの順番に書きますと、前受金、仮受金、預り金、従業員預り金、端額預り金、預り資産、前受収益、従業員積立金、預り金雇用保険、顧客預り金、電話準備金、源泉税仮受金、これら12科目の負債入金をバランスシートから月別に算出したのが表11-2の負債入金表の⑥の欄です。
以上、⒈~⒊をまとめますと、負債入金の合計は次のようになります。算式➄ 負債入金の合計=預り保証金の入金(算式③)+借入金収入(算式④)+その他の負債入金の合計(⒊) この数値は銀行とか親金融とか中江からの借入れ入金を除いたところで実際にキャッシュが入ってきた合計金額ということになります。表11-2の負債入金表の⑦の欄に記入しました。
****五、プロセス5の5『資産出金におけるキャッシュの流れ』
次にバランスシート上では資産扱いとなって残るもののキャッシュは出て行くものについて考えることにします。
*****⒈ 貸付金、別途貸付金、手形貸付金
中江分を引いた貸付金を計算しました。中江分を差し引くことにつきましては当局が中江の株式売買の一部と金利を組み込んでいるからです。算式は、
です。表11-3の⑧欄に記入しました。
*****⒉ 貸出金、その他貸付金、事業主貸付金
貸付金は証券担保ローンです。その他の貸付金や事業主貸付金はグループ内への貸付金です。この3つの貸付金を各月別に合計しました。表11-3の資産出金表に⑨として算出数字を記入しました。算式は単純にこの3科目の各月をプラスしただけです。
*****⒊ 仮払金
仮払金も182の資料九-№2をもとに中江分を差し引いて計算しました。
算式は、
です。表11-3の⑩欄に記入しました。
*****⒋ 保証金、敷金
バランスシート上の数字と現資産集計表[資料八-(五)]の数字とは必ずしも一致しませんので、ここでも疑わしきは検察に有利にと考えて少ない方の数字である現資産集計表の数字を使いました。結果は表11-3の⑪欄に記入しました。
私はここまで作成してきてまたまた大きな新事実を発見したのです。ますます、余裕をもって返済能力を計数的に証明できるようになりました。
*****⒌ その他の資産出金(21科目の資産)
この項目は、全体としてそれほど大きな数字にはなりませんが一応計算することにしました。細かい金額の科目がたくさんあるだけのことです。誤解があるといけませんので省いた科目について一応解説しておきます。
バランスシートを見てください。資産のところです。現金、現金Ⅱ、小口現金、この3科目については考える必要がないことは説明するまでもないと思います。今まさに、この現金3科目が信用に足るものではないことから逆算しているからです。
57年4月~58年1月まで、これらの現金科目がマイナスというバカげた資料を当局は作成してしゃあしゃあと能書きを言ってきたわけであり、丹波検事も論告をやって平然としているのです。丹波検事は、要はバランスシートの見方を知らなかったということです。バランスシートさえ見ることができない人間が起訴をし論告をしているのです。日本の検察とは一体何なのでしょうか。
次に現金差異。これも考える必要はありません。当座預金、普通預金、郵便振替、通知預金、定期積立金、定期預金、信用保証金(次ページ真中あたり)、これらの科目は銀行関係のところで考えます。受取手形、売掛金、未収入金、源泉税未収金(次ページ真中あたり)は現金修正のところで考えます。有価証券、差入(保管)証、不明有価証券、信用保証金代用(次ページ真中あたり)は株券のことですので、株関係のところで考えます。貸出金は⒉貸付金は⒈手形貸付金は⒈別途貸付金も⒈その他貸付金も⒉ですでに計算しました。
①商品、②前渡金、③給与前渡金、④別途前渡金、⑤立替金、⑥前払費用、⑦報奨金、⑧土地、⑨建物、⑩建物付属設備、⑪車両運搬具、⑫工具器具備品、⑬電話加入権、⑭投資有価証券、⑮出資金、⑯保険積立金、⑰創業費、⑱繰延資産、⑲機械装置、⑳その他固定資産、㉑その他流動資産。以上21科目の各月の合計金額をその他の資産出金としました。残りの仮払金は⒊で事業主貸は⒉ですでに計算しています。支店本店勘定はカットしました。保証金は⒋で敷金も⒋で計算しています。権利金は動きがありません。危険準備金、ラック預金はカットしました。売買差引金は信用取引の損益ですので株関係のところで考えました。預金差異は現金修正において考えます。
以上により、資産出金として上記の①~㉑までの21科目が残りましたのでこの21科目をひとまとめにしてその他の資産出金として、表(三)の⑫欄に記載しました。
算式は、21科目を単純に各月分プラスしただけです。
*****⒍ 資産出金計
以上の⒈~⒌を集計しますと資産出金額となります。
すなわち、資産科目の中から株関係とか銀行関係とか現金修正に入る科目以外のものを全て合計したものです。これにより、資産としてキャッシュが出ていった金額が各月別に出てくるわけです。表11-3の資産出金表の⑬欄がその算出数字です。資産出金計として載せました。
****六、プロセス5の6『株関係のキャッシュの流れ』
営業損益と負債入金と資産出金はすでに考えました。
とすれば、株関係と銀行関係以外のキャッシュの流れがわかるということです。
当グループのキャッシュの流れは決してこれだけではありませんでした。株の受け渡しという大きなキャッシュの流れがあったのです。私の個人の株取引口座も合算したため全体のキャッシュの流れをつかむためにはこの株関係のキャッシュは大切な要素です。
それでは、株関係のキャッシュの流れを算出します。この株関係だけは57年4月~57年12月までの算出分も加えました。
*****⒈ 証券会社の受け渡し代金
これは証券会社での株の受け渡しのために必要なキャッシュです。つまり売代金の方が買代金に比べて多い場合に余ったキャッシュということです。算式は簡単です。第3回準備手続調書資料六-四№2の数字から、
を算出すればよいわけです。
*****⒉ 親金融への支払金利
資料六-二〇より、親金融へ支払った利息を算出いたしました。利息が天引きされていることを深く認識しておいてください。すなわち、金利が会社から出金されているのではなく、親金融の借入金の中から金利分が天引きで差し引かれて差し引き後の金額を渡されているということです。だからこそ割引利息というのです。この点をはっきりと覚えておいてください。大切な事です。会社の経理から「はい、金利分です」と言ってキャッシュは出ていないということです。それをあたかも、会社の経理から出ていたかのように錯覚して経理解明をしていったのが当局のやり方です。
例えば、私の個人の口座での売買の金利はキャッシュとして私が支払っているのです。会社からその資金を出してもらってはいないのです。当局はその金利を損益計算に合算してしまったのですから、その金利の出所がわからないのです。それは、私の口座で差し引かれた金利であり私が支払っているのです。それなのに、当局はそのキャッシュの出所を追及していないのです。それでいて、中江との公表帳簿上での貸借のみを主張し、私が約17億円も会社から借りていると叫んでいるのです。お粗末としかいいようがありません。これについては別項で詳しく解説いたします。
表11-4の⑮欄では、資料六-二〇より計算した各月の親金融への利息(私の個人分も含めた金額)を記載しました。
*****⒊ 親金融からの借入金
同じく資料六-二〇より月別の親金融からの借入金を算出し、表11-4の⑯欄にその数字を記入しました。受け渡しに使ったりするために私共の手にもらえるのは⑯-⑮の金額ということです。これが割り引き利息の意味するところです。
*****⒋ 信用取引の損益
信用取引の損益については、当局が2億5059万3000円も間違えていたことは当局自ら認めているところです。当局は単にケタ違いをしたと弁解していますが、故意にやったことは明らかです。現物取引で損をしているように計算してニセの資料を作り、いかにも株で大損していたかのように主張するのは都合が悪いので、こういった信用取引をつかってインチキをしたわけです。それでもまだ1939万2456円のプラスになったので、信用取引における手数料について、現引き分と渡し株分とを二重に計上するというトリックをやったのです。さもしい人間達です。プライドのかけらもない司法官達です。
算式は、
ということになります。
種二とは現引きを表わし、種三とは渡し株を表わしています。この合計経費が二重になっているということです。現物取引においても引かれているのです。
この二重になった分を差し引いて計算し直した信用取引の損益は、合計で利益の1939万2456円となります。各月の損益を算出し表11-4の⑰欄に記載しました。
*****⒌ 株関係計
株関係のキャッシュの流れを追っていくことによって、キャッシュの過不足を考えました。算式は、
です。
この数値がプラスであればその金額分のキャッシュが余ったわけであり、マイナスであればその金額分足りないことになるわけです。表11-4の株関係表の⑱欄に記載しました。累計でマイナスの17億8147万286円となります。この約17億円というマイナスの金額を見てハッと思っていただけたなら、事件をよく理解していただいているということです。そうです。この約17億円と同金額が中江へ貸し付けられていたのです。投資ジャーナルが私に対して貸し付けたことになっている分は私が親金融から同金額を受けとり株の取引のために使った金額である旨、私は公判廷で供述しています。このような計算をする前のことです。ここでも私の供述の正しさが証明されました。中江への貸付金を、中江はベットレーとかパラオ等に使ったという検察側の主張は、またまた客観的、計数的に崩れたのです。数字は正直です。真相はすべて数字が語ってくれるのです。と同時に数字が明らかとなるに従って、検面調書の信用性はますますなくなっていくわけです。もはや、検面調書には信用のかけらもなくなりました。
****七、プロセス5の7『銀行関係及び信用取引保証金のキャッシュの流れ』
損益計算と負債入金によって入金を知り、資産出金によって出金を知り、株関係によって株関係のキャッシュの入出金を知りました。
さて、これら4つの要因でキャッシュが動いたあと、そのキャッシュがどこへ行きどのような形で残っているのかを考えてみます。キャッシュが足りない時はどこから出ているのかということです。
銀行や信用取引口座の保証金の前月の残から取り崩して、足りないキャッシュを埋めているということがあります。あるいは私からのキャッシュで穴埋めをしているということです。それしかありえないわけです。先ほども申しましたように、中江から会社へ貸し付け金という形で入ったのではありません。中江の取引分を当局が勝手に合算したから入ってきたのです。
さて、それでは銀行関係と証券会社の信用取引の保証金残を見ていくことにします。
*****⒈ 銀行からの借り入れ
負債入金のところで短期借入金の中から銀行からの分を除きましたので、ここで考えることにします。銀行からの借り入れは資料六-一八に出ています。月別の借り入れ金の増減を書きました。プラスの月は銀行から借りたわけであり、入金ということです。マイナスの月は銀行へ返済したわけであり、出金です。表11-5の銀行関係表の⑲欄が銀行からの借り入れの増減です。
*****⒉ 銀行預金増減
資料六-三によって銀行預金の増減を各月別に算出しました。営業損益、負債入金、資産出金、株関係とキャッシュが動いた後、銀行へその内いくら預金したのか、それとも銀行からいくら引き出したのかを調べるわけです。
本来なら、この中に私の個人通帳分を全部含めなければなりません。もう一点、別項で詳しく説明しますが柱の全員の口座も含めるべきなのです。しかし、それはなされていません。とりあえずは当局の調べた銀行口座のみで考えるしかありませんので、限定された口座だけで算出しました。
信用取引の保証金残の増減については、
資料六-十によって、信用取引の保証金残の各月の増減を出しました。
*****⒊ 銀行関係計
銀行関係計として、銀行預金残と信用取引保証金残、及び銀行からの借り入れ金によるキャッシュの流れの計を出しました。算式は、
となります。すなわち、銀行へ預金したキャッシュと、信用取引保証金として証券会社へ入れたキャッシュを足して、そこから銀行から借りたキャッシュを差し引けば、合計いくら銀行口座と証券会社口座へキャッシュを入れたかの金額が出てきます。いわば、資産出金と同じようなものです。資産として銀行にキャッシュは残りますが、手持ちのキャッシュは減るということです。逆に、この数値がマイナスであれば、銀行から引き出して手持ちキャッシュが増えたということです。
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