国税マフィアの闇-⑪
- 2015.07.28
- 山根治blog
「脱税は犯罪ではない。現在の法体系を前提とする限り、脱税(逋脱)という犯罪は犯罪として成立しない。」
上記の命題についてはすでに述べた(“国税マフィアの闇-8”)。ところが現実には査察調査が行われ、脱税犯として当然の如く告発がなされている。犯罪として成立しないはずの脱税犯が何故堂々と告発されているのか、私には長い間謎であった。
査察官が嫌疑者を、脅したり騙したり、あるいは利益誘導したりして、査察調査によって積み上げた脱漏所得を認めさせ、強引に修正申告(無申告の場合は、期限後申告)させているのはすでに判っていた。納税者(犯則嫌疑者)が自ら修正申告等をする場合には、その実体はともかくとして、法形式的には脱税犯が成立するのである。
問題は納税者が査察官の言い分を頑として認めず、修正申告等に応じない場合である。私の場合が(“冤罪を創る人々”)まさにそうであった。査察調査に納得がいかず私のところに駆け込んでくる人達も同様であった。
現在進行中の3つの案件も同様であり、私は査察調査が違法であることを理由に待ったをかけ、査察の中止を要求しているところだ。
3つのうちの一つの案件(東京国税局)について言えば、私の査察調査中止の要求に対して問答無用とばかりに検察庁(横浜地検)に告発がなされたために、若い弁護士とタッグマッチを組んで、担当検事に対して不起訴処分にするように強く要求しているところである。
東京国税局の告発を受け捜査を開始したのは、美人の誉れが高い女性検事であった。この女性検事、私が指摘する法の欠陥についてはいまだ認めようとしないが、査察が提出した告発書類がデタラメであることに気がついたものとみえて、告発内容をゼロベースで見直す作業を行なっている。
インチキ査察調査を、公正な検察官の眼で徹底的に洗い直すことを通じて、私が主張している「脱税は犯罪たりえない」という命題が、検察官自ら実感として理解できるようになるはずだ。
これまで数多くの検察官と接してきたが、一人の例外もなくすべてが国税当局の操り人形であった。査察調査がいかにデタラメなものであろうとも、査察調査の結果に疑問を持つことなど思いもよらぬことであったろう。
その典型が、「冤罪を創る人々」で主要な役割を演じた2人の検事だ。一人は私を逮捕し、デタラメな取調べを行なった中島行博検事(現、金沢地検検事正)であり、今一人は支離滅裂な公判を維持し、デタラメな論告求刑を行なった立石英生検事(現、金沢高検、金沢支部長)である。
共に、デタラメな査察調査の結果を鵜呑みにして事を進めていったのであるから、あちこちに矛盾が生じ、見るも無残な結果に陥ったのは当然のことである。
このような、いわば思考停止状態に陥っている検察官の実態を知悉している私は、利権集団である国税マフィアの中核が検察官であると思っていたが、わずか一人であるとはいえ、国税マフィアの組織(利権集団)に組み込まれていない検事がいることを知り、ホッとした思いである。
この女性検事の当然ともいえる行為が蟻の一穴となって、戦前から延々と続き、戦後東京地検特捜部へと引き継がれた「思想検察」のデタラメさの一端が白日のもとに曝され、是正される日が来るに違いない。納税者を食いものにしてきた国税マフィア消滅の日である。
納税者が、査察官の勝手な言い分に対して異を唱え、修正申告等に応じない場合には、法形式的には脱税犯は成立しない。
それにも拘らず、犯罪として告発・起訴がなされてきたのは何故か、私にはその理由が判らなかったのである。
前回述べた「長官通達」こそ、私の長い間の疑問を解消してくれるものであった。謎が一瞬にして解けたのである。
驚くべきことに、この「長官通達」は、もともと犯罪ではない「脱税犯」を、法形式的に犯罪にデッチ上げるための秘密指令書であった。税務行政のトップである国税庁長官自らが、無実の罪(冤罪)を犯罪としてデッチ上げるための、いわば偽装工作を、ことこまかに指示していたのである。国税マフィアのボスによる犯罪(冤罪のデッチ上げ)指令書である。「冤罪を創る人々」の真犯人が、国税庁長官その人であったということだ。
この「長官通達」が何故、偽装工作を指示した犯罪指令書であるかについての詳細は、別稿に譲る。
私が驚いたのは、国税庁長官自らが脱税犯罪をデッチ上げていた真犯人であったことだけではない。
ナント、この「長官通達」を出した国税庁長官が、現在の安倍政権の中枢にもぐり込んでいたのである。
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ここで一句。
(八百万(やおよろず)の神。)
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