狂える検察官-(3)
- 2014.05.13
- 山根治blog
改めて税理士法の規定を見てみよう。
税理士法第2条は次のようになっている。「税理士は他人の求めに応じ租税に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。」 この「次に掲げる事務」とは、前回示した税理士業務の1.~3.のことだ(「狂える検察官-(2)」参照)。
第2条の「業」について、税理士法のコンメンタールでは、「「業」とは、有償が前提であることから、弁護士は、弁護士法第72条で「報酬を得る目的で」とされ、公認会計士は、公認会計士法第47条の2で「報酬を得て」とされている。税理士制度は、これらと法制度上異なる規定ぶりとされ、一般的に税理士業務は「無償でも行ってはならない」と解釈されている。しかし、このことについては必ずしも明定されていないとの指摘も一部にある。」(『実践税理士法』日本税理士会連合会編、坂田純一著、P.40)と、何やら怪しげな説明がなされている。
ちなみに、ここで”「無償でも行ってはならない」と解釈されている”と言及されている根拠は、財務省が出している、次のような税理士法の解釈通達だ。
この基本通達は、税理士法という法律の条文をどのように解釈するかについての行政府の見解を示したものであって、法律ではない。法律ではない、一片の通達で、「業」の意味を、有償だけでなく無償も含むように拡大解釈しているのである。
前掲のコンメンタールは、
などと、訳の分からないことを口走っている。「必ずしも明定されていないとの指摘も一部にある」など、何を寝ぼけたことを喋っているのか。法文では「業」とするとだけあって、もともと“明定”などされていないのである。弁護士法とか公認会計士法のように、「報酬を得る目的で」、あるいは「報酬を得て」といった法文が盛り込まれていないことを奇貨として、社会通念上は有償が前提である「業」であるにも拘らず、敢えて通達の形で無償の行為までも含めることにしただけの話ではないか。
インチキの代名詞である「東大話法」(注)の典型的な事例である。
ことは、人を罪に問うことができるかどうかといった極めてシビアな問題だ。お金を払えば済むといった問題とは訳が違う。役人のサジ加減によって「業」の中に無償をすべり込ませて、犯罪の範囲を拡大しているのであるから、犯罪構成要件の捏造である。罪刑法定主義に違反していることは明白だ。
(注)東大話法。富冨歩東大教授による造語。黒を白と言いくるめるインチキ論法。官僚が得意とする詭弁。
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ここで一句。
(”神の国復活させて神だのみ”)
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