認知会計からのつぶやき9-政治・経済・歴史を認知会計の視座から見つめ直す-
- 2013.03.05
- 山根治blog
***1.査察
戦前の治安維持法と同様、やりたい放題の違法捜査。脱税事件の50%以上は冤罪によるもの。冤罪の原因は国税犯則取締法(国犯法)がザル法であることと、査察官が刑事法規に無知であり、査察技法が稚拙であることと、検事・裁判官・弁護士が税法と税務実務に無知であること。査察官は、法律と監査のシロウト。
***2.査察(租税犯則調査)とは何か。
犯則事件(脱税事件)の証憑を収集して、犯則事実(脱税事実)の有無と犯則者(脱税行為者)を確定させるための手続き。査察の目的は告発。
「事実の認定」は証憑によらなければならず、証憑は次のように分類される。
<%image(20130305-9-1.png|520|134|証憑)%>
+人的証拠:人の言語によって表現される内容が犯則事実の証明に役立つもの。
+物的証拠:物の存在自体が犯則事実を証明するもの。
+書証:書面の存在又は意味(内容)が犯則事実の証明に役立つもの。
収税官吏(査察官)が行なうは次のように分類される。
<%image(20130305-9-2.png|527|221|調査)%>
任意調査は、相手方(嫌疑者以外の第三者を含む。国犯法1条の参考人)の承諾を得て質問、検査、領置によって行われるもの。強制調査は、相手方の承諾の有無に関係なく、強制的に臨検、捜索、差押えの方法によって行われるもの。
***3.税務調査による質問・検査権
任意調査と言われている一般の税務調査による質問・検査は、任意ではなく強制。拒否することもできないし、黙秘することもできない。虚偽の答弁をすることもできない。拒否したり、黙秘したり、虚偽の答弁をすると刑事罰が課せられる。受忍義務あり。
***4.査察による質問・検査権
強制調査と言われている査察による質問・検査は、強制ではなく任意。拒否もできるし、虚偽の答弁をしても罰せられることはない。黙秘権あり、受忍義務なし。逮捕権なし。
あたかも強制であり、受忍義務があるかのように敢えて誤解させている国税当局。否認している嫌疑者に対して、逮捕をチラつかせて脅すのは明らかに違法。
***5.査察の実態
拷問部屋を活用した虚偽自白の強要など、違法捜査のオンパレード。窓のない密室に連れ込んで長時間締め上げること、威圧的・脅迫的言辞を弄して虚偽の自白を引き出すこと。書証(質問てん末書、査察官報告書)の捏造(偽造又は変造)。これらの常套手段は捜査手続の上で違法性があるだけでなく、れっきとした犯罪行為。国家権力を背景にした査察は暴力団以上の犯罪集団。刑法104条、刑訴法319条、321条3号、322条。
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