2009年11月

『疑惑のダム事業4,600億円』-八ッ場ダムの費用対効果(B/C)について -3

***Ⅳ.計算プロセスにおけるインチキの実態  Ⅱの6.の年平均被害軽減期待額(B2の便益)のゴマカシの実態は、2つの確率が操作手段として使われていることに加えて、B2の便益を計算する上で、1/57のところで勝手に線引きをして、それ以下(1/3、1/5、1/10、1/30、1/50、1/57)のB2の便益を切り捨てていることだ。 +まず、マニュアルでは2種類の確率が用いられている。一つは、流量規模 […]

『疑惑のダム事業4,600億円』-八ッ場ダムの費用対効果(B/C)について -2

***Ⅲ.非現実的なインチキ計算の実態  Ⅱの(3)の洪水被害額(B1の便益)と(5)の洪水被害軽減額とのゴマカシの実態は、10のパターンの洪水にかかる水害予測値が、過去の実際の水害被害額と比較して、余りにもかけ離れた巨大なものであり、非現実的なものであることだ。 (1)まず、八ッ場ダムに関係のある1都5県(東京、千葉、群馬、埼玉、茨城、栃木)の過去10年間(平成10年~同19年)の年平均の被害額 […]

『疑惑のダム事業4,600億円』-八ッ場ダムの費用対効果(B/C)について -1

***Ⅰ.はじめに ****(1) 八ッ場ダム事業の概要  昭和27年(1952年)に計画され、50年以上にわたって延々と続いてきた八ッ場ダム建設事業は、政官財の利権トライアングルを象徴する典型的な事例であり、その概要は次の通りである。 +総事業費4,600億円、残事業費1,383億円。但し、従来の経緯に鑑み、総事業費は更に1,000億円以上増加する見込み。+目的・必要性++洪水調節(利根川流域の […]

八ツ場(やんば)ダムの中止と税金ドロボー-4

7.群馬県知事の誤りの二つ目は、「政権が変ったから中止した」と、短絡的に決めつけていることだ。  ダム工事を中止するのは、法律(政策評価法)の上で事業継続の必要条件が備わっていないからであって、もともと時の政権に左右される筋合いのものではない。自公政権下でも中止すべきものは中止すべきであったということだ。これまでの自公政権は、なすべきことを怠り、頬被(ほおかぶ)りを決め込んでいただけのことである。 […]