検証!! 『ホリエモンの錬金術』-号外11

 堀江氏は、和井内修司氏と小飼弾氏への株式譲渡の日が、ちょうど一年だけズレているのは、“記載ミス”であった、などとなんとも気楽に釈明していますが、これは単なる記載ミスではありません。一定の意図を持ってなされたバックデイト、つまり捏造の足跡がベッタリと残っていたということです。

 以下、詳しく説明いたします。

 堀江氏は、“ホリエモンの錬金術サイト批評-号外「検証!!『ホリエモンの錬金術』に対する反論」(2009-06-03 09:45:52 )”において、

『和井内修司さんと、小飼弾さんへの株式譲渡周りの処理が「届出目論見書の記入漏れ」と称しているあたりも、どうやったらこんな曲解ができるのか理解に苦しむ記述となっています。』

と書き出しはごく普通の話しぶりですが、書き進めているうちに次第に興奮してきたらしく、

『H11.08.03に、1:3の有償株主割当増資をして、私の持株は148株から4倍の592株になります。そこから、彼らにそれぞれ8株、4株と割当られ580株の持株となります。その処理は同じ日に実行されていますが、それをなぜか順番を逆にして、148株から12株割当られ、136株になってそれに対して1:3の割当を行い、544株になったのだが、その後両氏に1:3で割当られた株を買い戻したのが、目論見書に記載されていないと言い張っているのです。なんでわざわざ逆にするんだよ・・・・。言いがかりにもならないレベルの話です。これもあきれてものが言えないレベルですな・・・・。どうやったらこんな風に解釈できるのか。…あーあ…ここまでくると陰謀論に近いですね。』

となんだか逆ギレの状態です。
 その日のうちに、akiさんから厳しいツッコミがあった(無題、aki 2009-06-03 20:30:09)からでしょうか、次のような釈明がなされています。

『追記:
・・と思っていたら、山根氏の資料を良く見たらH10.08.03とH11.08.03と一年違っていました。届出目論見書の原本も手元にないので、検証のしようもありませんが、もし彼(山根注:彼とは山根治のことです)の記述が正しいのであれば、目論見書の記載ミスとしか考えられませんね。もしそうであれば、誤解を招いてしまい大変申し訳ありません。
普通に考えれば、入社時期から言っても、同じ日にやったと解釈するのが普通だと思います。』

 ここで、堀江氏が明らかにしたことを整理してみますと、
+平成11年8月3日に、1:3の有償株主割当増資をして、堀江氏の持株は148株から4倍の592株になった。
+この592株の中から、同じ日に、和井内氏に8株、小飼氏に4株、1株5万円で譲渡した(1株5万円については、同じ日に「このブログで2009.5に売れたモノランキングTop30の第一弾(30-16位)」において明らかにしています。)
+ところが、(山根は)なぜか順番を逆にして、148株から12株割当てられ、136株になって、それに対して1:3の割当を行い、544株になった。その後両氏に割当てられた株を(堀江氏が)買い戻したのが、目論見書に記載されていないと(山根が)言い張っている。
+なんでわざわざ逆にするんだよ。ここまでくると、(山根のやっていることは)あきれてものの言えないレベルの話で、陰謀論に近い。
+と思っていたところ、山根の資料をよく見たら平成10年8月3日と平成11年8月3日と一年違っていた。
+届出目論見書が手元にないので検証できないが、もし山根の記述が正しいのであれば、目論見書の記載ミスである。
 堀江氏の逆ギレ部分を外してまとめてみますと、

『堀江氏は自分の持株592株の中から、二人に対して、合わせて12株、一株5万円で譲渡した。目論見書の中で、この譲渡年月日が、一年前の平成10年8月3日となっているとすれば、目論見書の記載ミスである。正しい譲渡年月日は、平成11年8月3日である。』

となります。

 このたび改めて、新株式発行届出目論見書(証取法第5条により平成12年3月8日、関東財務局長宛に提出されたもの)の第4部株式公開情報 - 第1 特別利害関係者等の株式等の移動状況(P.73)をチェックしたところ、堀江貴文氏から和井内修司氏と小飼弾氏とに、インセンティブの付与という理由で、平成10年8月3日に、それぞれ8株、4株ずつ、一株5万円で譲渡された旨の記載を確認しました。

 この事実関係をふまえた上で、更に堀江氏の言い分をまとめてみますと、

『二人に株式を譲渡したのは、平成11年8月3日であった。目論見書で1年前の記載になっているのはミスである。』

となります。

 堀江氏は上記のように単なる記載ミスと軽く受け流している訳ですが、決してそのような軽いものではなく、故意の小細工、言い換えれば捏造そのものであることについては、次の号外12に譲ります。

(この項つづく)

 ―― ―― ―― ―― ――

 ここで一句。

“一言が 少ない夫 多い妻” -柏原、柏原のミミ。

 

(毎日新聞、平成21年6月6日付、仲畑流万能川柳より)

(“ドシャ降りの 言葉を浴びて 石になり”)

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