ライブドア監査人の逮捕 1
- 2008.02.26
- 山根治blog
ライブドアの監査を担当していた公認会計士の田中慎一氏が、「ライブドア監査人の告白」と銘打って、一冊の本を出版したのは、2年ほど前の平成18年5月のことでした。
当時、ライブドアと堀江貴文氏に対する強制捜査について、一部のマスコミ、あるいは有識者を自任する人達の間で、国策捜査ではないかとか、あるいは、万引のような微罪(粉飾決算は微罪だそうです)で死刑といった、およそピント外れの誤った議論が横行していました。そのような中で、誰よりも事件の内実をよく知る立場にあった、監査人が“告白”するというのですから、俄然(がぜん)私の興味を引いたのです。(“ホリエモンの弁解術-3”)
その田中慎一会計士が逮捕されたというニュースが飛び込んできたのは、平成20年2月14日のことでした。プレスは、
と報じ、その4人の中の一人として、
を挙げていました。
私は3年前に、マニアックなまでにかなり徹底してライブドアという会社と堀江貴文という異形(いぎょう)の人物について調査分析し、その結果を公表しています(“ホリエモンの錬金術”)。ここで私は、敢えて“異形”という形容詞を堀江氏につけているのですが、今改めてこの人物を一言で評するとすれば、これ以外に思いつかないほど私の気持ちにピッタリ沿っているようです。ちなみに、異形とは、
とされ、更に、「異様」を引いてみますと、
とあります。(いずれも、新明解国語辞典第四版-三省堂、による。)
このような経緯から、ライブドアの数多くのインチキに関係した人物とか、会社などは私の脳裡にしっかりと刻み付けられていますので、このニュースの中で、
-港陽監査法人、とか、
-田中慎一公認会計士
の名前に敏感に反応した訳です。この2つの名前に加えて、上場以来インチキを繰り返すライブドアの経営陣にいながら、事件が発覚する前に多額の利益をフトコロにして、逸(いち)早くライブドアから抜けていった人物、榎本大輔氏(36)までが事件がらみで登場しているのですから尚更でした。
ただ一つだけ訝(いぶか)しく思ったことがありました。港陽監査法人は既に解散していますので、“元”となっているのですが、田中慎一氏の肩書きは公認会計士となっているのみで、“元”がついていなかったからです。田中氏は、2年前に自らの著書で、会計士の廃業宣言、つまり会計士の資格を返上すると公言していましたので、てっきり会計士の登録が抹消されているものとばかり思っていたのです。
―― ―― ―― ―― ――
ここで一句。
(鬼ババアとは言うものの、鬼ジジイとは言わぬが如し。)
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