ゲームとしての犯罪 -16

22万人ほどの被害者の持株のコストが、3,792億円で、これに対応するタマリが2,225億円であるとすれば、この差額の1,567億円は一体どうなったのでしょうか。

このうち明らかなのは、ライブドアがこの6年の間に無駄づかいをしたお金です。



ライブドアが上場前を含めて株主から増資などでかき集めたお金は次の通りです。(「ホリエモンの錬金術-17」参照のこと)

***<表15>株主からかき集めたお金
^^t
^cc”^年月
^cc”^金額
^cc”^摘要
^^
^1.平成11年9月
^rr”^6億円
^第三者割当増資
^^
^2.平成12年4月
^rr”^56億円
^公募増資
^^
^3.平成15年10月
^rr”^48億円
^公募増資
^^
^4.平成16年4月
^rr”^358億円
^公募増資
^^
^5.平成17年2月
^rr”^800億円
^MSCBの発行
^^
^6.平成17年5月
^rr”^440億円
^第三者割当増資(フジテレビ)
^^
^cc”^合計
^rr”^1,708億円
^
^^/
株主から1,708億円集めて、残っているのが1,537億円(<表12>)ですから、この差額の171億円は社外に流れ出たことになり、これは、浪費あるいは無駄づかいと言ってもいいものです。尚、ライブドアは、買収した子会社を利用して株式市場から集めていますので、グループ全体としての無駄づかいは、子会社が増資によって集めたお金を加えなければなりません。従って、グループとしての無駄づかいは200億円をはるかに超えることになるでしょう。
ここでは話を分かりやすくするために、子会社の増資のことは考えに入れないで、171億円の無駄づかいということにしておきます。

この171億円以外のお金は、株式市場を通じて一般の投資家の手許に渡っています。
つまり、1,396億円(1,567億円-171億円)分のお金は、ライブドア株の売買で儲けた人達の懐の中に入っているのです。この人達は事件が発覚するまでは、ライブドアのインチキのカラクリを知らなかった訳ですから、この利益自体、決してやましいものではなく、不当なものでもありません。この点、<表14>で列挙した堀江貴文氏以下(No.2からNo.8まで)のゴマカシの当事者とは明確に区別しなければなりません。

これをまとめてみますと、次のようになります。

***<表16>買いコストとタマリとの差額1,567億円の内訳
^^t
^cc”^項目
^cc”^金額
^^
^1.無駄づかい(浪費)
^rr”^171億円
^^
^2.一般投資家の利益金
^rr”^1,396億円
^^
^cc”^合計
^rr”^1,567億円
^^/
以上によって、買いコストの3,792億円は、次のような形で流れていったものと考えられます。

***<表17>買いコスト3,792億円の行方
^^t
^cc”^項目
^cc”^金額
^cc”^摘要
^^
^1.会社(ライブドア及びグループ会社)
^rr”^1,192億円
^<表12> (注)
^^
^2.会社外
^rr”^1,033億円
^<表13>
^^
^3.浪費
^rr”^171億円
^<表16>
^^
^4.一般投資家の利益
^rr”^1,396億円
^<表16>
^^
^cc”^合計
^rr”^3,792億円
^
^^/
(注)会社のたまりは、<表12>の1,537億円からフジテレビの345億円を差し引いたもの。1,192億円

<表17>のうち、3.の浪費は必ずしも不当なものとまでは言えないでしょうし、4.に至っては、既に述べましたように、むしろ正当な利得と言ってもいいものです。
問題なのは、1.と2.を合わせた2,225億円のお金ということになります。

―― ―― ―― ―― ――

ここで一句。

“キスしたら顔をふきだすうちの猫” -東京、水島た真子。

 

(毎日新聞:平成18年7月24日号より)

(お似合いカップル。)

 

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