冤罪を創る人々vol.95

2006年01月10日 第95号 発行部数:408部

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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-
http://consul.mz-style.com/catid/11

日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
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明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上
げます。

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●「引かれ者の小唄」 ― 勾留の日々とその後
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「自弁品アラカルト -その4」より続く
http://consul.mz-style.com/item/457

5.自弁品アラカルト

5)その5

私の房内には、裁判関連資料、書籍・辞書・パンフレット類の他
に、かなりの量の食品があった。
拘置所の食事が質量ともに満足すべきものであったことについて
は既に記した通りである(※「クサイ飯の実態」を参照)。

クサイ飯の実態
http://consul.mz-style.com/item/310

一日に朝昼晩の三食だけでなく、時にはおやつとか果物さえ支給
され、夏期にはアイスクリームとか冷えたスイカまで配給された。
こと、食べるものに関しては至れり尽くせりであった。
したがって理屈からすれば、わざわざ食料品を購入する必要など
ないはずである。
しかし私は許される限りの食料品を買い込み、房内に備蓄したの
である。とりわけ一日800gと制限されていた果物については毎
日のように注文していた。

購入できる果物は季節に応じて異なっており、その都度看守から
品目の通知がなされた。バナナ、りんご、みかん、キウイ、柿など
であり、なかでもバナナとりんごは常に手許に置いていた。
その他、梅干(鰹節を加えた味梅)、チーズ(雪印ミニチーズ、
一個57円)、のり佃煮(一個134円)、七味(10ヶ入り31
円)、仁丹(49円)は常備していたし、あんぱん(一個93円)、
キャラメル(森永ミルクキャラメル、一箱62円)、チョコレート
(明治ミルクチョコレート、一枚103円)、カンロアメ(一袋
185円)、羊かん(206円)、おやつ昆布(258円)、ミニ
羊かん(309円)については、はぼ常備の状態であった。

これ以外にも、購入できるものは、実際に食べるか否かには関係
なく、許される限り片っぱしから購入し、房内に蓄えていたのであ
る。 検査した看守が、スーパーマーケットが開けるようだとから
かったのは、私がやたらと自弁品を買い込み、房内にかかえ込んで
いたからである。

必ずしも全てを食べ尽くすわけでもないのに、勾留中に何故やた
らと食料品を買い込み、房内に備蓄していたのか、保釈されて9年
経った現時点で冷静に分析してみたところ、2つの理由に思い当っ
た。

一つには、クリーム色の壁と灰色のアスベスト天井に囲まれた畳
の小部屋はいかにも殺風景なものであったため、房内を少しでも賑
やかにし、身の回りに彩りを添えることを考えていたのであろう。
その上、白、青、赤のりんごは、それぞれ異なった芳香を放ち、独
房を豊かな空間に変える役割を果した。
次に言えるのは、食生活を官からの一方的な押し付けではなく、
いわばトッピングを加えることによって、気持の上からだけでも自
前の食生活に切り替えることを無意識のうちに考えていたのではな
いかということだ。
出された食事を、定められた時、定められた時間内に摂ることを
繰り返すなんて、ブロイラーと同じではないか。
精神的に必ずしもタフではない私がブロイラーのような生活を長
期間強いられるものとすれば、肉体的にはともかく精神的に変調を
きたし、精神が破綻するに至るかもしれない。
多くの自弁用食料品を房内に備蓄して、自らの判断で食生活をバ
ラエティあるものにしようとしたのは、あるいは、自らの精神をガー
ドしようとする自己防衛本能の発現であったろうか。

房内にビニールケース入りで掲示されていた食料品等の価格表は、
次のようなものであった。
品目の一つ一つを獄中ノートをもとに書き写していると、房内の
情景がまるで昨日のことのように浮かび上がり、10年前にタイム
スリップする思いである。

(続きはWebサイトにて)
http://consul.mz-style.com/item/462

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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
http://consul.mz-style.com/catid/21

「投資ジャーナル事件の真相 -1」より続く
http://consul.mz-style.com/item/458

・ 投資ジャーナル事件の真相 -2

私は事件が起った直後に、地元の新聞社が発行している「山陰経
済ウイークリー」という雑誌に中江滋樹氏についての一文を寄せた
ことがあります。当時、「明窓閑話」と題してその時々の思いを綴っ
ていたのです。以下、同誌の昭和59年9月11日号から転載いた
します。「明窓閑話」181回目の記事です。

「負ければ賊軍」

投資ジャーナル、甘い儲け話にワナ、十倍融資、悪のカラクリ、
詐欺商法に奢った中江滋樹の宴のあと、舌先三寸で数百億-証取法
違反容疑で摘発された投資ジャーナル社と中江滋樹会長とに対する
マスコミの悪口雑言はすさまじいばかりであり、連日のようにテレ
ビ、新聞、週刊誌が、これでもかとばかりにとりあげている。

中江滋樹、三十歳、滋賀県近江八幡市に生まれる。
中江氏との出会いは今から八年前にさかのぼる。
昭和五十一年七月、私がお世話になった会計事務所に辞表を提出
した一ヵ月後のことだ。
京都のある中華料理店の一室、氏は初対面の私に二つの強烈な印
象を残した。
一つは、氏の当面の目標は証券会社を手に入れること、と切り出
した私へのアプローチの強さであり、今一つは失礼な態度をとった
ために私が一喝したことに対する機敏な態度の変化である。
氏が一メートルほどパッと退き、額を畳の上にこすりつけて、私
に許しをこうた姿は今も記憶に新しい。
中江滋樹氏二十二歳、私三十四歳のときのことであり、それ以来、
私は中江滋樹氏の顧問であり、氏が摘発を受けた現在も顧問である
ことに変わりはない。

かつて、北浜の若獅子と称賛した朝日新聞は、手の平をかえすよ
うに同じペンでもって中江氏に非難の矢をあびせかけた。他のマス
コミも大同小異である。
頭の回転の速さ、抜群の記憶力、アイデアの斬新さ等、類い稀な
頭脳の持ち主である中江氏は、カリスマ性をも十分に持ち合わせて
おり、人をひきつけてやまない。
中江氏は生来の勝負師である。それが、たまたま株のダイナミッ
クな世界に魅せられ、深くたずさわっていくにつれて相場師と目さ
れるまでになった。

氏のことを、詐欺師と口ぎたなくののしっているマスコミの記者
諸氏のうち、一体何人が氏と直接話をしたことがあるだろうか。元
幹部の証言とやらが週刊誌に出ているが、本当に幹部の証言なので
あろうか、疑わしい限りである。
株の世界はロマンであると同時に、極めて厳しい非情の世界でも
ある。
勝つか負けるか、この一点に賭けて相場師は全精力を傾注する。
勝てば風雲児、若獅子ともてはやされ、負ければペテン師とのの
しられる。ただそれだけのことだ。

氏がいいかげんなことを言って投資家をだまし、金をまきあげた
とか言われているようであるが、かりそめにも株をやろうという人
が、そんなことで欺されるだろうか。また、特定の銘柄の株価を勝
手に操作して、人をその気にさせて金を引きだしたとも言われてい
るようであるが、株がそんなに簡単に操作できるものであろうか。
ただ、二部上場の株とか、店頭銘柄など超品薄株はわずかな買いで
値が飛ぶことは事実であるが、そんなことをして値を飛ばしても売
り抜けることは難しい。そのために、自ら傷を負うことなく株価を
操作することは不可能に近い。
ただ一つの例外は、証券会社による操作である。ひそかに安く仕
込んでおいて、一般投資家に売り逃げる。大手証券の常套手段であ
る。とくに大手N証券のやり口は、中江氏などの比ではない。

勝負の世界は、善悪の判断になじまないのではないか。被害者と
かいって大さわぎしている連中は、要するに一獲千金をねらい、そ
れが自分の思い通りにいかなかっただけのことではないか。
資金の運用は、一つの例外もなく、いかなる場合にも自らの責任
と判断ですべきであり、リスクと成果とは常に反比例するものであ
ることを肝に銘じなければならない。

勝てば官軍、負ければ賊軍、中江氏は一つの勝負に敗れたものの、
全ての勝負に負けたわけではない。
生まれつきの勝負師である氏は、命の尽きるまで挑戦を続けるで
あろうし、私もまた命の尽きるまで氏とのつきあいを続けるであろ
う。

―― ―― ―― ―― ――

ここで一句。

“我利我利の金の亡者が結集し主人操る官邸の奥”
-大阪府池田市、医師岡崎欣一、77歳。
(朝日新聞:平成17年12月6日号“声”欄より)

(岡崎氏の自評に曰く「丸投げ?」。私のまわりにも“金の亡者”が
何人かいますが、“夢起”という別名を持っていた天性の相場師は、
金の亡者とはほど遠い人物でした。お金は夢を実現する手段である
と同時に、時として夢を破壊する魔物にもなるようです。)

 

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